ハイスクールD×D 漢女な部長はとてもすごいです   作:へびひこ

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第八話 俺は本当に好きだったんだ。

「な、なんで『聖母の微笑』が発動しないの!?」

 

 目の前で仲間が無造作にやられたことで夕麻ちゃんはかなり狼狽していたが、ふと正気に返って倒れ伏すおっさんの顔に手を当てていた。

 そしてほとんど絶叫ともとれる悲鳴をあげる。

 

 もしかしてさっき言ってた回復の力を持つ神器で治療するつもりだったのか?

 

 部長が心底呆れかえったと言わんばかりに首を振る。

 

「当たり前だろう。神器を抜いてからそう時間は経っていまい。さらってからそう時間がかかっていないのだから当然だ。その程度の時間で他人の神器の力を自由自在に扱えれば苦労はない。もしそうであればむしろ悪魔も堕天使もこぞって人間から神器を奪うだろう。なぜそれをしないか? 簡単だ。奪った神器を使いこなすことは非常に難しい。ただ使うだけでも適性が無ければ難しいだろう。だから言ったのだ。愚かだと」

「……つまり苦労して手に入れてもろくに使えない?」

「仮に我がイッセーの神器を奪い取っても使いこなすことはおそらく不可能だろう。いやそもそも使えるかどうかさえわからん。神器とはそういうものだ」

 

 俺のぽつりと漏れた疑問に『王』が親切に答えてくれた。

 

「……それにその神器は私のものです。私が生きている限り、他人が使うことは不可能でしょう」

 

 意識を失っていると思っていた金髪シスターが目を開いてかすれた声で喋る。すると夕麻ちゃんも、そして『王』でさえ驚愕した。

 

「なぜ生きているの!? 神器は確かにここにあるのに!」

「ありえん……なぜ生きている?」

 

 聞き逃せない言葉だ。俺は『王』に視線を向けた。

 磔にされながらもこちらを見つめてかすかに微笑むシスター。その姿に何故か目を奪われている『王』は俺の視線に気がつかない。

 

「どういう事です? 彼女が生きていることのなにがおかしいんです?」

「……イッセー。言い難いことだったので言い出せずにいたが、神器を無理矢理抜かれた神器所有者は大抵死ぬ。よほど特殊な術式なら別だろうがここにあるものはそうではない。無理矢理引き抜くだけの術式だ。神器は生まれもって宿った『聖書の神』に与えられた力だ。それを強引に奪うということは魂を引き裂かれるに等しい。こんな雑な術式で神器を奪われてなお生き残るなど到底不可能だ。不可能なはずなのだ」

 

 そんな『王』の言葉にシスターはにっこり微笑んだ。

 

「私の師である神父様はこう仰いました。『人間気合いがあれば大抵なんとか出来るものだ』と。未熟者の私でも少し根性入れればこの程度は可能です」

 

 以前も思ったけど聖職者すごい。気合いで普通死ぬような事されても生き残るのかよ。

 

「ありえん……そんなことは規格外の精神力がなければ不可能だ。いや、まれに人間の中にもそういう規格外(バグキャラ)が生まれると聞く。彼女がそうであるのか」

 

『王』がなにやら納得したように肯いたがすぐに痛ましげな顔をする。いったい何だ?

 

「それならあなたを殺せばいいだけの話じゃない! 至高の堕天使になる私が神器一つ扱えないなんてあるわけがないわ!」

 

 夕麻ちゃんがヒステリックに叫び、その手に光の槍を出現させる。

 

「あぶない!」

 

 俺は叫んだ。叫ぶしかない。

 

 俺とシスター達の間には距離がある。木場なら一瞬でこの距離を駆け抜けるだろう。だが俺にはそんなことは出来ない。朱乃さんなら雷で夕麻ちゃんを打ち据えるだろう。俺には遠距離攻撃の技がない。

 

 もっと修行すれば良かった! 悔やんでも悔やみきれない。それでも俺は手を延ばすために走りだそうとした。

 

 届け、俺の手。届いて彼女を守れ!

 

「……気合い防御っ!」

「へ?」

 

 俺は呆気にとられた。

 俺だけじゃない。光の槍を投げつけた夕麻ちゃんも硬直し、『王』でさえ目を見開いて驚いている。

 

 夕麻ちゃんの放った光の槍はシスターに向かって飛んだ。飛んだのだが彼女の気合いの声一発で砂細工のように消え去ってしまった。

 

「……師である神父様は仰いました『人間の気合いは無限のエネルギー。極めれば堕天使だろうと悪魔だろうと敵ではない』と」

 

 淡々と誇る様子もなくシスターさんが語る。

 その神父様すごすぎ。どんだけだよ。もしかしたら『王』並に強いなんて事はないだろうな?

