最強のスラッガーを目指して!【本編完結】   作:銅英雄

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朱里「時系列が少しだけ飛びます」

遥「どのくらい飛ぶの?」

朱里「……私と雷轟が出会った直後くらいかな」

遥「えっ!?私の出番カット!?酷い!」

朱里「一応これ川越シニアの話だからね……」


新監督就任

シニア入団から約1ヶ月が経った。

 

入る前は怪我している足手まといな私を受け入れてくれるのか……という不安もあったけど、リトル時代の監督がシニアの監督に話を通してくれたらしく、チームメイトの皆もこんな私を受け入れてくれた。本当にありがたい……。

 

そしてこの1ヶ月は結構色々な事があった。

 

「昨日来てた子、ウチに入団希望だったんでしょ?監督が落としたみたいだけど、大丈夫なのかな?」

 

今私と一緒に柔軟運動をしている金原が昨日の出来事を心配している。ボロボロ過ぎる守備を見て、打撃テストをする前に監督が落としてしまった事を私はもったいないと思っている。

 

「あの子かなり鍛えてそうだったし、打撃次第じゃ即戦力なのにね~」

 

どうやら金原も私と同じ事を思っていたらしく、彼女の打撃テストを見る前に不合格にしていた事をとてももったいなく思っているようだ。

 

「まぁアフターケアはしておいたから、そこまでへこんでないと思うけどね……」

 

「朱里って優しいよね~。見ず知らずの子にあそこまで入れ込むなんて☆」

 

「……別にそんなんじゃないよ」

 

本当にそんなのじゃない。でもあの子……雷轟遥には大きな可能性を感じたんだ。

 

(それはバッセンで見たあの豪快な打撃だけじゃなくて、『あの人』にどこか似ていたから……)

 

だから放っておけなかったんだと思う。『あの人』にそっくりな彼女が困っているのは私が許せなかったから……。

 

「皆さん集合してください!」

 

柔軟しながら雷轟の今後を考えていると、集合の声が掛かる。しかし……。

 

「今のって友理さんの声……?監督はどうしたんだろ?」

 

私達に集合の声を掛けたのは、1つ上の高橋友理さん。この川越シニアの支柱的存在の頼れる先輩で、シニアの4番打者を務めていて、清本も尊敬している。このシニアでは3年生に代わってシニアの皆(主に女子)のまとめ役でもある。

 

「さぁ……?とりあえず集合しようよ」

 

「だね☆」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっと……。監督についてですが、諸事情によってこの川越シニアを辞める事となりました」

 

 

ザワザワ……!

 

 

高橋さんの言葉に辺りが騒然としている。というか急過ぎない?諸事情って何?

 

「そして川越シニアの新しい監督を紹介します」

 

前監督の代わりに入ったのが……。

 

「六道響です!川越リトルの監督をしていたけど、友理ちゃんの言うように諸事情でこの川越シニアの監督を勤める事になりました!これからよろしくね!」

 

私、二宮、清本がリトル時代にお世話になった六道監督だ。昔母さんとバッテリーを組んだって言ってたっけ……。

 

「ろ、六道監督なら安心かも……」

 

「面識がありますからね」

 

清本は六道監督に大きな信頼を寄せているから、昨日まで不安そうな表情をしていたのが、安堵したかのような表情に変わっていた。良かったね。二宮も六道監督とは意気投合していたし、前監督よりかは活動しやすいだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『お疲れ様でした!!』

 

監督が代わってから初めての全体練習が終わり、チームメイトが次々と片付けを終えて帰っていく。私もそろそろ帰るかな……。

 

「あっ、朱里ちゃん!ちょっと良いかな?」

 

「は、はい。大丈夫ですよ……」

 

帰ろうとしたら六道さんに呼び止められました。何か用があるのかな?

 

「朱里ちゃんって今左投げの練習をしてるんだよね?」

 

「そうですね……」

 

二宮から聞いたのかな?まだまだ実戦では使い物にならないから、心にしまっておいたのに……。

 

「これから朱里ちゃんの左投げ実戦で通用するように、瑞希ちゃんとバッテリー練習する時間を儲けようと思うんだけど、朱里ちゃんはそれで良い?瑞希ちゃんにはもう了承をもらってるんだけど……」

 

「二宮とバッテリー練ですか……?」

 

「どうかな……?」

 

不安そうに私を見つめる六道さんを見て、私は少し考える。

 

(二宮は捕球技術と投手能力の引き出しに長けている……。リトル時代も二宮にはお世話になったし、そんな二宮と練習をする事によって新たな可能性を見出だせるかも知れない……。まぁ六道さんもそれがわかっているからこその提案なんだろうけど)

 

頭の中を少し整理し、私は六道さんに答えを出す。

 

「……わかりました」

 

「本当に!?」

 

「私も二宮とバッテリー練をしたいと思っていましたから」

 

これは紛れもない事実だ。リトル時代に投げた球のキレは二宮のお陰で大きく上昇したし、私がシニアで更なる成長を遂げようとするには二宮の存在が不可欠だろうからね。

 

「じゃあ瑞希ちゃんには私から伝えておくね!」

 

そう言って六道さんは走って行った。元気だなぁ……。

 

(もう二宮達には迷惑を掛けられないし、頑張らなきゃ……!)

 

サウスポーで頑張る事を決意し、私はランニングして帰る事にした。

金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?

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