二宮が天王寺さん達との紅白戦で、先発投手は私だと言った……。
「えっ?私が先発なの!?」
「そうですね。朱里さん以外はありえない……と言っても過言ではありません」
過言だよ?
「確かに朱里せんぱいならあの軍団も軽く捻るだろうけど、これは……」
「私が原因で始まった事だから……等と思わないでください。はづきさん、これは天王寺さん達に付いていない私達全員の問題でもあるんです。事の発端がはづきさんによる口喧嘩でも、試合をするとなれば連帯責任なんです。それを頭に入れておいてください」
「うっ……!わ、わかったよ!」
二宮に指摘されて、橘が押し黙る。橘が私なら軽く捻るみたいに言ってたけど、世の中そんな甘くないと思うんだけどなぁ……。
「先発は朱里さん、朱里さんの球は私が捕ります。それ以外のポジションは当日発表にしますので、そのつもりでいてください」
「み、瑞希ちゃんが自分から進んで名乗り出るなんて珍しいね……」
「確かに……。リトル時代でも瑞希先輩は常に1歩引いた存在だったのに、どうしちゃったんですか?」
「……私にも色々とあるんですよ」
なんか二宮が哀愁を漂わせている……。
「今日のところは解散しましょう。1週間後の紅白戦に備えて、各々で練習してください」
「は、はいっ!」
1週間には天王寺さん達との試合か……。私が先発で不安だけど、出来る事をやるしかないよね。
「それで?実際のところ勝算はどうなの?」
皆と別れた後、私は二宮と清本と一緒に帰っている。
あの場で言っていた二宮の発言が全部嘘だとは思わないけど、発破掛けて後輩達や橘に自信を持たせる為にした発言の可能性だってあるから、気になっているんだよね……。
「あの場で言った通りです。1点を取る事が出来れば、私達が負ける事はありません」
(本気で言っている……か)
まぁ二宮が嘘を吐くとは思えないし、ふざけるような人間でもないから、それは事実なんだろう。でも不安な事は不安なんだよ?
「課題としては1点を如何にして捕るか……ですね。頼りになるのは和奈さんと、味方に付ける事が出来れば友理さんになりますね。次点で亮子さんでしょうか……」
「わ、私……。1年生達はどうなのかな?」
「ポテンシャルはありますが、上級生の球を打てるかはまた別の話になってくるでしょう。面倒だからだと言って天王寺さん達に付いた一ノ瀬さんが先発に回る可能性もある訳ですし、そうなってくると1年生達が打つのは難しい話になってきます」
そういえば一ノ瀬さんは私達のところにいなかったね。なんだろう?あの人結構ものぐさなイメージがあるんだけど……。
「あれあれ?そこにいるのは朱里と瑞希と和奈じゃーん!」
「天王寺さん……?」
私達に声を掛けてきたのは、ある意味事の発端である天王寺さんだった。もしかして私達に良からぬ事をしようとしてるんじゃ……?
金原いずみの藤和生活……(藤和高校野球部の登場人物は全てオリキャラ及び他作品キャラになります)見たい?
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