窓から陽射しが差し込み、小鳥のさえずりが聴こえてくる朝、清々しい気分で起き、洗面台に行くと頭が禿げていた。それはまさにクリリン、太陽拳が使えるんじゃないかというくらいピカピカだった。
「なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁぁ」
自分に何が起こったのか調べるとようこそ実力至上主義の教室への葛城康平になっていたみたいだ。まあ最初の方はハゲになっていてショックを受けたし、悔しがったがこれはチャンスなんじゃないかと思っていた。いやだって原作の知識があるってだけでチートだし、葛城の能力や知識、経験もそのまま引き継いでるのもあって基本高スペックだった。この原作知識チートと葛城の力で俺の人生を薔薇色にする、いやしてみせる。そう決心して寝た。
入学式当日、両親や双子の妹に見送られる中バスに乗り、暇つぶしのために黒後家蜘蛛の会読んでいると隣から声をかけられた。
「集中しているところすみません。私は今日から高度育成学校に通うことになる椎名ひよりです。貴方が読まれているのは黒後家蜘蛛の会ですよね?私も好きで何度も読みました。」
最初声かけられた時はなんだこいつと思ったが読書になると積極的になるんだったな、あまり印象には残ってないが多少の付き合いがあっても原作が大きく変わることはないだろうと判断した俺は友達の話を受けることにした。
「椎名ひよりか、俺の名前は葛城康平という。同じ学校に通うもの同士仲良くしよう。」
「よろしくお願いします。まさかこのバスの中にアイザック・アシモフの黒後家蜘蛛の会を読んでる方がいるとは思ってもいませんでした。」
「椎名はミステリーが好きなのか?俺は特にミステリーが好きってわけじゃないがこの本は好きで何度か読んでいる。短編で読みやすいしな。」
「そうなんですね。私はミステリーが好きでよく読んでいますが別のジャンルの本も読みますよ。」
「乱読派って認識でいいのか?ミステリーが好きというなら何かおすすめの本はあったりしないか?あまり本を読む時間が取れてないからか面白い作品に出会えていないんだ。」
「ええ、そういうことなら私が持っている本をおすすめします。」
そういうと椎名は大きなバックから本を取り出し見せてきた。
「ウィリアム・アイリッシュにエラリー・クイーン、ローレンス・ブロックにアイザック・アシモフか、中々いいチョイスだな」
「分かります?」
「ああ、名前だけならな。アイザック・アシモフは俺が今読んでいた本で少しは知ってるが他のはほとんど読んだことがない。それにしてもこんなによく持ち歩いてるな。」
「いつか似た趣味で話し合える人が現れた時に貸そうと思って持ち歩いてるんです。最初は1冊だったんですが、貸す相手が見つかる前にどんどん増えてしまって」
「そうか」
「遠慮せず、どれでも持っていってください」
「じゃあエラリー・クイーンにしよう」
「どうぞどうぞ」
まさかバスの中で椎名と会うとはな。原作読んだ時に椎名が言った本を把握しといたのが良かったか。それにしても椎名と関わったことで原作の内容と大幅に変わることはないにしても細かいところが変わってしまうかもしれない。これ以上ストーリーが変わってしまわないように無人島の試験が始まる前までは大人しくしておくか。
椎名と話しているうちにバスが学校に到着した。後日返すことを伝え、椎名と別れた。
入学式での長いご高説が終わり、Aクラスに入り自分の席に座ると隣に座っていたのは戸塚弥彦だった。なるほど、隣の席ってことで戸塚とつるむよになったのか。
「俺の名前は葛城康平だ。3年間よろしく頼む」
「え、よ、よろしくお願いします、葛城さん。自分は戸塚弥彦と言います。最初葛城さんを見た時上級生かと思ってしまって、同じクラスの人でびっくりしました」
やけに腰が低いな。葛城のオーラみたいなのが出てるのか、それともスキンヘッドだから怖いのか、多分後者だな。だって中身違うし。
「まあ俺はスキンヘッドだから老けて見られることが多いな。同じ学年で同じクラスなんだからそんなに畏まらなくてもいいだろう、それに3年間同じなんだからな」
「か、葛城さん、分かりました」
スキンヘッドの話は否定されなかったな。悲しい…正直最初は戸塚とつるまなくてもいいかと思ったがまあいてもいなくてもそんなに変わらないだろうと思い直し、戸塚と仲良くすることにした。戸塚と話していると担任の真嶋先生が来た。見た目の印象は短髪で色が茶髪、顔は少し怖い感じだが雰囲気はそこまで怖い感じはしないな。
