楽しい?バトスピ珍戦記   作:能上ミズキ

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はい、どうも。自己顕示s…
天の声というかナレーターの能上ミズキです。

1話からニッチなもの扱い過ぎてるかな?って自覚はあります。まぁ大した文字数にならないように色々省いちゃってるんで感覚的に読んでくだされば嬉しいですね。

では、どうぞ〜


第1話【激戦!レオVSコロコーン 獅子の首を狩る狐!?】

ここはなにやら薄暗い空間。視界の中央にぼんやりと灯りが見える以外は真っ暗で見通せない闇が広がっている。周りを見渡し、すぐに視線を灯りの方へ戻したその時、先程はなかった影が1つ。どうやら…人、らしい。

 

薄暗い中でも映える紅々とした綺麗な長髪やスラリとした高い背、射抜くような鋭い金色の眼光から何故か目が離せない。

人影はゆっくりとこちらへ歩いて近づいてきているようだ。その抜群プロポーションや流麗な振る舞いから美人な女性だということを強調されたように感じてしまう。

 

???

「あら、そんな手前に突っ立っていたのね?気づかなかったから迎えに来たわ。…なにって顔と言うよりはじーっと文字を読んでる顔ね。そう、あなたよ。スマホだかPCだかわかんないけどこのサイトでこのお話を読んでるそこのア、ナ、タ。私はギルティア。このお話をあなた達に伝えるテラーのようなものだから、そんな感じで適当に覚えてちょうだい。」

 

ギルティアと名乗る女はあっけらかんとオーバーな身振りをしてニヤニヤと笑う

 

ギルティア

「えーっと、アナタとは自己紹介のお話で話したっけ?ちょっと覚えてないけど、また会ったわね、と結んでおくわ。登場キャラの紹介とか読んでないとイメージできない!でもまだ読めてない…っておバカさんはさっさと読んできなさい。お姉さん怒らないから。…バトルしか興味無いよ〜ってアナタは適当に読み飛ばしちゃって。私達の日常なんか興味無いんでしょ???」

 

ギルティアはおどけた顔をしt…

 

ギルティア

「はいはい、その長ったらしいナレーションもナシナシ!さっさと行くよー」

 

そ、それでは皆様お楽しみくださいませ…

 

ーーーー

 

ギルティア

「さぁって!今日の対局は誰と誰か、し、ら、っと。」

クルミ

「はいはいはーい!母様、私だよぉ。」

シオリ

「クルミ姉の相手は私。…にしし、今日こそ勝ちもらうよ?」

2人は各々特徴的な笑みを浮かべながら対戦用テーブルについてバトルの支度を始める。

ギルティア

「やけに意気揚々だけど、あなた達なにか賭けでもしてるの?」

2人

「このあとのおやつのプリン!!」

息のあった元気な声にちょっとたじろぎながらギルティアもやれやれ、とテーブルを作動させた。

テーブルは音を立てて、その何も無かった黒い無地の天板へバトスピのフィールドを描いていく。その線は様々な色へ変化しながら煌めいていた。

ギルティア

「所謂、ゲーミング〇〇的なアレよ。」

シオリ

「ママ、どこ見て喋ってんの?」

ギルティア

「んー、虚空?…そんなことはいいから、準備できた?」

2人

「OK!」

ギルティア

「それじゃ、始めましょうか。今宵の舞台もお互いしっかりとやりきりなさい。…ゲートオープンっ」

2人

「界放っ!!」

 

クルミ

「前は譲ったから私が先攻もらうよっ、私のターン、ドロー!手札からダンデラビットをLv1で召喚して、コアブーストだよ。更にバーストをセットして、このままターンエンド!はい、シオリちゃんの番〜」

シオリ

「んふっ、後攻有利手札かも?今日は私が勝ちもらっちゃうからね!私のターン、ドロー。手札からワイバーンベラをLv1で召喚。効果で手札の天星十二宮水星機アクエリーズナーと天星十二宮光星姫ヴァージニアを手元に置いて2枚ドローよ。…よしよし、いい手札。」

クルミ

「ここでバースト発動!」

シオリ

「げっ!?不味い…?」

クルミ

「双翼乱舞を発動して2枚ドロー!へへへ、シオリちゃん、シュレンくんにグリードサンダーうたれすぎてトラウマになってるんじゃない?」

シオリ

「うっ…確かに。アイツいっつも持ってんだもん。やになるわー。…っと、続けるね。更に今手元に置いたヴァージニアを召喚。不足コストはワイバーンベラから確保。効果によりオープンされるカードは…突機竜アーケランサー、ヴァージニア、キャンサーシェルだから、キャンサーシェルを手札に加えて、残りはデッキの下に返す。」

