最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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番外編 清本和奈の洛山生活42

ツーアウトランナーなし。新越谷のエースと、梁幽館の4番打者がいよいよぶつかり合う……。

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!』

 

「良いコースだねぇ」

 

「うん。あれは下手に手を出そうとすると、打ち取られちゃうよ」

 

私も今のコースだと詰まらせちゃうかも……。だからこそ中田さんは見送ったんだ。

 

その後2球続けてファール。3球目はボールゾーンだけど、カットしたのは良い判断だね。

 

「明らかなボール球もカットしてるね~」

 

「カウントが悪くなると歩かされるのを中田さん自身もわかっているからでしょうね」

 

「でもその気持ちはよくわかるかも……。私もシニアの時はくさいところ突かせてあわよくば凡打っていうピッチングを多くされてたから……」

 

「まぁ和奈のあのバッティングを見るとね~」

 

だからそういう球をどういう風に打とうかっていうのが当時の課題だった。今では明らかな敬遠球以外ならヒット性の当たりは打てると思う。まぁ球種や球威にもよるんだけど……。

 

「そういえば和奈さんのところは大会や練習試合では勝負してもらってるんですか?」

 

「うん。1回戦の相手投手は全員相手してくれたよ。1年生で4番なのが珍しかったからかな……?」

 

2戦目の相手は2打席目以降は歩かせ気味だったけど、それでも1試合1本はホームランを打ててる。大豪月さんはそれこそが4番の仕事だって言ってたし、これで良いんだよね?

 

「洛山高校の去年と一昨年の4番は大豪月さんでしたからね。大豪月さんは有名ですから、彼女を越える打者なのか見てみたかった……という可能性はあるでしょう」

 

実際に大豪月さんの知名度は京都府内ではかなりのもので……というか京都どころか関西でも知らない人はいないんじゃないかなぁ?

 

「そんなにその……大豪月さんは凄いの?」

 

「私も神童さんに聞いた話なので詳しい事は知りませんが、大豪月さんは通算ホームランの数が中田さんを越える75本のスラッガーで、バットに当てたらホームラン確実とまで言われていました。それに加えて……」

 

「大豪月さんって投手なんだよね」

 

今打席に立っている中田さんと同じ……。決定的に違う部分は、打席にいる時の大豪月さんは常にホームランを狙ってるという精神を持ち合わせている事。中田さんもホームランそのものは狙ってるとは思うけど、チームの方針的にそれだけじゃ駄目なんだと思う。

 

「中田さんも確か本職は投手だったよね?はー、エースで4番って本当にいるもんだね~」

 

エースで4番っていうのも野球をやってたら、1度は夢見るもの……。私も体格的に投手の適性もあるって瑞希ちゃんや嶋田さんも言ってたし、そういうのもアリ……なのかな?

 

「更に洛山高校はここ2年間で全国でホームランの数が1番多く、2位との差が圧倒的なんだそうです」

 

「でも逆に走塁や守備は並くらいかそれ以下だって大豪月さんが言ってた……」 

 

「なんとも極端なチームだね……」

 

走塁はまだマシなんだよ?問題は守備……特に捕球方面。部員の9割以上は酷い捕球率なんだよ?今ではもう慣れちゃったけどね……。

 

「洛山高校は野球スタイルが打撃に全振りですからね。埼玉にも熊谷実業というこれまた野球スタイルを打撃に極振りしているチームがあるのですが、洛山は打撃もそれ以外もその比ではありません」

 

極振りと全振りは似てるようで全然違うんだなって……。

 

 

カキーン!!

 

 

「初球と同じコースだね……」

 

「ですが初球とは違う渾身の球だったでしょう。単純に中田さんが武田さんの渾身を上回った……というだけの話です」

 

でも今中田さんに投げた球なら、そんな簡単には……。

 

 

カキーン!!

 

 

打たれないんじゃないかなって、思ってたんだけど……?

 

「あれ?またホームランを打たれたよ?」

 

「……今のは余計な1本ですね。ですが梁幽館にとってはかなり大きいでしょう」

 

「と言うと?」

 

「今の武田さんは恐らく調子が最高潮に達しています。引き金になったのが、中田さんとの勝負を経たものだと思っていますが……」

 

人の調子を見抜く瑞希ちゃんが言ってるって事はそういう事なんだよね?だとしたら今の1点は新越谷からしたらもったいないなぁ……。

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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