ハイスクールD×D 漢女な部長はとてもすごいです 作:へびひこ
・主人公最強ものではないですが、漢女リアスが最強なので似たようなモノかもしれません。
・比較的短い物語になると思いますが楽しんでもらえれば嬉しいです。
朝目が覚めたとき、すっきりとした目覚めを迎えるとなんだかその日はいいことが起きそうな気がする。逆に目覚めがすっきりしないとどうにも一日が憂鬱だ。
妙な夢を見たような気がしたが自室のベッドでいつものような朝を迎えるはずだった。
お気に入りの目覚ましの可愛らしい女の子ボイスで目が覚めて今日も楽しく生きようと気合いを入れる朝だ。
やっぱり気分がいい方がいい。朝は気持ちよく起きたいものだ。
そんなの気持ちの持ちようだって? その気持ちが大事なんだぜって話だ。
……それなのに何故か今日は身体がだるい。風邪でもひいたのだろうか。日差しがやけにうっとうしく感じる。
それはとりあえずいい。まぁそう言う日もあるだろう。
とりあえずなにを言いたいのか。これこそ本題だろう。
目を覚ましたら目の前にすごい濃い顔立ちの赤い髪の漢がいたら、どう思うね?
男じゃなくて
しかもその筋骨隆々たる大男と一緒のベッドで眠っていて、その漢はどうやら服を着ていない全裸であり、あまつさえそれに抱きしめられていたら?
ちなみにいまさらながら俺は男だ。たくましい男の胸板にときめいたりしない。獣のような汗臭い体臭に生理的な嫌悪感を抱いても仕方がない。
むしろ自然なことだろう。男のくせに男の体臭が好きなんて言う奴がいたら俺は間違いなく縁を切る。絶対にそいつはホモか変質者に違いないと確信するからだ。偏見かもしれないがそう思うのだから仕方がないだろう。
俺はノーマルなんだ! 女の子が好きなんだ! 自他共に認めるおっぱい好きなんだ!
それがなんだ? 目が覚めたらたくましい胸板に抱かれて漢の寝息を感じながら身動き一つ出来ないってどんな拷問だよ!?
「あら、目が覚めたの?」
低い地声を無理矢理甲高くしているような耳障りな声が聞こえた。目を向けるとぱちりと目を開けた漢が微笑んだ。厳ついマッチョのくせに髪が長い。そして鮮やかな紅色だった。髪だけは綺麗だな。これで美女なら死んでも悔いがないほど喜んだだろうに!
朝起きたらベッドの隣には女の子が! 目が覚めた美少女は言うのだ。「実はわたしあなたの婚約者なの」とか!
それがなんだ!? 現実はボディービルダーを片手でぶっ飛ばせそうなマッチョ。微笑みかければ子供は泣き喚き、不良は腰を抜かし、凶悪犯も涙を流して命乞いをしそうな迫力満点の漢だと!?
俺の運命よ、仕事しろ!? もっとがんばれよ! ここは違うだろ、お約束的に!?
「これからよろしくね」
にっこり微笑みかけられてもわけがわからん!? むしろちびりそうになったわ!
なにをよろしくしなければ……ナニをよろしく? まさか、まさか俺は汚れのない童貞少年のままこのケダモノにカマを掘られたのか!?
俺は汚されたのか? 眠っているうちに正体不明の不審人物に!?
これが許せる男はきっといない。いないと信じる。これが許せるなら俺が毎日のようにやっている覗き行為などむしろ英雄視されて絶賛されるべきだろう!?
