球場に着いたのは試合開始ギリギリ。いずみちゃんが事前に場所取りしててくれたから、私達もすんなりと座る事が出来た。
『プレイボール!!』
あっ。試合始まっちゃった。本当に時間ギリギリだったよ……。
「いよいよ始まりましたか……」
「今更だけど、私達……練習そっちのけで朱里ちゃん達の試合を観に来てるんだよね……」
試合観戦も練習の一貫とはいえ、ちょっと罪悪感が出ちゃうよ……。
「やー、気にしたら負けだと思うよ?それよりも……」
いずみちゃんの視線は私達……主に大豪月さん、非道さん、そして神童さんに向いていた。特に大豪月さんと非道さんの2人はいずみちゃんよりも全然大きい。な、なんか私の小ささがより際立っているように見えるのは気のせいだよね……?
「どうかしましたかいずみさん?」
「そっちは連れて来たんだ……って思ってね」
「ああ、私達の事は気にしないでくれ」
「ウム!可愛い後輩のライバル達が活躍する姿をこの目で焼き付けておかないとな!!」
「まぁそういう訳だからよろしく~」
半分は建前の理由なんだよねこれ。まぁ何1つ間違ってないけど……。
「え、えっと……。確かいずみちゃんは初めてだったよね?私の隣にいる2人は……」
とりあえずいずみちゃんは2人と初対面だし、私が特にお世話になってる2人を紹介しなきゃ。
「私の事は大豪月さんと呼びなさい!そして私の隣にいるのは相棒の……」
「非道で~す。よろしく~」
大豪月さんと非道さんの紹介が終わると、いずみちゃんは私に詰め寄って……。
(だ、大丈夫なの和奈!?あの2人に取って食われたりしてない!?)
(だ、大丈夫だよ。私もあの2人には良くしてもらってるし……)
(体格の差がエグいから、心配だよ……。特に非道って人の不気味な雰囲気がヤバいし……)
いずみちゃんは大豪月さんよりも非道さんに身震いしてるみたい。物腰が柔らかいから勘違いしがちだけど、大豪月さんとはまた違う圧を感じるよね。非道さんって……。
「まさか大豪月達がわざわざ埼玉まで他校の試合観戦に来るとはな?今日は確か京都予選の決勝だった筈だが……?」
そう。決勝戦と丸被りしてるのに、私達3人はこの試合を観に来てるんだ。
「そう言う神童だって来てるではないか。うちの4番と白糸台の不動のエースが興味を示しているチーム……。そして今日はそんなチームの決勝戦だからな!試合をブッチしてでも観に行くさ!」
「あっ、試合結果きましたよ~。18対6で私達洛山が全国の切符を入手しました~」
私達3人が抜けた洛山がどうなるかちょっと気になってたけど、心配は杞憂に終わったみたい。良かった……。
「ウム!やはり私達がいなくても問題なかったな!!」
「あはは……」
大豪月さんの発言に苦笑い……。多分メアちゃんといたみちゃんが手綱を握ってたんだろうなぁ。一応マネージャーとして属してる2人だけど、大豪月さんや非道さんと同等の権力を担ってるっての前に聞いたし、色々ちらつかせてたんだろうなぁ……。
「……洛山って荒いチームだね~」
良くも悪くも、荒過ぎるんだよね……。私はもう慣れちゃったけど。
「今日の試合も和奈さん、大豪月さん、非道さんの主力3人が抜けても全国出場が容易いチームになっています」
「うちも洛山には苦しめられたからな」
洛山と白糸台……。この2校からただならぬ因縁を感じるんだよね。その詳細はちょっとだけ聞いた事があるんだけど、大豪月さんにとっては皇さん以上の強力なライバルなんだよね。白糸台の神童さんは……。
「洛山が2年連続ベスト4止まりなのは白糸台が準決勝で私達の進撃を阻むからだ!点も2、3点しか取れないし、練習試合ですらも打てないし!」
特に神童さんが投げる試合は本当に洛山でも点が取れない。神童さんからまともに打てるのは大豪月さんと非道さんだけだもん。
「今年は負けませんよ~?」
「望むところだ」
「私達白糸台も負けません」
あれ……?なんか殺伐とした雰囲気になってる?
「おーい……。新越谷の試合とっくに始まってるよ~?」
「火花バチバチだね……」
私も洛山と白糸台の勝負の歴史に参戦する事になるのかな……?
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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