 

 というかシスターさん……もしかして俺より強いんじゃないですか?

 

「私はここで死ぬ事も運命と受け入れていました。しかしこんな見ず知らずの私のために助けに来てくれた方がいます。その方の前で殺されてはきっと傷つかれる。私は今あなたに殺されるわけにはいきません」

 

 毅然とシスターさんが宣言した。

 

 ……俺か、俺のために死ぬわけにはいかないとがんばってくれたのか。

 

 がんばればあの光の槍もなんとか出来るのか。もしアレを俺が出来たら死なずにすんだな。悪魔になる事もなかったかもしれない。まぁ、もう後悔はしていないけど。

 

 というか、もしかしてシスターさんは抵抗しようと思えば捕まらなかったんではないですか?

 

「あんたいったい何者なのよ!?」

 

 至極まっとうな疑問を夕麻ちゃんが発狂せんばかりに絶叫する。

 

 普通に何者なのか気になるレベルの理不尽さだ。

 普通なら死ぬという行為をされて生きていて、あげく堕天使の攻撃を消し飛ばす。なにをしたのかと聞けば『気合いです』これでは誰だって『おまえは何者だ!?』と叫ぶさ。

 

「私は主に仕え、そして道を間違えたただのシスターです。別にたいしたものではありません」

 

 シスターさんはなんの気負いも見せない笑顔だ。

 たぶん本気でそう思っているんだろうな。絶対普通じゃないと俺は思うけど。

 

 しかし道を間違えた、か。さっきの魔女発言も気になる。もしかして彼女は何か苦労をしてきたのだろうか。

 

「ふむ、もう見世物も仕舞いか。外もあらかた済んだようだ。こちらも片付けよう」

 

 そういえば外からもう戦いの気配がしない。

 

『戦いの気配がしない』なんて大真面目に感じられるようになるとは。これもあの『地獄修行』のおかげだ。死ぬ気で生き残った甲斐がある。

 

 一歩『王』が足を踏み出す。

 

 圧倒的威圧感が放たれ俺はすくみあがりそうになった。

 何度経験してもきっと慣れない。はっきり言って心臓に悪い。そのうちショック死するかもしれん。

 

 あの時と同じ、はぐれ悪魔と戦った時のような威圧感が周囲を満たす。

 おそらく直撃を喰らっている夕麻ちゃんは顔色を失い腰を抜かした。シスターさんはちょっと驚いた顔をしただけだった。

 

 これをちょっと驚くぐらいで済ますって……改めてシスターさん、すごすぎ。心臓が頑丈なのか神経が鋼鉄製なのか。ホントに俺より強いんじゃないか、この子。

 

「わ、私は私はただ至高の堕天使に、私を無能と嘲笑った奴らに復讐を、神器を手に入れて、『聖母の微笑』は確かにここに、アザゼル様は私を愛してくれるはずなのに!?」

 

 あまりの威圧感に錯乱しているのだろう。もはや言動が支離滅裂に近い。

 

 気持ちはわかる。味方のはずの俺でも怖い。ましてや敵対したあげくさんざん罵って挑発し、この威圧の直撃を受けたら……俺ならきっとちびったあげくにショック死するかも。

 

 でも正直こんな夕麻ちゃんは見たくなかった。

 

 いや今までだって辛かった。あまりにも俺の想う夕麻ちゃんと違いすぎる。

 本当に俺は上辺だけ見て喜んでいただけだったんだな。美少女に告白された。ただそれだけで舞い上がっていたのだろう。

 

「夢は十分見られたはずだろう。一時とはいえ野望の叶った自分を夢想出来たことを慰めに散るがよい」

 

 部長の掌から無造作に放った魔力。以前見た砲撃からすれば比べるのも馬鹿らしいほど小さな拳大の魔力が一直線に飛んでいく。

 

「ゆ、夕麻ちゃんっ!」

 

 俺は一瞬本気で彼女の事を心配した。ああ、俺はなんて馬鹿なんだろう。

 彼女は敵だ。おまけに俺を殺そうとした俺の仇だ。

 

 しかし魔力は夕麻ちゃんに当たらず足下に倒れていた堕天使のおっさんの胸を食い破り身体にぽっかりと穴が開く。

 

