色々と衝撃のあったあの試合から数日。今日は新越谷の4戦目だね。
「なんか訊いた話だと、新越谷の主将さんと縁があるんだって?」
「正確には主将の岡田さんと藤原さんが、姫宮の金子さんと吉田さんは元々同級生の関係だったそうです」
今日の新越谷の対戦相手……姫宮高校は新越谷と色々縁というか因縁みたいなものがあるみたい。
「つまり金子さんと吉田さんは元新越谷の選手だった……って事だよね?」
「そうなりますね」
電光掲示板には両チームのオーダーがずらりと並ぶ。新越谷の先発は……星歌ちゃんだね。
「おっ?今日は星歌が先発なんだ」
元チームメイトの星歌ちゃんみたいだ。朱里ちゃんや武田さんにも負けてないポテンシャルを秘めてる投手だけど、姫宮相手にどこまで投げられるかな……?
「ローテーション的にそろそろとは思っていたので、然程意外でもないですが……」
(どちらかと言えば、藤原さんが投げるものだと思っていましたが……。藤原さんは抑え投手として起用するつもりでしょうか?)
瑞希ちゃんは星歌ちゃんが投げる事を予想してたみたい。それはまるでローテーションを把握してるかのように……。
「み、瑞希ちゃんはどうして新越谷の投手ローテーションがわかるの?」
「私ならあくまでもそうする……という考えが朱里さんを始めとする新越谷で采配を決める人と一致しているだけに過ぎません」
瑞希ちゃんはそう言ってるけど、本当にそうなのかな?それに瑞希ちゃんと同じ考えを持ってる人っていうのが本当にいるなら、それはそれで怖い話だけど……。
「普通はそれが難しいんだけどね……。少なくともアタシには出来ないよ」
「私も無理……」
「私も捕手かマネージャーでもなければ、そういう風に考える事もなかったでしょう」
捕手じゃない瑞希ちゃんなんて、今じゃ全然想像出来ないけどね。マネージャーはギリギリ想像出来そう……?
カンッ!
話をしてる間に、先頭打者にヒットを打たれた。立ち上がりはあんまり良くないかも……。
「あの1番打者のレベルは高いね~。間違いなく全国区でしょ!」
「そうですね。金子さんは県対抗総力戦のメンバーとして選ばれる可能性があります」
「ショートの守備も上手かった印象があるよね……」
攻守共に優れていて、まるで亮子ちゃんみたい。今の一打だけじゃ、比べるのは難しいけど……。
ズバンッ!
『ストライク!バッターアウト!!』
2番、3番と連続三振。星歌ちゃんの調子が悪い訳じゃなさそうなんだよね。
「あっ、朱里と目が合った。やっほー☆」
そんな中、いずみちゃんが朱里ちゃんに手を振っていた。朱里ちゃんは今日も外野として出場してるよ。
「前の試合では猪狩選手に対して萎縮し過ぎていたいずみさんですが、朱里さんだとああしてはしゃげるんですね」
瑞希ちゃんの歯に衣着せぬ物言いが怖いよ……。
「い、言い方……。でも朱里ちゃんだったら気心も知れてるし、緊張もしないよね。朱里ちゃんも軽く手を振り返しているみたいだし」
「いずみさんのノリに乗ってあげるだけ朱里さんもお人好しですね。ああいう人間が将来人の上に立つのでしょう」
「朱里ちゃんは川越リトルシニアでも、今の新越谷でも大人気だもんね」
はづきちゃんみたいな過激派が出て来ちゃうのが、問題ではあるんだけど……。
バシッ!
「「……えっ?」」
い、今何が起きたの……?瑞希ちゃんがボールを捕った……?
「星歌さんがホームランを打たれましたね。姫宮の4番打者はこれまでの試合では出場していなかったですし、新越谷側としても意表を突かれてしまった事でしょう」
状況的に星歌ちゃんがホームランを打たれたのはわかる。わかるけど……。
「い、いや、確かにその4番打者が星歌からホームランを打った事にも驚いてはいるんだけど……」
「そ、それよりもそのホームランボールを素手で捕っている瑞希ちゃんの印象が強過ぎて他の出来事が霞んじゃったよ……」
星歌ちゃんには申し訳ないけど、星歌ちゃんが打たれた事よりも、瑞希ちゃんの方がインパクト強過ぎるよ!
「ボールを捕らなければ、私の顔面に直撃するところでした。流石に顔面にボールが当たるのは御免ですので……」
そうだけど、そうじゃないんだよね……。
「そ、それはそうなんだけど……。あれー?平然と素手で打球を捕ってる瑞希が異常だと思うのはアタシだけなの?」
「わ、私も驚いちゃった……」
瑞希ちゃんとの付き合いはかなり長いけど、未だにわからない部分も多いんだよね……。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
-
見たい
-
見たくない