『アウト!チェンジ!!』
金原が三振になったあと、2番がセンターフライ、3番がファーストゴロに抑えられた。1~3番の並びは夏と同じらしかったし、その分対策もしやすかったのかもね。
「初回に三者凡退とか久し振りだよー……」
「それだけ渋谷シニアが強力な相手……という事だ。こっちも3人で抑えれば良い」
「……亮子さんの言う通りですね。渋谷シニアに出来て、私達に出来ない道理はありません」
友沢と二宮のこの発言はとても頼もしい。この決勝戦は横浜シニアとの試合以来の1点がものを言う勝負……。出来るだけ被安打も少なくしていきたいよね。
「はぁ……。なんでこんな大舞台で私が先発なんだよぉ……。早川とか、橘とかで良いじゃんかよぉ……。他にも男子選手とかもいるじゃんかよぉ……」
対してこの試合の先発投手である一ノ瀬さんは何やらぶうぶうと文句を垂れていた。卑屈なのも考えものだね……。
「そろそろ行きますよ。余計な事は考えないでください」
「はぁ……」
そんな一ノ瀬さんを引っ張る二宮。一ノ瀬さんとウマの合う捕手はいないと言っても過言じゃないけど、そんな中で二宮は上手く一ノ瀬さんの手綱を握っていると思う。
「よーし!じゃあ締まって行こーっ!」
『おおーっ!!』
……って思わず乗っちゃったけど、こういうのって捕手の二宮の役目なんじゃないの?金原が言っちゃったよ?
「私ではあんな声出しは出来ませんので、いずみさんには助かっています」
まぁ私も二宮がああいう風に声出ししているところは想像が出来ないけどさぁ……。
(とにかく私もしっかりと守っていこう。打球が飛んで来るかはわからないけど、一切の油断なしでいこう……!)
負けないぞ。渋谷シニア……!
「あの川越シニアを相手に三者凡退……。流石十文字さんです!」
「いやいや、私は指示を示しただけ。それに応えられた皆の実力だよ」
(しかし川越シニアを相手に三者凡退で終わらせられたのは幸先が良い。夏では金原か友沢に安打を打たれていた事も考えると、このチームの成長も目覚ましい……という事かな)
「さ、1回裏だ。まずは出塁を目指して対応していこう」
『はいっ!!』
(まぁそれもこれもこのチームが私に着いて来てくれている素直な子達ばかりだから、私の理想とする良いチームが出来上がっているのかも知れないな。張り合いはないけど、育成のし甲斐はある。さて、この試合ではどういう成長を見せてくれるかな……)
「1回表は川越シニアの三者凡退かぁ……」
「川越目線では決して打てない投手ではないと思うが……?」
「それを上手くコントロールするのが十文字園香という捕手なんですよねー。あれ程ゲームメイクが上手い選手を私は知りませんよ」
(それが出来たとしても瑞希ちゃんくらいなんだろうね……。この試合の行方は瑞希ちゃんと十文字さんに握られている気もするよ)
「川越シニアは果たして十文字園香という大きな壁を越えられるかな……?」
ズバンッ!
『ストライク!バッターアウト!!』
1回裏。一ノ瀬さんは負けじと三者凡退で抑える。この試合は横浜シニアとの試合よりも厳しい投手戦になりそうだね……。
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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