 黒い羽根が勢いよく飛び散った。

 まるで黒い血が吹き出たような錯覚を起こす末路だった。あとは死体すら残らない。堕天使は死ねば死体も残らず羽だけ残して消えるのか。

 

 少し哀れにも感じる。まるで誰もいなかったように羽だけ残して消える堕天使、彼らは本当に人間とは違うのだなと実感出来た。

 

「ああ、なんで? なんなの? 報告では確かに……リアス・グレモリーは人間界に左遷されるような無能なのでしょう!?」

 

 夕麻ちゃんが怯えて後ずさりながら叫ぶ。もう立つことも出来ないらしく腰をぺたんと落としろくに動かない手足を動かして必死に『王』から離れようとしている。

 

 ああ、なるほど。『王』が貴族の跡継ぎなのに人間界で学生をやっているから、人間の世界に厄介払いされたと考えたのか。

 

「あいにく現実は貴様の思い込み通りにはいかん。まぁ、それはよくあることだ。気にすることではない。強いていえば運がなかった。我の縄張りでなければこのような結果にならなかったかもしれぬな」

 

 特に興味もなさそうに『王』はそう慰める。

 

 確かに運がない。よりにもよって俺たちの『王』の領地で事件を起こすことを企み。おまけに『王』を無能と思い込んでいた。

 いったいどこからそんな情報を得たのやら。

 

「ドーナシーク! あなたの責任よ!? なにがリアス・グレモリーは悪魔社会の鼻つまみ者で無能よ!? とんだ化け物じゃない!? 責任を取りなさい、この無能!」

「まぁ我は一部の連中に受けが良くないからな。この外見に普段の行いのせいだから自業自得とも言えるが」

 

 ……普段は漢女ですもんね。あれで高評価をもらうのは難しいかも、少なくとも第一印象は大抵最悪に近いだろう。

 

 確かドーナシークってさっき『王』に消された堕天使だよな。そんな奴に責任追及してどうするつもりなんだ。もう正気ですらないのかもしれない。

 

 もうダメだ。耐えられない。

 俺は『王』に促した。彼女を始末することを。

 

「お願いします。もう彼女を楽にしてあげてください」

「……ふむ」

 

 ふと『王』がなにやら思案げな顔になり俺の顔を凝視、いや俺の目を見つめてくる。

 

「よいのか?」

 

『王』の声はいっそ厳かとさえ思えた。

 

 厳しさと暖かさとそして何より逆らいがたい圧倒的な魅力を感じる。

 その何処までも深い底の見えない瞳に引き込まれてしまいそうだ。この人の言うことならなんでも喜んで聞こうと思わせるほどに。

 

「他人の手でケリをつけてよしとするのか? あれは例え一時の夢幻であっても貴様の想い人であったのだろう?」

 

 心臓をわしづかみにされたような息苦しさと頭を殴られたような衝撃に俺は息が詰まった。

 

「本当にそれで良いのか? 後悔はしないのか?」

 

 そう問いかける『王』の言葉はこちらを責める色はない。むしろただひたすらにこちらを気遣い。そしてきっと試している。

 

 俺は自分が逃げようとしていたことに気づかされた。

 自分で手を下したくない。けれど彼女のこんな醜態をもう見ていたくない。だから『王』に始末してもらおう。それなら俺はこれ以上傷つかない。

 

 なんて醜い考えだろう。醜く、自己中心的で、何より弱い考えだ。

 

 俺は『王』の期待と信頼を裏切れない。何よりそんな弱い自分を許せない。

 俺は決断した。覚悟した。俺は俺らしく生き抜こうと。なのにここで彼女との決着から逃げてどうする?

 

 俺は覚悟を決めて声を絞り出した。うめくような声だった。

 

「……すみません。やっぱり俺がやります」

「許す。せめてもの慈悲に苦しまぬようにしてやるがよい。イッセーならば出来よう」

 

 鷹揚に『王』が認め、背中を押してくれる。

 

 ドライグ。力を貸してくれ。

 俺は『赤龍帝の籠手』を出現させる。即座に倍加を始めた。

 

『相棒の今の実力なら殺すだけなら出来るだろうが……三回も倍加すれば確実に苦しませず殺せる。これも慈悲の形だろう。たいして慰めにもならんだろうが共に背負ってやる。さぁ征こう、相棒。自らの因縁をその手で、俺たちの力で断ち切れ』

 