 

シオリは苦虫を噛んだような顔をして、首を振る。

 

シオリ

「こんな所ね…バーストをセットしてターンエンド!正直あんまりいい動きじゃない…。」

クルミ

「ふっふーん。私のターン!私の手札は激強なのだ!!更に手札からダンデラビットをLv1で召喚してコアブースト。」

シオリ

「げげげっ!マジやばぁ…」

クルミ

「増えたコアと軽減で手札からバルカン・アームズを召喚して今召喚したダンデラビットへ直接合体!その効果によりデッキから3枚ドローした後、手札を2枚破棄するよ。…んー、えっと、これと…あとこれかな。双翼乱舞と巨蟹武神キャンサードを破棄するね。やれることも無いし、これでターンエンド!」

 

抜群の動きにクルミは上機嫌だ。対するシオリは早くもフラストレーションを滲み出させている。

 

シオリ

「くっ、巻き返す…!光導のシナジーは敗れない。私のターン!…デッキトップに戻さなくてよかった。私は手札から要塞都市ナウマンシティーをLv1で配置。この効果により…天を宙を駆け威を示す絶対の王者よ、今その銀光と猛る爪牙を相手に思い知らせる時だ!!手札から獅機龍神ストライクヴルム・レオをLv1で召喚ッ!!」

 

シオリの高らかな口上に呼応して白く気高い機械の獅子は咆哮と共に戦場へ降り立った。その威圧感から場に緊張が走る…!

 

クルミ

「もう来た、シオリのキーカード…!」

シオリ

「不足コストはヴァージニアから確保。この勝負まだまだ分からないわ。ターンエンド。」

クルミ

「よし、私のターン!バーストをセットして、と。手札からゴクラクチョー(Rv)をLv2で召喚。更に手札からコロコーンをLv1で召喚!!…まだ相手のレオはLv1ね、いける!バルカンアームズをゴクラクチョーに合体してアタックステップ!ゴクラクチョーでアタック!効果でバーストは発動出来ないよ!」

シオリ

「流石に封じられたか…こちらフラッシュないわ」

クルミ

「私も無いよー」

シオリ

「…ライフで受ける。」

 

ーシオリ残ライフ3ー

 

クルミ

「私はこれでターンエンドだよ。」

シオリ

「ふふ…私にターンが回ったわ!まだまだ!私のターン。手札から突機竜アーケランサーを召喚してストライクヴルムレオに直接合体してレベル3にするわ。効果で1枚ドロー。更に手札からキャンサーシェルを使用して2枚オープン…光星神ゾディアック・レムリアとブリザードウォールね。対象のレムリアを手札に加えてあとは破棄するわ。これでターンエンドよ。」

クルミ

「あれっ、攻めてこないの?」

シオリ

「ししし、プランがあんのよ。ほら、次はクルミ姉のターンだぞー。」

クルミ

「よーし、私のターン!いくよぉ…私は手札から猟剣獣カーラ・ハウンドをLv1で召喚!!私の場の星魂の数は5体だから、5コアを一気にブーストしてLv3に!」

シオリ

「くっ…どんどんコアの差が開いていく…まずい…っ!しかし、ここでは私は召喚後バーストを発動!天星十二宮闇星魚ピスケガリオットの効果でカーラハウンドのコア12個までをリザーブに置いて消滅よ。その後、Lv1で召喚するわ。」

クルミ

「うっ…一筋縄ではいかないか…。」

 

バーストによる盤狂わせにクルミは顔を曇らせるが、未だ余裕を失ってはいない。シオリはしてやったりとニヤつく。

 

クルミ

「まだ、疲労させればいける…。相手のライフは残り3。私はコンパス・ミンゴ(Rv)のアクセルを使用。効果でピスケガリオットを疲労するよ。そのまま手元に置かれたコンパスミンゴを召喚して、アタックステップ。ゴクラクチョーで合体アタック!!」

シオリ

「フラッシュはないわ。」

クルミ

「私もフラッシュ無し、ダブルシンボルだよっ!」

シオリ

「ふふっ、ライフで受ける。」

 

ーシオリ残ライフ1ー

 

クルミ

「いけるっ!続けてコンパスミンゴでアタック!」

シオリ

「フラッシュタイミング!手札からピスケガリオットへ天星神ゾディアック・レムリアを煌臨ッ!その効果で手札より再び来たれ、獅機龍神ストライクヴルム・レオよ!!」

 

