1点は取れたけど、ランナーがいなくなっちゃった……。
「い、行ってくるね!」
「和奈ファイト~!」
ホームランを打てるならそれに越した事はないけど、次の打者に繋いでいきたいな……。
「彼女が洛山高校の4番なのか……。小柄な体型からは全く想像からは出来ないな」
あれあれ?なんか失礼な声が聞こえるよ?そういう事は心の中で留めておいてね?
「ウム!我が洛山でもホームランの数はトップ!甘いコースなら軽々場外よ!!」
高校通算ならまだ大豪月さんの方が多いけどね。追い抜けるかなぁ……。
「……その発言が決して大袈裟ではないのが和奈さんですね」
何人かは知ってると思うけど、ちゃんとした結果は残してるよ。あとは身長さえ伸びれば完璧なんだよね……。
「この試合でも見れるかな~?和奈の場外弾」
「どうでしょうね。武田さんも良い投手ですから、借りに打たれたとしてもそう何度もホームランにする事は難しいかも知れません」
別に飛距離には拘ってないけど、場外を期待されてるの?確かにシニア時代は結構場外へのホームランを打ってた気がするけど……。
(それに武田さんが凄い投手だっていうのは、全くのその通りなんだよね。朱里ちゃんがエースナンバーを譲る事になるレベルの投手……。それが武田さんなんだから)
ズバンッ!
『ボール!』
初球はボール。外角高めに外れた。
(でも今のコースなら、当てる事は出来る。恐らく次に投げられる球は今のコースから更に外へ曲がる球……!)
2球目。投げられたのは、予想通りのコースに大きく曲がる球……。
(予想通り!)
合宿で身に付いた球を見極める技術がここで役に立ったよ。あとは踏み込んで打つだけ!
ガッ……!
「詰まらせたか……。あの身長であのコースに当てる事自体が難しかったのだから、仕方ないな」
確かに当たり的には詰まってるけど、多分これでいける筈……!
「……いえ、どうやらアウトと捉えるのは早計のようですね」
「何……?」
ガシャンッ!
力のない弱い打球だったけど、なんとかポール直撃まで行った。高校に入ってから更にパワーを身に付けた気分だよ。
「和奈さんは高校に入って更にパワーを付けましたね。洛山でなければ、今の当たりをホームランにする事は難しいでしょう」
瑞希ちゃんが言うように、洛山じゃなかったらここまで強引に打ちにいかなかったかも……。
「フハハハ!あれが我が洛山高校の4番打者……清本和奈よ!」
「これにはプロスラッガーもびっくり~」
来た球を本能的に打っただけだから、そこまで凄い事でもないと思うけどね。覇竹スイングもその延長線上な気もするし……。
「いやいやいや、可笑しいだろう!何故あんな体勢を崩した……というか転んでいたぞ!?それなのにどうしてあの当たりが出せる!?」
確かに最終的に転んじゃったよ。下半身もちゃんと鍛えないとなぁ……。
「やー、アタシ達は慣れてたからそんなに驚いてないけど、やっぱり可笑しいですよね~」
「それはそうだろう。シニアにいた頃でも何回かあんな風に和奈がホームランを打つ場面を見たが、今でも疑問に思うくらいだ」
「そう……でしたね。すっかり感覚が麻痺してしまいますねこれは……」
元チームメイトからは慣れてるけど、やっぱり可笑しいよね……みたいな反応をされる。でも私はこのパワーでホームランを打ち続けて、今の私になってるんだもん。
「……何にせよ今は頼もしい味方だ。清本のホームランを喜ぼうじゃないか」
そう言って神童さんがまとめてくれた。この度量の大きさが白糸台のキャプテンなのかもね。何にせよ……ホームラン打ったよ!
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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