決勝戦まで順調に勝ち進んできた私達川越シニア。決勝戦の相手は……。
「決勝戦の相手は渋谷シニアだよ!」
「渋谷シニア……!」
「私達にとっては西武シニア以上の因縁がある相手ですね」
高橋さんの話によると、今年の夏と去年の夏で全国大会の決勝戦で当たり、両方共負けている因縁の相手だそうだ。
(3度目の正直として、絶対に勝ちたい相手……という事か)
渋谷シニアといえば、以前フロイスさんが言ってた警戒対象の1人……十文字さんがいるチームだったっけ?
……という事で、私と二宮は最早恒例と言っても良いくらいに喫茶店にて、フロイスさんとミーティングのようなものをしている。
「川越と渋谷の両チームは夏の風物詩と言っても良いレベルで縁があるよねー」
「それで私達が聞きたいのは渋谷シニアにいる十文字さんの事についてなんですが……」
まぁ二宮なら十文字さんの事を知ってはいるだろうけど、フロイスさんの視点からの情報を知りたい。
「十文字園香は自身が凄腕の捕手であると同時に渋谷シニアのエース投手でもあるという生粋の二刀流選手だよ」
に、二刀流!?しかも投手と捕手を同時にこなすなんて……。一体どんな練習をしたら、中学生時点で……それも女子選手がメイン捕手兼エース投手に登り詰めるのさ!?
「しかし十文字さんが本当に凄いのは、彼女のコーチング能力さ」
「コ、コーチング……?」
投手と捕手を同時に務めているだけでも凄いのに、コーチングも出来るの!?
「彼女が入団してきた去年から渋谷シニアの選手能力……特に投手陣は彼女のコーチングのお陰で大きな伸びを見せ、4、5番手の投手でも全国区のエースクラスの実力を得たんだ。まぁ最低でも橘ちゃんくらいだと思っても良いよ」
橘は尾張シニアを相手に僅か1失点に抑えられるレベルの投手……。そんな次元の投手が最低でも4、5人はいるって事だよね?これは打撃で勝つのは無理かも知れないな……。
(まぁ橘ちゃん並の実力があるとは言ったものの、橘ちゃん特有のとんでもなく早い成長速度は持ち合わせてないけど……)
「…………」
(……まぁ余計な事は言わなくても良いかな?その方が色々と面白いしね♪)
十文字園香さん……か。二宮と六道監督からは理想的な捕手とまで言ってたから興味があってフロイスさんに聞いてみたけど、蓋を開けてみればとんでも選手だったね……。
「捕手としてのリード技術が高いのはもちろんの事、味方投手を乗せる事、試合の流れを変える事、打者としても4番を打てるレベルの選手である事、それに加えて渋谷シニアではエース投手である事……。この時点でも充分にプロとしても通用する実力者だね」
(前に朱里ちゃんと瑞希ちゃんに言った選ばれし数字の選手達(ナンバーズ)の中でも十文字さんは飛び抜けてるんだよなぁ……。私も彼女みたいな捕手になってみたいところではあるけど、あんな風に真摯に選手達に向き合えるのは、彼女の人徳があってこそだよねー……)
フロイスさんの一言に私は絶句し、二宮は興味深そうに聞いていた。やっぱり二宮から見ても、十文字さんは理想的な捕手なのかな……?
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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