7月末日。今日はリトルリーグの世界大会が行われるアメリカに旅立つ日だ。
(出掛ける準備は終わらせて、念入りに何度も確認作業を行った。あとは向こうで結果を残すだけ……!)
「……行ってきます」
両親とは現在冷戦状態なので、小声で挨拶をする。一応六道監督が母さんと昔馴染みみたいだし、多分私が数日間アメリカに行く事は伝わっているだろう。特に何も言ってこないし、何も問題ないよね……?
「あっ、朱里ちゃん来たよ!」
「ごめん。待たせちゃったかな?」
「集合時間の5分前ですので、特に問題はありません」
二宮と清本と一緒に行く事になっており、空港に集合。どうやら私が最後みたいだ。私自身時間にルーズな訳じゃないけど、二宮は時間に煩いからね。万が一遅れるような事があったら何を言われるか……。
「では行きましょうか」
「そうだね」
「うん……」
アメリカ行きの飛行機に乗って、いざアメリカへ……!
「そ、それにしても国外に行くのは初めてで緊張しちゃうな……」
「私もだよ……」
野球をしに行くとはいえ、中学生の内に海外に行くなんて……。私達結構贅沢な思いをしてるよね。
「一応リトルリーグの世界大会は小学5年生から出場権がありますが、私達は3人共今年が初出場になりますね」
リトルリーグの世界大会への出場権利は小学5年生~中学1年生の3学年。中1の私達は最初で最後の出場となる訳だ。
「私達がアメリカで試合をする間、日本ではシニアの全国大会があるんだよね……」
「同時進行は特に珍しくありません。金原さんや友沢さんのようにシニアリーグの方に重きを置いている人もいますしね」
「その金原と友沢は去年、一昨年とリトルリーグの世界大会に出場してるけどね」
あの2人にアメリカでプレーした感想を聞いたので、それを参考にしつつ、向こうで得られるものを得て日本に帰りたいところだ。
「それにあの2人は来年からシニアリーグの世界大会に出るつもりだしね」
「あの2人は大会参加の仕方を熟知していそう……」
「金原さんも、友沢さんも、女子選手の中でも全国トップクラスですからね」
ちなみにシニアリーグの世界大会の開催は3月で、出場権利があるのは中学2年生~高校1年生までとなっている。リトルリーグもそうだけど、最初の1年はしっかりと日本でプレーしろって意志を強く感じるよ……。
「そういえば瑞希ちゃんは世界大会の有力選手については何か調べているの?」
「もちろんです」
もちろんなんだ……。
「やはり本命はアメリカ代表でしょうか。あそこはアメリカへ留学している日本人選手も大きな結果を残していますし、かなり手強いでしょう」
アメリカに留学している日本人選手かぁ……。アメリカ人は体が大きい選手が大きいし、その中で結果を残せるなんて、きっと凄い大物なんだろうね……。
(風薙さんとフロイスさんは何か知ってるんだろうか……?)
……って、一応敵同士な訳だし、教えてくれる訳がないか。向こうに着いたら二宮に聞こう。
(今は身体を休めて体力回復に努めておこう。夏は暑いから、体力が持っていかれやすいんだよね……)
私はアメリカに着くまでの間、睡眠を取る事で、身体をゆっくりと休めた……。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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