私達は順調に勝ち進み、今日は京都府大会の準決勝。
「今日の相手は五条高校……。我々洛山が唯一と言っても良い京都府内のライバル校だ!」
あの大豪月さんがそこまで言う高校かぁ……。今までのようにはいかないんだろうね。
「いつもは決勝戦で当たるのに、珍しいですよね~」
「ウム。なのでこの試合に勝てば、全国大会出場は99%確定と見ても良いだろう!」
じゃあ私達はその残り1%を引かないように、頑張らなきゃね。その前に目の前の準決勝な訳だけど……。
「おいでやす。洛山高校の皆さん、今日はよろしくお願い致します」
「来たな皇。今日はこの私が直々に貴様達に敗北を降してやるわ!」
「そうそう思い通りになるとは思わん方が良いですよ。ほな」
皇と呼ばれる人は私達に一礼して去って行った。荒くれ者が多い京都府予選だったけど、あの人だけはなんか京都っぽい品の良さを感じるよ。
「まぁ皇さんは猫被ってるだけだけどね~」
「何重にも仮面を被っているな。普段重役との挨拶を高校生ながらも幾度とやっている代償だろう」
「そ、そうなんですね……」
つまり私達に見せた微笑みも作り笑いだって事なんだよね?綺麗に笑う人だったから、なんだか複雑な気分だよ……。
「とりあえず皇さんを相手にする清本ちゃんに軽くデータのおさらいをするね~」
「お、お願いします……!」
私は皇さんを相手にするのは初めてだから、非道さんの講座を受ける事に。
「皇美香。ポジションは投手で、右投げ左打ち。大豪月さんが豪速球の投手なら、皇さんは対照的に複数の変化球を操る軟球投手だよ~」
「複数の変化球……」
「データにある分だけでカーブ、シュート、シンカー、チェンジUP、SFF、ツーシームってところだね~」
聞いてる限りでは朱里ちゃんのような多彩な変化球を操る投手なんだね。
「フン!私はあの変化球が奴の本気とは思えないな。何度打ち崩しても、奴は一向に本気を出そうとせん!」
「どこかのらりくらりと投げてますよね~。去年の夏と秋も同じでしたし~」
「だがそんな奴が本気になって投げたその球こそが、奴の本当の投球だ。今日こそはあの省エネピッチを崩してやるわ!」
「頑張りましょ~って事で、皇さんの講座はこれにて終了~。清本ちゃんは今日の試合でも4番を任せるから、是非とも皇さんを打ってね~?」
「は、はい!」
今日の試合は大豪月さんが投げるみたいだし、いつものようなエラー祭りはないと思う。
(皇さんか……。大豪月さんが注目してるだけあって、のらりくらりしたピッチングでも凄い球を投げるんだろうなぁ……)
今日は簡単に打てないかも知れないけど、そんな投手との対峙を私は楽しみにしてるんだ……!
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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