最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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番外編 二宮瑞希の白糸台生活 夏大会編 1年目 37

試合は7回表。6回の表裏は両チームピンチに陥りながらも、無失点でしょう切り抜ける辛抱強いピッチングを見せてくれました。

 

「武田と園川だけを見るなら、どちらの学校が勝っても可笑しくはない。そうなると総合力の勝負だが……」

 

「客観的に見れば美園学院の方が圧倒的に上……。ですが新越谷高校は時折魅せてくれますからね」

 

「魅せる?」

 

見せるではなく魅せる……。梁幽館との試合でそれが伝わってくる……。実に不思議な力を持ち合わせていますね。

 

 

カンッ!

 

 

先頭の藤原さんがレフト前ヒット。最終回にして三森3姉妹の射程圏から外れた打球を可能としていますね。尤も全員がそうではなさそうですが……。

 

「今のヒットもギリギリ……といったところだろう。あと2メートル程ショート寄りにずれていたら、間違いなくアウトだった」

 

「どんな形であれヒットはヒットです。新越谷は折角出来たチャンスを活かしたい場面ですね」

 

 

コンッ。

 

 

「バント……」

 

『アウト!』

 

「これでワンアウト二塁!」

 

 

カンッ!

 

 

「今度は打ち上げたけど……」

 

『アウト!』

 

「このアウトでタッチアップを成功させてツーアウト三塁!」

 

目まぐるしい展開ですね。打席に入るのは9番の武田さんですが……。

 

「……?武田の雰囲気がこれまでとは少し違うな?」

 

「神童さんも気付きましたか……」

 

「まぁな。それに大豪月と非道も今の武田に何かを見出だしているようにも見える」

 

そういえば静かだと思っていましたが、武田さんから溢れる闘志を感じて魅入っている訳ですね。和奈さんも同様に魅入ってます。

 

「何々……?ヨミがどうしたの?」

 

この場で唯一状況が飲み込めていないのがいずみさん。もしや以前フロイスさんが言っていた逸材止まりとそれ以上の境界線が張られていて、いずみさんは……?

 

「……状況を軽く整理すると、武田さんがこの場面で決めてくると予測しているのですよ」

 

 

カキーン!!

 

 

武田さんが放った一打は低い弾道を描き、失速しつつもギリギリのラインでセンタースタンドへと入っていきました。

 

「こ、これって……」

 

「武田さんがホームランを打った……って事だよね?」

 

「そうですね」

 

優れた投手は打撃方面にも秀でている……というのは間違いないですね。普段の武田さんはやたら空回りしている印象がありましたが、今のホームランでそれを修正するべきでしょう。

 

「い、今のホームランは熱かったねー。アタシ心臓がバクバク言ってるもん」

 

いずみさんにはさぞ劇的な展開に見えていた事でしょう。これもまた魅せる野球です。 

 

「入るか入らないかの瀬戸際……。打力が低い武田さんだからこそ打てたホームランですね」

 

そして武田さんに感化されたのはいずみさんだけではなく……。

 

「ウム、あれも私好みのホームランだな!ピッチングと言い、武田詠深は中々骨のある奴だ!!」

 

「大豪月さん、嬉しそうですね~」

 

「あのホームランを見ていたら練習したくなったぞ。非道!清本!帰って練習だ!!」

 

「了解で~す」

 

「は、はい!」

 

洛山の3人……特に大豪月さんが武田さんの評価を大きく上げたでしょう。

 

「……私達も帰るか」

 

「そうですね。あのホームランが間違いなく決勝点ですし、埼玉県代表は新越谷高校で間違いありませんので」

 

私達も帰って明日の決勝戦に備えましょう。

 

「じゃあアタシも帰って練習しよっと☆」

 

(流石にここから負けるような事はないでしょう。おめでとうございます朱里さん……)

 

もちろんまだ油断出来る状況ではありませんが、確実にアウトを取って行けば負ける事はないでしょう。

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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