京都選抜の中でも絶対的エースの黛さん……。その黛さんはまだ打者1巡分しか投げてないのに、降板宣言を非道さんはしたんだ。これにはどういう思惑があるんだろう?
「とりあえず残りの6イニングは他の投手に頑張ってもらうからね~」
この県対抗総力戦はコールドゲームを除けば、9イニング制になってるんだよね。私達女子野球は7イニングしかないから、その辺り新鮮かも……じゃなくて!?
「良いんですか非道さん?黛さんじゃなかったら、その……」
エルゼちゃんが言葉を紡ごうにも、言い淀んでしまう。多分黛さん以外の投手だと、神奈川選抜には通用しないんじゃないかって……。そんな懸念点があるから、エルゼちゃんは不安になってるんだと思う。
「神奈川選抜相手には通用しないって~?」
「そ、そういう訳じゃ……」
「良いの良いの~。実際エルゼちゃんの言う通りだからね~。黛ちゃんじゃなかったら、神奈川選抜にはつるべ打ちにあっちゃうよ~」
「えっ?ええ……?」
エルゼちゃんが言い淀んだ言葉を非道さんはまさかの肯定。なのになんであっけらかんと言うんだろ……?
「だからここから始まるのは投手戦じゃなくて、激しい打撃戦になるよ~。だから皆もそのつもりでね~」
一見試合を投げたような非道さんの発言……。しかしその発言の裏には、あるメッセージが隠されてるんじゃないかと、そう思ってしまう……。
(もしかして非道さんは、私達京都選抜が星さんの球を打てるって……大量に点を取られたとしても、更に点を取り返すって信じてるのかな……?)
そう考えると、非道さんの発言にも合点がいく……。ここからは打って打たれての展開が続くって事だよね?
「……そう言われると、神奈川選抜に打ち勝つしかないわね。リンゼ、気合い入れていくわよ!」
「お姉ちゃん……。うん。打ち合いに着いて行けるか不安だけど、非道さんの思惑に乗ろう!」
エルゼちゃんもリンゼちゃんもやる気を出してる……。他のチームメイトも同じようにやる気を出してるよ。これは私も負けられないね!
(まぁ本当のところは、『上』が激しい打撃戦を所望してるからなんだけどね~。埼玉選抜か群馬選抜と当たる時以外は、このような打ち合いをする事……というのが、『上』からのお達し、そして京都選抜のやるべき事なんだよね~。そうなると、黛ちゃんが投げる時は、セーフティリードを取ったと確信した時で良さそうだよ~)
非道さんが何やら考えてる様子だったけど、私達に出来るのは、非道さんの言う神奈川選抜との打ち合いにもつれ込ませるだけだよね!
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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