『日本代表世界一!』
脳裏にはこの言葉がずっと浮かんでくる。勝った実感が湧かない私だけど、電光掲示板のスコアと、脳裏に浮かぶこの言葉で私は色々な感情が込み上げてきた。しかも……。
「早川さん」
「う、上杉さん……?」
「ナイスピッチ。次に試合をする時は負けないわ」
「……私も、今以上に力を付けるつもりだよ」
アメリカ代表の4番打者……上杉真深さんと握手も交わした。そして短い会話からまた別の感情が湧いてきた。
「ほ、本当に私達が勝ったんだね……」
「そうですね。今年のリトルリーグは日本代表が世界一を獲得しました。長年アメリカ代表に世界一の座を取られていましたが、数年ぶりに他国……それも私達日本代表が連覇を阻止しました」
(六道監督曰く、この世界大会は朱里さんの試運転が目的でしたが……)
「でも朱里ちゃん凄いよ!決勝戦でノーノーだよ!!」
「まぁ二宮のリードのお陰だと思うけど、それでもこんな大舞台でノーノーを成し遂げたのは嬉しい事だね」
(……想定以上の結果でした。これは良い報告が出来そうです)
リトルリーグの世界大会はこれにて閉幕……。私達日本代表はなんと世界一になりました!
「結局試合は朱里ちゃんがノーノーを決めたね。これもリリの予想通りなの?」
「まぁ2回に真深ちゃんを抑えたあのピッチングで全部わかってたかな。朱里ちゃんがもうちょい体力があったら完全試合を狙えるくらいには……。現に7回のツーアウトまではパーフェクトだったし、そこで詰め切れないのは朱里ちゃんが甘い証拠だよ。あそこまで来たら完全試合を狙わなきゃ駄目だね」
「……リリって結構シビアな判断するよね」
「私は私の思った事を言ってるだけに過ぎない。でもまぁアメリカ代表にノーノーは大金星だと思うよ。朱里ちゃんに『あれ』を教えた彼方としても鼻が高いんじゃない?」
「私はちょっと切欠を与えただけで、あそこまで成長したのは紛れもない朱里ちゃんの実力だよ!」
「まぁそれについては特に否定はしないけど……って、なんか真深ちゃんがこっちに来るよ?」
「本当だ……。どうしたのかな?」
「彼方先輩、リリ先輩。私……もっともっと強くなりたいです」
「真深ちゃん……?」
「私は今日の試合で早川さんを相手に3つも三振してしまって……野球人生史上初めて悔しいと思えました」
「そっか……。じゃあまずは打倒朱里ちゃんだね!私達も協力するよ!」
「……うん?私も参加するの?」
「もちろんだよっ!!」
「リリ先輩の力も貸してくださると嬉しいのですが……」
「う~ん……。まぁ良いよ。私が役に立つなら、出来る限りの力を貸そう」
(まぁ色々と面白そうな事が起きそうだしね……)
「……!?」
「朱里ちゃん……?」
「どうかしましたか?」
「……いや、なんでもないよ」
な、なんか寒気がしたんだけど……。き、気のせいだよね?
(……ともかく日本に帰国したら、すぐに秋大会に向けて練習だね。今日の結果に満足してはいけない)
リトル時代にコテンパンにされた宮永さんとも相見える可能性もあるし、まだ見ぬライバルもいるだろうし、私自身ももっともっと成長する筈……!もっと頑張ろう!
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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