ノーアウト満塁のチャンス。次は私の打席なんだけど……。
「藍が交代されたね?」
「でもセカンドに入ってたし、野手として起用するのかも……」
金原と橘の言うように、木虎さんの守備位置はは捕手から二塁手へ。そして木虎さんと交代でマスクを被ったのは……。
「あれってリリ・フロイスさんだよね!?」
「嘘でしょ……。アメリカのシニアにいる選手がなんでここに……!?」
フロイスさんの投入に反応したのは金原と雪村さん。あの人有名人みたいだね。
「あれ?いずみちゃんと紅葉ちゃんはあの人を知ってるの?」
フロイスさんを知らない橘が反応した金原と雪村さんに尋ねてきた。
「アタシはリトルリーグの世界大会で1度顔合わせした事があるだけなんだけど、なんか底が知れないって感じがしたんだよね……」
「あ、あたしも同じです。リトルリーグやシニアリーグの世界大会でアメリカが優勝したのはリリ・フロイスの尽力外野大きかったって、月も言ってました……」
以前フロイスさんは自分の事を風薙さんの球を捕れるだけって言ってたけど、それは雪村さんの言うように嘘……というか過小評価している。
「フロイスさんは捕手として必要な能力を全て兼ね備えています。リード力と肩の強さはもちろん、今の藍さんに足りていないキャッチング、味方投手の力を引き出す技術、相手打者の力を封殺する技術、そしてチームの流れを変える力……。監督陣は口を揃えてこう言います。『リリ・フロイスは捕手としての理想を理想以上に詰め込まれた最高以上の捕手』……と」
二宮もフロイスさんに学びたい事が沢山あるって言ってたし、マジの強敵だよね。
(そんなフロイスさん監修で投げる投手を打てるのは純粋な力の差が大きい打者だけ……。この場では多分清本だけだろうね)
というか今から私の打席なんだけど?せめて私の打席が終わってからにしてほしかったよ……。
「はーい。木虎ちゃんはお疲れ様。なんで打たれたかわかってる?」
「っ!それは私のリードが……」
「あー、違う違う。リードも多少はあるかも知れないけど、大元の原因はキャッチングだね」
「キャッチング……?」
「まぁ続きは私を見て学んでよ。一色さんだっけ?私と配球の確認をしようか」
「りょ、了解です!」
向こうのタイムが終わって、私は打席へ……。
「久し振りだねー。朱里ちゃんと会うのは3月以来?」
「そうですね。1ヶ月と少し振りかと……。それでフロイスさんは何故沖縄に?」
「私は田中さんに呼ばれてね。あの人とは割と古い仲なんだよ。自由気ままに生きてる私に今回のお誘いが来たんだけど、私としても朱里ちゃん達がいるのは予想外だったかな」
それはお互い様です。30人の人混みに隠れて、フロイスさんが見えなかったんだけど……。もしかして気配消してました?
「こうして会えたのも何かの縁だし、あとで話そうよ。まぁその前にこの試合をさっさと終わらせる必要があるけどね……」
そしてすっと圧を強めるフロイスさん。私は今からこの人と対戦するのか……!
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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