男なら至極当然のまっとうな怒りを燃やして俺はその男に殴りかかろうとした。したのだが身体に巻き付いたぶっとい腕はびくともしない。なんて馬鹿力だ。くそう、あまりの無力に涙が溢れてくる。
俺は自分の純潔を汚した野郎をブン殴ることも出来ない非力な坊やなのか。こんな事ならもっと真面目に体力作りをしておけばよかった。運動部で活躍すればよかった。ああそうすればもしかしたら彼女ぐらい出来たかもしれないのに……。
「俺の純潔を返せー!!」
「もう、やんちゃしちゃダメよ?」
……その後のことは憶えていない。憶えていないことにしたい。そういうことにしてくれ。
しかし記憶に刻み込まれた嫌悪感と喉を逆流する腹の中身の感覚がしばらく忘れられそうもない。
それでも彼女の名誉のためにこれだけは言わなければならないのかもしれない。
俺がひたすらなまでに男ですらない漢だと思い込んだ彼女は性別の上では女だった。
胃の中身をぶちまけてあえでいる俺を解放してくれたとき何故か素っ裸だった彼女の股間が見えたのだ。そこにはあるはずのものがなかった。
念のため本人に確認したら「女の子に決まっているでしょう?」と不思議そうに言われた。不思議なのはこっちだ。絶対女じゃないだろう。その巌のような迫力ある男らしい顔とごつい筋骨隆々のマッチョな身体。おっぱいどころか分厚い筋肉を感じさせる胸板。どこをとっても女だとは信じられない。
どう考えてもナニをチョン切った出来の悪いオカマとしか思えない。きっと百人中百人そう答える確信を持てる。
素直にそう言ったら再び地獄を見た。
「もう、女の子にそんなひどいこと言う子はメっよ?」
非常に不快感感じるオカマ口調でそう軽く叱る感じで言われたが、それよりもまた抱きしめるのはヤメテ!
くさっ! ケダモノ臭い! 体温が気持ち悪い! ごつごつした感触がたまらなく居心地悪い! 漢、いや
忘れたかったのに!? 漢女に抱きしめられて胸板に顔を埋めてそのケダモノの匂いに包まれて湧き起こるゲロで顔面を汚したことなど忘れたかったのに! あんたはなんて残酷なんだ!? 俺が忘れられなくなるまで繰り返す気か、この拷問を!?
後日それは彼女の親愛の表現であり『慈愛の抱擁』と自称していることを知った。被害者達と意気投合してお互いに慰め合ったさ。
本人は百パーセント善意と親愛を込めているつもりかもしれないが、被害者にとってはちょっと趣向を凝らした処刑方法でしかない。
ちょっと聞いただけでも気絶や失禁など、その凄まじい破壊力に皆恐怖していた。そしてゲロをぶちまけた俺も快く被害者の会の仲間に迎えられたわけだ。
……うっぷ。あのケダモノの匂いを思いだしただけで胃から逆流しそうになる。一応女のクセになんて体臭だよ。ちゃんと風呂に入っているのだろうか?
女の子って違うだろう? もっとふんわり柔らかくって暖かくっていい匂いがしてすべすべなんじゃないのか? それともこれは俺の妄想でリアルの女はさすがにあの外見はないにしろあれと五十歩百歩なのか? だとしたら俺はなにを希望に生きればいいんだ!?
俺の女性への幻想を木っ端微塵に粉砕した彼女の名はリアス・グレモリー。見た目
そして俺は兵藤一誠。駒王学園に通う高校二年生。
後で説明されたことだが、どうやら俺は堕天使という存在に殺されかけ悪魔に生まれ変わったらしい。
……しかもこの漢女の下僕として。
美女の下僕なら喜んだかもしれないがこれは漢女だ。見た目化け物じみた漢女だ。
どうやら死にかけていたところを救われたらしいが、いっそ死んでいた方が楽だったのではないか。本気で悩む。
とにかく、リアス・グレモリー眷属『
それはともかく。とりあえず今はシャワーを浴びてうがいをしたい。少しでもこの匂いの余韻を落としたい……。
原作イッセーが素直にリアスの下僕である事を受け入れたのってたぶんリアスが美女だったからですよね?
なので漢女リアスに対するイッセーの好感度はマイナスレベルです。それでも喧嘩売ったりは出来ません。怖いから。