志乃ちゃんと恭子ちゃんが入部してから1ヶ月以上……。毎週末に私達遠前高校は未経験者に経験を積ませる為と、志乃ちゃんと恭子ちゃんのブランクを取り戻す為に練習試合を行ってる訳だけど……。
『ゲームセット!!』
この試合は6対2で私達の勝ち。
「よしよし、予定以上の出来で嬉しいね!」
「由紀ちゃんのピッチングも良い感じだしね」
「これまでの戦績が9勝1敗……。このチームが本当に初心者の集まりなのか疑いたくなる……」
志乃ちゃんの言うように、この中の半分以上が初心者かわからなくなるよ……。
(そういえば静華ちゃんが言ってたっけ?天王寺さんは他人の野球センスを見抜き、その人に合った練習をさせているって……)
それが今のあの子達なんだよね。凄いよね。でも……!
「私もいい加減投げたいよ~!」
「わっ!彼方ちゃんが駄々をコネ始めた!!」
「彼方先輩……。天王寺先輩、なんとかなりませんか?」
真深ちゃんが天王寺さんに交渉してくれている……。そうそう!その調子だよ!
「……まぁそろそろ彼方がわがまま言う頃だと思ってたから、次の相手は全国トップクラスの相手と練習試合を組んできたよ」
『全国トップクラス!?』
「この野球部も大きくなったもんやなぁ……」
「その試合ではユイを先発に、彼方をリリーフに回すから、頭に入れておいてね」
よーし!リリーフとは言え、やっと投げられる……。頑張るぞ~!
「ユイ、次の試合は先発みたいね」
「ええ……。私も投げるのはかなり久し振りだから、緊張してきたわ。それ以上に楽しみだけどね」
「……そういえばユイちゃんも投げるのは久し振りなんだね?」
「今までの10試合はほとんどが由紀ちゃんが投げていましたから……」
これまでの練習試合で由紀ちゃんが投げたのは68イニングと3分の1……。ハッキリ言って由紀ちゃんのスタミナは化物だ!
「次の試合では由紀を完全休養させるけど、良いかな?」
「……私は全然余裕ですが、天王寺先輩がそう言うなら、それに従います」
この会話……。無尽蔵のスタミナの持ち主って本当にいるんだね。
「それで?次の練習試合の相手はどこ……?」
「次の相手は……超打撃チームである、洛山高校だ!!」
洛山高校……。確かホームランの数とエラーの数が全国一の極端なチームだよね。そんな洛山を相手にユイちゃんが、私がどこまで通用するか楽しみだね!
「オーダーの発表は……当日まで待ってくれぃ!」
「なんや、随分焦らすなぁ……」
「次の試合は真深も頭から出場させる予定だから、色々悩むのさ。試合展開は打ち合いが予想されるから、こっちも最大火力を向こうにぶつけたくてね。だからどんな打順にするか、守備方面はどうするかを考える時間がほしい」
打ち合いかぁ……。ユイちゃんの球ならそんな簡単には打たれないと思うけど、洛山が相手だとどうなるかわからないね。
『……という訳で、当日はその手筈でお願いね』
「りょうか~い。私達がそっちに向かえば良いんだね~?」
『そそ。詳しい事は当日にまた言うから!』
「OK~」
ブツッ……!
「……そんな訳で、当日は頼むよ2人共~」
「任せてください!」
「せ、精一杯頑張ります!」
「エルゼちゃん、リンゼちゃん、頑張ろうね!」
「もちろんよ和奈。私達もようやくこの洛山高校野球部にも慣れたところだもの」
「最初は押し潰されると思いました……」
「エルゼちゃんも、リンゼちゃんも洛山にはいなかったタイプだからね~。2人が新しい洛山の道を切り開いていくのだよ~」
「「はいっ!」」
(私も2人に負けてられないなぁ……。瑞希ちゃんの話だと上杉さんやウィラードさん、そして朱里ちゃんの師匠さんがいるんだよね)
「あの上杉さんとの打ち合いがシニアリーグの世界大会の前に出来るなんて……!当日が楽しみ♪」
(清本ちゃんもやる気に満ち溢れているね~。良い事だ~)
彼方「洛山高校に留学生が2人も来たよ!」
真深「うちも私達3人が留学生扱いなのでは……?」
ユイ「『異世界はスマートフォンとともに。』からエルゼ・シルエスカさんと、リンゼ・シルエスカさん。双子の姉妹ね」
彼方「ちなみに他にも他作品のキャラが既に出演しているから、探してみてね!」
ユイ「この小説でシルエスカ姉妹は私と真深の同級生、彼方先輩の後輩として出ているわ」
彼方「2人を獲得した洛山高校には何か理由があるのかな?」
非道「巷(この小説)では双子や三つ子が流行っているから、私達もそれに便乗したんだよ~」
彼方「ええっ?そんな理由で!?」
非道「3割冗談だよ~」
真深(は、半分以上本気なのね……)
非道「という訳で、シルエスカ姉妹の活躍は遠前高校と洛山高校の試合をお楽しみに~」
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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