突如光の柱と共に現れた輝く巨龍の導きで更にもう1体の獅子が既に場にいる獅子へ目配せをしながらその威容を見せつける。圧倒的な展開にクルミは思わず怯んでしまう。

 

クルミ

「こちらフラッシュタイミング、ないよ。」

シオリ

「以降フラッシュタイミングがないのならばループ処理を短縮したいんだけど、いい?」

クルミ

「う、うん…OKだよ。これは、攻めきれないなぁ…あはは。」

シオリ

「アーケランサーの効果で合体元のレオを疲労させ、BP+3000。更にアーケランサーの効果でもう片方のレオを疲労させ、合体元のレオを更にBP+3000。その時、もう片方のレオが疲労したので、合体元のレオは効果で回復!これを繰り返すことで、特殊裁定により合体しているストライクヴルムレオは【BPMAX】として扱うわ!このまま合体しているレオでブロックする!この時、効果でもう片方のレオは回復するわ。続けてフラッシュ、もう片方のレオをアーケランサーの効果で疲労させて、ブロックしているレオを回復させるっ!」

クルミ

「うぐっ!!これは…キツいなぁ…。フラッシュないよ。そのままBP負けでコンパスミンゴは破壊されるね。…攻めきれるわけないね。装甲もあるし。ターンエンドだよ。」

シオリ

「このまま押し切るわよ。私のターン!もう片方のレオもLv3に上昇させて、先程のループを発動して、更にアーケランサーをもう片方へ移し同じ操作をすることで2体のレオは共に【BPMAX】!!手札から白魔神を召喚して合体していないレオへ直接合体させるわ。召喚時はネクサスがないので不発ね。」

クルミ

「バースト発動…っ!風翼刀ドウジキリ!!ゾディアックレムリアを疲労させてスピリット状態で召喚するよ。」

シオリ

「あら、苦し紛れだねぇ?クルミ姉。プリンは頂いたわ!白魔神と合体したレオでアタック!クインティプルシンボルで全てのライフも頂くわっ!!」

クルミ

「まだよ!!フラッシュタイミング、シシャノショドリームを使用!ライフは1以下にならない!!」

シオリ

「ちっ…往生際の悪い!まぁいいや。この鉄壁の壁はそのデッキじゃ崩せないでしょ。次のターンで決めきってあげるわ。フラッシュ無し。」

クルミ

「フラッシュ無しでライフで受けるっ!」

 

ークルミ残ライフ2ー

 

クルミ

「まだ、まだやれる…。何とか突破してみせる…!私のターン、ドローしたカードは…あっ、これは…。そういえば、1枚だけ差してみたんだっけ…それがこんな土壇場、しかもシオリとのバトルで引き当てるなんて、まるで運命。…いくよシオリ。手札から北斗七星竜ジーク・アポロドラゴンをLv1で召喚。」

シオリ

「何かと思ったら北斗七星竜の緑じゃない。そんなの前から入れて…」

クルミ

「私がその効果で召喚するのは…突機竜アーケランサーだよ!!ダンデラビットに直接合体ッ!これは貴方の友レオで使われていたの見てその刃の美しいフォルムに一目惚れした故にたった1枚だけ入れていたカードなの。」

シオリ

「くっ、でもレオのいないそのデッキでは宝の持ち腐れだったみたいね!」

クルミ

「このデッキの真の姿を忘れてしまったようね。ドウジキリをジークアポロドラゴンへ合体。」

シオリ

「はっ…ドウジキリループ…!でもあなたの場には他にドウジキリを合体できるスピリットはいない…いくら大量にコアを増やした今の場でもコロコーンのレベルを維持しながら中型以上のスピリットを召喚するのは不可能なはず…なのにその余裕は…?ま、まさか…アレを!?」

クルミ

「その通りだよ、シオリ。私は手札からマジック、グロウアップを使用。コロコーンのコストを+3する。アタックステップ…!ダンデラビットで合体アタック!」

シオリ

「くっ、フラッシュでアーケランサーの効果を発動!」

クルミ

「同じく私もアーケランサーの効果を発動してコロコーンを疲労させる。シオリ、先にあなたのループを処理していいよ。」

シオリ

「ふ、ふふっ、そんな余裕で…いいのかしら?ループ処理によってアーケランサーと合体しているレオは【BPMAX】に!ほら、次はクルミ姉だけどっ???」

クルミ

「そう、いつもこの駆け引きで貴方は油断するんだよ、シオリ。ドウジキリの効果発動。疲労しているコロコーンへ移動し、コロコーンは自身の効果で回復。アーケランサーでジークアポロドラゴンを疲労させBP+3000。更にドウジキリを効果でジークアポロドラゴンへ移動させてコロコーンの効果でジークアポロドラゴンを回復!ループ処理によりアタックしているダンデラビットは【BPMAX】になった!」

シオリ

「っっっ!!フラッシュ無し!」

クルミ

「更に手札から私はタフネスリカバリーを使用!ダンデラビットは【BPMAX】なのでもちろん回復する!さぁ、どうする?」

 

シオリは悟っていた。自分はまた驕ってしまったのだと。こうなってしまった時にやるべきことは母から教わっていた。潔く、気持ちよく、お互いのバトルを終了させること!