 十秒。一歩歩き始める。『赤龍帝の籠手』から『Boost』と倍加を告げる声が聞こえる。

 二十秒。ゆっくりと彼女のそばに近づく。さらに倍。後一回。

 三十秒。彼女を足下に見下ろして立ち止まった。最後の倍加。

 

 そして『赤龍帝の籠手』が『explosion』と叫ぶ。

 とたんに普段からは想像も出来ない力がみなぎる。だが十分許容範囲だ。その気になればさらに倍加が行えるだろう。

 

「い、イッセー君? あのね。私は……」

「君には言いたいことがあったんだよ。夕麻ちゃん」

 

 彼女の弱々しい言葉をさえぎって声をかける。

 彼女の身体がびくりと震えた。あるいは罵声を浴びせられると怯えたのかもしれない。

 

「俺はあの時、本当に君が好きだったんだ」

 

 本当だ。嘘じゃない。嬉しかった。本当に嬉しかった。

 

 女子から毛嫌いされていた。本心では好かれることなどないのではと不安だった。だから好きだと言われて舞い上がるほど嬉しかった。

 だから一目で好きになった。こんな自分を好きだといってくれる女の子が悪い子のはずがないと。

 

 可愛いから、優しいから、思い描く理想の女の子だったから。そんなことは些細なことだ。

 ただ俺のことを好きと言ってくれただけで、俺は天野夕麻に本気で恋をした。

 

 そのことだけはけして嘘じゃない。そのことは伝えたかった。例え彼女は欠片も俺が好きではなかったとしても、まったく興味を持っていなかったとしても、むしろ軽蔑し嘲笑していたとしても、俺は天野夕麻に恋をしていた。

 

「ほんの少しの間だったけど、君と恋人になれて嬉しかった。本当に幸福だった。例えそれが君の本心でなくても、俺は本当に君に恋をしていた」

 

「だったら、だったら私を助けて! 私を連れてここから逃げて! 好きなんでしょう? だったらお願い! 私も今度こそイッセー君のことを好きになるから!」

 

 嘆願する彼女にゆっくりと跪いて視線を合わせる。

 彼女の目が希望に輝いた。

 

 ごめん。俺は君の期待には応えられない。

 

「だから本当にありがとう。君に恋をした俺は本当に幸福だった。結果として最悪の別れになったし、俺も人間じゃなくなった。けれど俺は最高の『王』に出会えた。仲間達に出会った。友人も出来た」

 

「い、イッセー君?」

 

「だからこれ以上君を苦しめたくない。これ以上君を見ているのも辛い。これは俺のわがままだ。正直ここで再会してからの夕麻ちゃんは見るに耐えなかった」

 

 俺の数少ない術や技の一つ、未熟な俺の使えるたった一つの攻撃の技。

 俺の『王』が俺に出来ると保証してくれた。相棒も認めてくれた。背を押してくれた、共に征こうと言ってくれた。

 

「だからせめて苦しむ事なく、眠って欲しい。もう君が苦しむ事のないように俺は祈っている」

「い、イッセー君! お願い、助けて! なんでもしてあげるから!」

 

崩壊の掌(ブレイク・パーム)

 

 俺の魔力を倍加し、倍加し、倍加した一撃。

 痛みを与えることのないように俺は優しく夕麻ちゃんの頬を撫でた。

 

 即座に接触した掌から莫大な魔力が侵入、夕麻ちゃんの身体を満たす。

 俺の普段の魔力では一部に侵食するのがせいぜいだが、ドライグの力を借りれば俺の魔力で夕麻ちゃんの身体を満たすことも出来る。

 

「い、イッセー君、何を……?」

 

 俺になにをされたのかわからないでいる夕麻ちゃん、確かレイナーレと呼ばれていたか? いやそんなことはどうでもいい。俺にとって彼女は夕麻ちゃんだ。

 

「苦しむ事なく眠ってくれ、ブレイク!」

 

 キーワードによって解放された魔力が一瞬で夕麻ちゃんの、堕天使の身体を破壊し尽くす。

 

 まるで爆弾だ。

 相手に接触することで仕掛け、キーワードで発動させる爆弾。

 

 それが『崩壊の掌』

 

 俺が今使えるただ一つの攻撃の技。『地獄修行』の中で対最強漢女用に開発し「あなたはずいぶん器用に魔力を操るのね。ある意味才能があるのかしら」と評価された。俺にはたぶん才能なんてない。あるのならもっと簡単に出来るだろう。必死に訓練し、何度も練習してやっと身につけた。

 

 ……そういえば修行した期間は半日だよな? あれ? 俺はもっと長いこと修行した気がする。なんとなく一ヶ月ぐらい。

 

 半殺しにする勢いで徹底的に基礎を叩き込まれ、殴っても蹴ってもびくともしない対最強漢女用の技をこっそり自主練し、部長との実戦訓練で死にかけて回復されては殺されかけるのを繰り返した。

 

 あれ? おかしいな。これだけの修行を半日で行ったのか。本当に?

