友理さんの打席……。友理さんもそうだけど、バッテリーの入り方にも注目したいところだよね。
「どう出るだろ……?」
「バッテリーは朱里さんから友理さんのシニア時代のデータをもらっているでしょう。慎重に入りたいところですが……」
カキーン!!
「これは……」
「し、初球打ち!?」
友理さんが放った打球は新越谷のグラウンドを越えるホームランとなった。
「あれ持ってくかぁ……」
「理論派ながらも強引に持っていくパワーを有している……。これは矛盾しているようで、理論派にとっては大きな価値になるでしょうね」
「す、凄い……!」
友理さんのスリーランから立ち直ったバッテリーは後続の打者を抑え、チェンジとなった。
「この3点は梁幽館にとってかなり大きそうだよね~」
「友理さんがこの試合打てない可能性も考慮すれば、梁幽館はここからの逃げ切りを目指すでしょう」
そんな梁幽館に対して、新越谷は4番の遥ちゃんから……。
「この回は遥からだね」
「遥ちゃん、大会では成績が良くなかったから、この試合で少しでも結果が出たら良いよね」
友理さんとはまた別に、遥ちゃんも応援してるんだよね。同じスラッガーとしての性として、そして雷轟遥という選手の今後の成長に期待して……。
「…………」
「……?どうしたの瑞希?」
「もしかしたら……この試合で雷轟さんは打てないかも知れませんね」
「「ええっ!?」」
瑞希ちゃんから遥ちゃんがこの試合で打てないかも……という発言が飛び出し、私といずみちゃんは驚きの声をあげた。
「ど、どういう事!?」
「これは関東大会の決勝戦……雷轟さんと勝負をした時なんですが……」
理由が気になり、瑞希ちゃんがその理由を話す。関東大会の決勝戦での遥ちゃん、そして大会中の遥ちゃんの戦績を……。
「……それマジ?」
「そ、それがもしも本当なら……」
「あくまでも可能性の範疇ですが、それが真実なら新越谷の勝率は大きく落ちるでしょう」
今の遥ちゃんはスランプ期に突入してる可能性が高いかも。まだ野球始めて8ヶ月とかその辺りなのに……。
(もしかしたら朱里さんは既に気付いているかも知れません。そして対策を頭の中で考えている最中でしょう)
「雷轟さんを目覚めさせる切欠を持つのはやはり朱里さん……ですね」
「瑞希、何か言った?」
「なんでもありません」
いずみちゃんは聞こえてなかったみたいだけど、私は瑞希ちゃんの呟きが耳に届いた。
(朱里ちゃんが……遥ちゃんを救う為の道標になるんだね)
やっぱり朱里ちゃんは人を導く才能があるんだなって……。改めてそう思ったよ。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
-
見たい
-
見たくない