 

シオリ

「ふふ、負けね…。【BPMAX】のストライクヴルムレオでブロック!!ただでは、終わらないッ!!」

 

お互い、アーケランサーという得物を装備し、相対する二つの獣。獅子の巨躯に怯むことなく同等のパワーを以て激戦を繰り広げた小さな兎は獅子の爪をその身に受ける。吹き飛ばされる最中、最期の力を振り絞ったうさぎの一撃は獅子の首元を貫いていた。両者爆散し、姿が消えた後には二匹のアーケランサーがその戦いを見届けたり、と静かに疲労して大地に降りていた。

 

クルミ

「終わりだよ!ジークアポロドラゴンで合体アタックっ!!」

 

刹那、影を落としたシオリの目から闘志は消えていなかった。

 

シオリ

「見落としてた、冷静になれた。私はまたひとつ成長する!フラッシュタイミング、リミテッドバリアを使用する!これで、ライフへのダメージは通らない…!私の最後のライフ、この戦いを締めくくるに相応しい戦士にこそ与えよう!」

クルミ

「えへへ、シオリ、やりきった顔だね。…コロコーン、よろしく!」

 

通常よりも一回り大きく強化された狐の黄色い尾が強くシオリのライフを捉えた。

 

クルミ

「やったぁ!私の勝ちだーっ!!いやぁ、本当にギリギリだったよぉ…。」

シオリ

「うーん、今日も勝てなかったァ…やっぱ私詰めが甘いなぁ。流石だよ、クルミ姉ぇ。」

クルミ

「ふふーん♪それほどでもないよー、あはは!」

シオリ

「でも、やっぱりバトスピは楽しいね!あはは!」

ギルティア

「2人ともお疲れ様。いいバトルだったわよ。はい、これ飲み物ね。」

クルミ

「母様ありがとーっ!めっちゃくちゃ喉乾いてたのぉ…ゴクゴク」

シオリ

「ママさんきゅ…ゴクゴク…ぷはー!生き返るぅ…やっぱ喉渇くわぁ。」

ギルティア

「またこの後デッキ弄りでしょ?ひとときの休息になさい。」

2人

「はぁい、お疲れ様ぁ…」

 

そういうと2人はそれぞれ自分の部屋へ戻って行った。

 

ギルティア

「今日もなかなかヘンテコで熱いバトルだったわね。これは検証担当のしんどそうな顔が目に浮かぶわ。あ、アナタ、どうだったかしら?結構緩くて場当たり的な描き方だったでしょう。ナレーターは後半までサボってたし…アレ私が後ろからつついたのよ、うふふ。」

 

誠に面目ない。

 

ギルティア

「ここまで読み進めてくれたアナタはきっと第2話も読んでくれるわよね?一応、次回予告だけど、次はコウリンとシュレンの対決だからもう少し新しめのカードが出てくるんじゃないかしら。面白デッキを期待してる人にはちょっと申し訳ない気もするけれど、そこはまばらにやっていくつもりよ。コラボも扱いたいけど、あの子達がまだちゃんと覚えたり組めたりしてないから先になりそうね…。じゃあ、、今宵の物語はここまで。」

 

ギルティア

「次の物語でまた会いましょう。連載が進んだ頃にはすぐ観れるんでしょうけど、今だけを観測してる私からすれば少し遠い先の話。まぁ、そういう人たちはまたすぐ後でね。」

 

……あっ、ご、ごほん!

手を振るギルティアを中心に視界が徐々にぼやけて、アナタの意識は現実へと戻っていくのであった…。




読了お疲れ様です。わざわざ最後まで読んでくれてありがとー!
ターンシークエンスとか分かりにくいですかね…?色々ぼかしたりピックアップしたりと工夫したつもりなんですけど、読みにくかった!こうして見て!みたいなのあったらTwitterとか感想とかで遠慮なく投げちゃってください。そうやってこの処女作を成長させられたらなぁとか思ってます

これからもヘンテコな日常やカードを展開していくのでよろしくです(・▽・)

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