 

 いや今は気にしないことにしよう。というか思い出そうとすると恐怖とストレスからゲロが口からほとばしりそうだ。

 

 夕麻ちゃんは悲鳴を上げることすらなく大量の黒い羽根をまき散らして消えていった。

 痛くなかったかな。苦しまなかったかな。俺は未熟だから上手くいったかどうか自信がない。

 

 黒い羽根の中に指輪が落ちていた。

 これがシスターさんから奪った神器なのか。夕麻ちゃんが最後まで握りしめていたくらいだから間違いないだろう。

 

 シスターさんの神器だから返してあげないと。そう思って拾う。手のひらにあるこれがすごい力を持つ希少な神器とはとても思えない。

 

 こんなもののためにシスターさんは命の危険に晒されたのか。

 そしてこんなものがなければ夕麻ちゃんもあれほど歪んだ思考はしなかったかもしれない。普通に努力して、そのアザゼルという人に認められようとがんばったかもしれない。

 

『きっとなにが起こったかわからないまま死んだだろうさ。相変わらずエグい技だ。同格以下ならほぼ必殺を狙える技だろう』

 

 ドライグの言葉に心の中でそうであって欲しいと肯く。後半については弱点をすでに指摘されている。必殺技とはほど遠いと自嘲した。

 

 圧倒的格上の魔力の持ち主にはそもそも効かない。こちらの魔力が侵入できずにはじかれてしまう。

 

 魔力の扱いに長けた者なら無効化される。あっという間になにをしたか感知されてこちらの魔力を自分の魔力で消し去る。あるいは体外に排出してしまう。

 

 同格か格下ぐらいにしか基本的には通用しない技。『赤龍帝の籠手』を使えば格上にもある程度使えそうだが、接触出来なければ仕掛けられない。

 

 しかも初見ならば通用するがタネがバレればあっという間に封じられかねない。何しろ接近せずに遠距離戦に徹底されるだけでもう打つ手がない技だ。

 

 さらに言えば圧倒的に接近戦に優れている相手とも相性が悪い。たとえば木場相手ならタネがバレれば触れさせてももらえず斬り刻まれるだろう。

 

「よくやったイッセー。見事であった」

 

 配下の武勲を讃える主君のような『王』の言葉に俺はむしろ救われる思いだ。

 下手な慰めなどかけられてもどんな顔をすればいいかわからない。

 

 そんな俺を磔にされたままシスターさんが温かい眼差しで見守っていた。その顔色はまるで死人のように青白かった。

 




たぶんいろいろ独自設定があります。

神器は奪われても本人が生きていたら使えないとか、使うには適性がいるとか。
普通に使えたら神器保有者ってお手軽に強くなれるアイテム落とす絶好のカモですよね。

堕天使たちが平気な顔で活動していたのはリアスを無能と侮っていたとか。
一部にリアスが不評とか……うちの漢女リアスなら普通に一部の人は嫌いそうですけどね。

あとイッセーは本気で天野夕麻に惚れていたとか。
アニメのはしゃぎようなら本気で惚れていてもおかしくない気がしますが。物語的にただ誘惑されて捨てられたよりもこちらのほうがいいと思ったのでせっせと捏造。

夕麻ちゃんことレイナーレ率いる堕天使は、こんなものですよね? アンチ・ヘイトしてませんよね? 

アニメでも手のひら返してイッセーの恋人面で命乞い。リアスの領地であるのに勝手に悪魔を見かけたからと襲撃。『はぐれと思った』なんて言い訳にもなりませんよ普通。普通にリアスの眷属か関係者と考えるでしょうに。そうしたら手なんか出さないでしょうに。

一応上級悪魔で若手の有望株ですよリアスは。下級堕天使がケンカして勝てるつもりだったのでしょうか?

というわけでリアスは無能と侮って、戦っても余裕と調子こいていたと捏造。ましてやろくに干渉もしてこないからますます舐めきった感じに。

タグを整理した直後ですがまた整理しなくては、今度は独自設定タグを入れますか、それとも捏造設定? 原作未読もいるかな? アニメは見たのだけど。
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