『アウト!チェンジ!!』
4回裏はなんとか無失点で切り抜けた。切り抜けたけど……。
「この回は8番からか……」
「前の回みたく打者一巡出来れば、一気にこっちのペースに持っていけるけど……」
そもそもこの5回からは7点差でコールドゲームになっちゃうから、最低でも1点はほしいよね。
『アウト!』
……って、あっという間にワンアウト!?このままじゃ不味いよ……。
ズバンッ!
9番の十六夜さんがなんとか四球で繋ぐ。
「アタシも続かないとね……!」
「いずみちゃん、頑張って!」
「任せてよ!これで3打席目だし、絶対にダルシユさんから打ってみせるから☆」
いずみちゃんは川越シニアでも頼りになる切り込み隊長……。きっといずみちゃんならなんとかしてくれる!
(ダルシユさんの球種はストレート、チェンジUP、ツーシーム、スライダー、カーブ……。まだ見せていない球がある可能性もあるけど、ここでアタシが狙うのは……!)
初球。投げられたのは、左打者の外へ逃げるスライダー。
(やっぱこのスライダーでしょ!)
カキーン!!
「初球から打った!」
いずみちゃんもそれを読んでたみたいで、悪球打ちを用いて長打コースの当たり。悪球打ちじゃなかったら、ホームランだっただろうなぁ……。
「よーし、これでひとまずコールドゲームは避けられたね!」
「良かった……。これで一安心だよ」
この打球だと確かに、一塁ランナーは帰って来れそうだよね。現に十六夜さんは三塁を蹴ってるし、いずみちゃんも三塁に向かってる。
「ランナー急いで!!」
「えっ?」
朱里ちゃんが大きな声で十六夜さんに帰還を急がせるように言うけど……。
ズバンッ!
「ええっ!?」
『アウト!』
レフトから矢のような送球が……。こ、これでツーアウトになっちゃった!?
「ここまでかしらね……」
「そうね……」
「私達はよく頑張った……」
三森3姉妹がそんな発言をする。ムードが悪くなっちゃうよ……。
「あ、諦めるのはまだ早いですよ!」
「……でも絶望的な状況だし、気持ちはわかるような気がします」
歩美ちゃんが諦めムードを静止して、綾瀬さんが諦めムードに同調。その影響か気持ちがバラバラになり始めてる……。
「……勘違いしてる人が何人かいるみたいだけれど、私達は試合を投げた訳じゃないわよ?」
『えっ?』
朝海ちゃんの言葉に反応したのは、諦めムードになってる人達。
「……私達がここまでと言ったのは、私達三森3姉妹の温存の事よ。流石にアウト1つで敗北になってしまうこの状況下で温存するのは無理だと私達は思ったまでよ」
今の朝海ちゃんの発言でピンと来たと思う。三森3姉妹はこれまで走塁をセーブしてたけど、それをここで解き放つつもりなんだ。
(そうよね?二宮瑞希……?)
(やむを得ないですね。解禁してください)
(……わかったわ)
「朝海姉さん、いけるよね?」
「……世の中に絶対はないわ。けれど私なりに足掻くつもりよ」
「頑張って……」
ツーアウト三塁。この状況で取る朝海ちゃんの行動は……。
(ツーアウトでランナーが三塁、内野陣は深めの守備位置……。やるしかないわね)
コンッ。
『バント!?』
(私達三森3姉妹の特徴の1つ……それは足の速さを活かしたセーフティバントよ!)
初球セーフティスクイズ。普通はツーアウトでバントはしないけど、そこは三森3姉妹。
(朝海の行動はなんとなくわかってたから、スタートを切って正解だったね☆)
いずみちゃんもわかってたみたいで、ホームへと到着。これでコールドゲームにならずに済んだね……。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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