整列が終わり、私は非道さんと大豪月さんと一緒に外の空気を吸いに行っている。
(終わっちゃったんだ……。私達の夏……)
少々の悔いはあるけど、私自身はあの新越谷との試合が1番楽しかったと思う。
「……新越谷に負けたみたいだな。試合見てたよ」
ふと大豪月さんが誰かと会話をしている様子が見えた。そこには白糸台の神童さんと瑞希ちゃんが……。
「そうか……。私は全力を出したし、黛の実力も確認したかったから、何の悔いもない!」
「黛ちゃんの球種や相性なんかも新越谷戦である程度把握出来ましたしね~」
黛さんの試運転……。これが1番大きな理由だよね。3年生が引退した後のエースになるって非道さんは言ってたけど……。
「雷轟には結局勝てていなかったようだが?」
雷轟さんに完膚なきに打たれたと大豪月さん自身が言ってたけど、本来なら悔しくない訳がないんだよ……。
「確かに今日は負けたが、野球を続けている限りはまたどこかで再戦するだろう。その時に勝てば良いのだ!」
でも大豪月さんは豪快にそう言った。最後に勝てば良いだろう……と。確かにその通りだよね。
「……そういう考え方もあるのか」
神童さんも大豪月さんの考えに納得したみたい。
「今日もホームランを量産していましたね」
「……今日はホームラン3本と5打点しか取ってないよ」
今までの試合では4本打つ事の方が多いもん。打点だって6~8が平均だもん……。
「充分じゃないですか……」
「それに雷轟さんの方が打ってたし……」
「雷轟さんの方はホームラン4本と8打点でしたか……」
多分単純なパワーは雷轟さんの方が上だと思うんだよね。だからこそ、大豪月さんの球をホームランに出来る訳だけど……。
「うん、大豪月さんのSFFも完璧に捉えていたし……。あのSFFは私もまだスタンドまで飛ばした事がないんだ。それを雷轟さんはわかっていたように……」
「……スタンドからでしか見てないので確証は持てませんが、大豪月さんの投げるボールには何か癖があるのかも知れませんね」
「癖……?」
そんなのがあったんだ……。そんなの考えた事もなかったや。
「それを雷轟さんは見抜いて打ったのでしょう」
(尤も雷轟さんがホームランを打ったあのストレートには癖はないようにも見えましたが……)
「……もしも本当に大豪月さんの癖を見抜いて打ったのなら、雷轟さんはもう既に私を越えるスラッガーだね」
流石、朱里ちゃんが目を付けた選手だよ。
「和奈さん自身がそう思っている……というのは意外ですね」
「うん……。雷轟さんはきっと私にはないものを持ってるんだと思う。それが何かはまだわからないけど……」
確実にわかるのは身長でしょ?あとは身長と身長と身長と……。
「その何かがわかったら……その時はまた私が全国で最強のスラッガーになるんだよ!」
「……私には縁のない単語ですが、頑張ってください」
まぁ身長云々は冗談だけどね?でもいずみちゃんみたいなモデル体型には憧れちゃうなぁ……。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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