「諸君!此度の試合はご苦労だった……。これにて一部を除いた地獄の合宿全プログラムを終了とする!」
社長の一声で皆が倒れ込むようになっていた。相当しんどいもんね。この合宿……。一部っていうのは、タブー朱里ちゃん達なんだろうね。
(朱里ちゃんといえば……。今日投げた球は凄かったなぁ。まるで地面を滑空している燕みたい)
しかも砂塵に紛れて消える魔球みたいになってるんだもん。朱里ちゃんと対峙した打者は全員困惑してたよね。朱里ちゃんと対戦する時がまたいつか来るだろうし、その時までには何か考えないとね。
「和奈……?どうしたの?」
「……ううん。なんでもないよ」
「そう?なら良いんだけど……」
エルゼちゃんが心配そうに見てる。考え過ぎも良くないね。
「明日で諸君はそれぞれ元の地に帰る訳だ……。よって今宵は宴だ!思う存分騒げ!!」
『わぁーっ!!』
宴という言葉にさっきまで倒れ込んでた皆が急に元気になった。飴と鞭の使い方が上手いなぁ……。流石はこの島の頭領も兼ねてるだけあるよ。
「夜までに時間があるから、それぞれ練習するも良し、休むも良し!それぞれ思い思いに行動せよ!!」
『おおっ!!』
私は……練習にしようかな。なんだか無性に素振りしたい気分だしね。
「……私はとりあえず食事の準備をする。今日はいつもよりも量が多いから、姉さん達も手伝って」
そういえばこの合宿の食事は夜子ちゃんが作ってるんだっけ……。美園学院の合宿では毎回夜子ちゃんが食事担当なのかな?
「もちろんよ!」
「夜子の料理の手伝いが出来るなんて光栄だわ」
「大袈裟……」
なんだかあの光景を見てると、夜子ちゃんが長女なんじゃないかって思う事があるんだよね……。
……で、夕食の時間。
「あ、相変わらず豪勢な食事ね……」
「今回も力作」
夜子ちゃんが作った今日の食事はこの島の魚介類をふんだんに使った海鮮丼、スパイスの効いた麻婆豆腐、濃いけど決してくどくない味わいのビーフシチュー等々……。こんな無人島みたいなところで食べられる料理じゃないのは間違いないね。
「この馳走は合宿に生き残った記念として作られたものだと思い、可能な限り食べるが良い!!」
確かにこのレベルの食事は高級ホテルのレストランと遜色ないよね。だから……。
「あぁ~!相変わらず夜子の作ったご飯は美味しいわ!」
「本当ね。夜子の食事を食べる為だけにこの合宿に参加したと言っても過言じゃないもの」
朝海ちゃんと夕香ちゃんのような反応になっちゃうよね。でも少し2人が羨ましいかも……。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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