最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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番外編 清本和奈の洛山生活63

2回表。新越谷の攻撃は……。

 

「頼んだぜ!スラッガー!!」

 

「任せてよ!!」

 

4番の雷轟さん。新越谷でもかなり期待されてるみたい。そして……。

 

「…………!」

 

(サードから感じる威圧感……。まだ野球を始めて3ヶ月程なんだよね?)

 

私が野球を始めて3ヶ月の頃とは全然違うや。まぁ小学生と高校生の3ヶ月じゃ、色々違うのも仕方がないけども……。

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!』

 

はづきちゃんは大きな変化のスクリューで雷轟さんを抑えに行く形を取るみたい。確かにあのクラスの打者を相手に、生半可な球だと返り討ちにあっちゃうもんね……。

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!』

 

あっという間にツーナッシング。3球勝負にするつもりだね。

 

(これで……フィニッシュ!)

 

そして3球目。同じスクリューでも前の2球と違って、更に大きな変化を見せた。

 

「うわっ!さっきまでよりもエグい変化してるぞ!」

 

「遥ちゃん!」

 

新越谷からは雷轟さんを心配する声が。私だったら、あのスクリュー打てるかなぁ?

 

(……ここだ!!)

 

「はぁっ!!」

 

 

カキーン!!

 

 

(えっ……)

 

態勢を崩しながら打ったその打球は、金網を越えていった。まさかあんな打球が打てるなんて……!

 

「ふぅ……」

 

「大丈夫ですか?」

 

「うん……。それにしてもやっぱ凄いねー。あのレベルの強打者はまだまだ私の手が届く段階じゃなかったや!」

 

「はづきさん……」

 

「でも大丈夫だよ。あのホームランが切欠となって、この橘はづきは更に成長していく……。次に新越谷と相見える時はスーパーはづきちゃんになっているのだ!!」

 

はづきちゃんからは特に落ち込んでいる気配はない。あんなホームランを打たれたのに、凄く前向きだ。この前向きさは見習うべきなのかな……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『アウト!チェンジ!!』

 

後続の打者を上手く抑えたはづきちゃん。そして2回裏。こっちの攻撃は……。

 

「よろしく~」

 

非道さんから。洛山随一の曲者とも呼ばれてる打者だね。

 

「この回の打順は非道からか!これは面白い事が起こりそうだな!」

 

「去年と春の練習試合で対戦したが、非道はなんて言うか……不気味な打者だからな」

 

「不気味?」

 

非道さんが不気味と呼ばれる事に大半の人が首を傾げている。私は結構良くしてもらってるから、あんまり気分は良くないけどね……。

 

「確かに彼女の高身長から放たれる雰囲気には気圧されそうになるが、不気味……とは一体?」

 

「何だろうな?口で説明するのは難しい。非道との付き合いが長い大豪月なら何かわかるんじゃないか?」

 

「ム?非道の事か?彼奴との付き合いは幼少期からにはなるが、そんな私にもまだ全ては話しておらん!」

 

「そうなのか?」

 

「左様。出逢った時から私と行動を共にしているが、非道からは私から何かを掠め取ろうとしているような印象がある……。油断ならない奴よ!」

 

「今の話からわかるのは非道という人間がかなりの曲者……という事だけだな」

 

非道さんは洛山の参謀担当とも呼ばれてるよ。あとは大豪月さんの秘書官とも……。

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!』

 

「打つ気配が感じられない……?」

 

非道さんからはバットを振る気配を感じられない……。これが不気味と呼ばれる由縁なんだ。私はそんな非道さんを尊敬してるんだよね。

 

(これは……確かに厄介な球だね~。清本ちゃんはよくホームランを打てたものだ~)

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!』

 

(審判によってはボール判定されるコースなのに、それでもストライクの判定……。この打席は様子見かな~)

 

「こうして見逃していても何をするのか、何が狙いなのかがわからない……か。成程、不気味と呼ばれる訳だ」

 

他の人が同じようにしようとしても、決して非道さんのようには出来ない……。非道さんが優れている打者という証拠だね。

 

「バッティングに関して言えば、非道は誰にも当てはまらない動きをするからな……」

 

 

 

「他の打者がやろうとしても、安打以上に仕上げるのはかなり難しかったでしょう」

 

 

ズバンッ!

 

 

『ストライク!バッターアウト!!』

 

(次の打席には打たせてもらうよ~?)

 

結局非道さんは1球も振らなかった……。これを新越谷が、武田さんがどう捉えるかがとても重要になると思う。

 

「1球も振らなかったのは珍しいな非道?」

 

「球筋を見極めたかったんですよ~」

 

「次は打てそうか?」

 

「多分なんとかなるんじゃないですかね~?」

 

ちなみに後から訊いた話だけど、この会話はブラフみたい。他者に非道さんのバッティングスタイルはこういうものなんだ……というのを印象付ける為なんだって。

 

「~♪」

 

当の非道さんは鼻歌を歌いながら着けてたモノクルを外して、眼帯を装着してた。こういうところも不気味って呼ばれる理由なんだろうな……。

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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