1回裏はそのまま猪狩さんが三者凡退に仕留めた。猪狩さんの球中々打てないよね……。
「やっぱ凄いねー。あの猪狩選手の血筋を引いてるだけあるよ。あっさりと三者凡退だなんて……」
いずみちゃんがあの投手を猪狩の血統みたいに言ってるけど、まだ確定じゃないよね……?
「い、いずみちゃん。まだ猪狩選手の親族って決まった訳じゃ……」
「でも流石に確定でしょ?猪狩なんて苗字はそうザラにないし、彼女の実力は確実に全国レベルだし、投げている球種も……」
確かに今日投げてる猪狩さんの球種は何から何まであの猪狩守大投手と一致している。だからといって確定させるのは……。
「瑞希はどう思う?」
「猪狩泊についての情報はほとんどないですね。ただわかるのは……」
やっぱり瑞希ちゃんでもまだ猪狩さんの情報は掴み切れていないんだ……。
「猪狩泊。ベテラン投手猪狩守の姪であり、新越谷高校に入るまではずっと家の庭で壁当てばかりを繰り返していた……。その成果と僅か3ヶ月の練習でここまで成長するのは間違いなく彼女の野球センスがあってこそ……」
「「!?」」
突如、横から声が聞こえた。振り返ってみると……。
「……今日この球場に足を運んだのは猪狩泊さんを観に来たからですか?猪狩守さん」
ま、まさかまさかの猪狩守大投手本人!?す、凄い大物が地方大会に顔を出すなんて……。
「顔を出す云々は私達が言えた事ではありませんが……」
「そこは今どうでも良くない!?」
サラッと瑞希ちゃんに思考が読まれた気がする……。
「まぁ可愛い姪っ子だしね。それに……」
(あの娘の成長具合がこの試合でどこまで見られるのか……というのも興味ある。楽しみだ)
猪狩大投手は新越谷の猪狩さんの成長をこの試合を通して見届けるみたい。
「か、和奈……」
「う、うん……」
多分いずみちゃんと考えてる事は一緒。猪狩大投手の登場で私といずみちゃんは萎縮しっぱなしだよね……。
「……和奈さんも、いずみさんも、色々猪狩選手に要件があるのでしょうが、全ては試合が終わってからにした方が良いですよ」
「そ、そうだね。でも……」
「アタシ達が生まれる前から選手として大活躍してて、今でも最前線で大活躍している超ベテランプロが一緒にいるとか、緊張と興奮が止まらないよ……」
私でも知ってる超有名ベテランプロと隣合わせだから、思わず震え上がっちゃうよ……。
「……そういうものですか?」
瑞希ちゃんは首を傾げながら、私達の言葉に疑問を持ってる。凄い強心臓だよ……。
「こ、こういう時に瑞希ちゃんの物怖じしない性格が羨ましく感じるよ……」
「ど、同感……」
コミュニケーション能力の高いいずみちゃんでもこんなに緊張してるもんね。こんな事は一生に1度あるかないかだよ!?
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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