試合は5回表。洛山と新越谷の打線は打ち合いに発展して、スコアは13対11になっている。
「ウチと打ち合える相手は珍しいよねー。大豪月さんが投手じゃないとはいえ」
「うん。新越谷の打線も強いんだけど……」
今回の試合では二巡目以降もエラーが勃発してるんだよね。それが余計に新越谷の打線を助長させてるんだ……。
「大豪月さ~ん」
「……フム、そろそろ良かろう!」
大豪月さんと非道さんが何やら話していた。もしかして……。
「黛!よくやった……。あとは私が投げる!」
「レフトの大豪月さんとそのまま交代だね~」
「は、はい……」
(やっぱり……。いよいよ大豪月さんが投げるんだ!)
正直最初から大豪月さんが投げていれば、ここまで点を取られずに私達が勝っていた……。でも大豪月さんは次期エースの黛さんに大舞台を経験してもらう為に、この機会を設けたんだ。それはチーム全体がわかっている事。
『洛山高校、シートの変更をお知らせします。ピッチャーの黛さんがレフト、レフトの大豪月さんがピッチャーに入ります』
大豪月さんが入るや否や、球場は大きな盛り上がりを見せた。
『凄い歓声です!大豪月選手がマウンドに上がった瞬間球場に鳴り響きました!』
『大豪月選手は全国でも知名度がトップクラスの選手です。今日の試合でも大豪月選手のピッチングを見に来た……という観客は多いでしょう』
今の女子高校野球は大豪月さんと神童さんの2大巨頭……ってよく言われてるみたいなんだよね。それだけあの2人の人気と実力が凄いって事……。来年辺りには朱里ちゃんもそこに収まったりするのかな……?
「いくぞ新越谷!更に強化された私のピッチングを!」
大豪月さんは構えると思い切り体を捻った。あのフォームは……。
(トルネード……。黛さんの実力を上回った新越谷を認めた……って事で良いんだよね?)
「な、何あれ!?滅茶苦茶体を捻ってる!」
「あれはトルネード投法って呼ばれるフォームだね」
「トルネード?」
「体を捻らせてその勢いでボールを投げる投法です。まさか生で本物のトルネードを、しかも高校生が投げるのを見られるとは思いませんでした」
新越谷sideはトルネード投法を見て驚いている人が大半……。無理もないよ。大豪月さん曰く自身が認めた相手にしか使わないフォームなんだから……!
ズバンッ!
『ストライク!バッターアウト!!』
(マジかよ……。練習試合で投げた時よりも更に速くなってやがる!)
6番打者を三振に仕留め。次は……。
『7番 ライト 早川さん』
(朱里ちゃんの打席だ……!)
大豪月さんの球を打てると思われる打者は4番の雷轟さんを除けば朱里ちゃんだけだと思うし、絶対に大豪月さんも用心する筈……。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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