この合宿も今日と明日で終わり。なんだか名残惜しいな……。
「諸君、今日この時までご苦労だった!これより地獄の合宿の最終工程……『地獄の封鎖野球』を行う!」
『じ、地獄の封鎖野球!?』
社長から告げられたのは、私も知らない催し……。
「封鎖野球の概要は後に伝えよう。まぁ一風変わった試合だ」
やたらと勿体ぶるから、気になって仕方ないよ……。
両チームのオーダーが出揃った。大きく変わったところはないね……。
「フム……。両チームのオーダーが出揃ったところで、試合開始だ!!」
社長の号令で試合開始。私達は後攻だね。
(じゃあ今回もあの子達の成果を確かめるよ~)
(了解、です……)
ズバンッ!
『ストライク!』
私達のチームの先発は黛さん。ここまで自分を抑えてはいるけど、球は走ってる。
カキーン!!
しかしそれを簡単に打ち砕くのが、相手チームのレベルの高さ。それとこの合宿をここまで乗り越えた成果……。
「長打コース!」
「回れ回れ~!」
打者は一気に三塁へ。い、いきなりピンチだよ……。
(ここは、どうしましょうか……?)
(素直に投げて良いよ~。でも余りわかりやすくなるのはNGね~)
2番打者に対して黛さんは低めにシンカーを投げた。
カンッ!
ま、また簡単に打たれた!?
「先制点GET~♪」
既に三塁ランナーはホームイン。スイングと同時にスタートを切っていたような……。凄い胆力だよ。
「あ、相変わらず日葵ちゃんの走塁はヒヤヒヤするね。もしも陽奈ちゃんの打った打球がノーバンで捕られてたらどうしてたの?」
「え~?陽奈お姉ちゃんはそんな凡ミスしないよ!日葵はお姉ちゃんを信頼してるからね♪」
相手ベンチからはそんな話がされていた。信頼の結果の走塁って事だったんだね。
「ここで試合を一時中断する!」
試合の一時中断。どうしたんだろう……?
「新越谷、白糸台、遠前の連合軍が得点した事により、封鎖野球のルールが発動される」
(社長が封鎖野球の意味がここでわかる……)
「説明しよう。封鎖野球とはその名前の通り、相手チームの選手、そしてポジションを封鎖する。発動条件は先程言った得点時だ。1得点につき失点側の選手を1人選択、そいつには2つで1キロの重りを装着して野球をしてもらうぞ」
つまり点を取られる度に、1キロの重りを腕か足に着けなきゃ駄目って事!?
「そしてこれから貴様達が封鎖し合う箇所は野球選手にとって要の部位となる腕(打撃と投球)と足(走塁と守備)……。この2つを潰し合ってもらう!」
(地獄の封鎖野球……。恐ろしいよ)
(そしてこの封鎖野球で最も恐ろしく、効力が発揮されるのは終盤戦ですね。投手戦ならお互いに被害が少なくて済みますが、もしも乱打戦にもつれ込むと……)
「ただし!投手の腕と足を封鎖するのはなしだ。この封鎖野球唯一の穴であり、それでは興が削がれるからな。そして封鎖の決定権があるのは打点をあげた者だけだ!」
つまり今打った佐倉陽奈さんに封鎖権があるって事だね。
(それにしてももし投手の腕を封鎖されてたら、大変な事になってたよね……?)
そうならないで良かった……って安堵するところなのかな?まだ試合の行方が掴めないよ……。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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