「新入生の諸君。私はAクラスを担当することなった真嶋智成だ。普段は英語の担当をしている。この学校には学年ごとのクラス替えは存在しない。卒業までの3年間、私が担当としてお前たち全員と学ぶことになると思う。よろしく頼む。今から1時間後に入学式が体育館で行われるが、その前にお風呂この学校の特殊なルールについて書かれた資料を配らせてもらう。以前入学案内と一緒に配布はしてあるがな」
なんか話している内容がほとんど一緒だな。これもマニュアルにされてんのかなぁ。そうだったら先生も大変だろう、それにしてもやっぱりこの学校の施設は豪華だな。こんなに豪華にする意味があるのかって話だが、全校生徒は500弱だろう、学校の先生や従業員その他諸々合わせると生徒の人数ぐらいいるんじゃないか?こんな学校にアホみたいに金を使ってる時点で意味わからないがラノベの世界だし突っ込んでも意味無いか、まあその恩恵を俺が預かれるんだから喜ぶべきだろう。
「今から配る学生証カード。それを使い、敷地内にあるすべての施設を利用したり、売店などで商品を購入することが出来るようになっている。(長いので割愛)お前たち全員、平等に10万ポイントが既に支給されているはずだ。なお、1ポイントにつき1円の価値がある」
教室がざわつき始める、さすがのAクラスでもDクラスと同様に驚いたみたいだ。ただし坂柳を覗いて。先生の話が終わり、教室で自己紹介が始まった。
「俺の名前は葛城康平という。中学の頃は生徒会をしていたため、俺は皆を引っ張っていく存在になりたいと思っている。皆に無理やり私に着いてこいと言うわけではないが俺に着いていきたいと思ったら着いてきて欲しい。無論俺は自分の力を発揮し、皆を引っ張っていく力を証明するつもりだ。まず手始めに俺の力を証明しようと思う。先程先生が退室した後に来月支払われるポイントは10万ポイントかと聞いたらはっきりとは教えて貰えなかった。来月も10万ポイント支払われるなら当然すんなりと答えが返って来るはずだがそうじゃない。とすると来月の支払われるポイントは確実に減るだろう。ここで疑問に思うことがあるはずだ、それはどうするとポイントが減るかと言うことだろう。この学校は実力主義だ。パンフレットにもそう書いてある。だとすると生徒の実力を測るとしたら何で測るかそれは生徒としての実力、生活態度とテストの点である可能性が高いとみている。上を見てもらえれば分かると思うが監視カメラが何台も着いている。普通なら1台つければいいのにも関わらずだ。そういうことで来月俺の言ってることが当たっているならば俺の実力は証明されるだろう、ちなみに言っておくがポイントはクラス全体で減る可能性があるから個人で不用意な行動は慎むように、これで以上だ」
そう言ってクラスから出ていく、チラリと坂柳を見ると薄らと笑っていて寒気がした。こんなことして大丈夫だったのか分からないがとりあえず上々のスタートを切れたと思う。俺が排除されないために坂柳ではなく俺がクラスの実権を握らなくては退学のリスクを孕んだものになるだろう。
俺がまずやっておくことはプライベートポイントを稼ぐこと、そして監視カメラがない場所に小型のカメラと盗聴器を仕掛けておくことだ。そうすれば後暗い情報がにぎれて弱みに漬け込むことが出来るだろう。プライベートポイント稼ぐ方法だが、ポイントを賭けて勝負する。部活動は娯楽部やボードゲーム部などがあり、他にも運動部などでも賭けて勝負出来るだろう、最初はボードゲーム部に行くことにした。その理由はボードゲームを前世でもかなりやっていること、そして葛城に転生した後に賭けて勝負するために練習してきたためだ。この葛城の能力だと練習すればするほど実力が伸びた。そのためかなりの実力になったと思う。まあ坂柳や綾小路には勝てる気がしないが。数分ほど歩くとボードゲーム部に着いた。
「失礼します。1年A組の葛城と申します。ポイントを賭けて勝負したいのですがよろしいでしょうか?」
そうすると上級生の男が驚いていた。
「まさか初日からポイントを賭けに来るとは驚いたな。そうだな、まだ部室には俺しか来てないし、まずは俺と勝負するか。掛け金はどうする?」
「勝負出来るみたいですね。とりあえず5万ポイントでどうでしょう?」
「とりあえず5万とは大きく出たなぁ、俺に取ったら5万なんて端金だがお前は持ち金の半分だろう。まあいい、お前チェス出来るよな?」
「ええ、出来ますよ、得意ではないですけどね。それでは早速勝負しますか」
20分後、
「かぁー、負けちまったか、ギリギリの勝負だっただけに悔しいぜ。5万ポイント持ってけ泥棒。」
「運が良かったみたいです。それでは5万ポイント頂きます」
そうすると5万ポイント振り込まれた。勝負自体はギリギリだったがそれは実力を隠したためだ。ここで実力を出して圧勝してもこの後にポイント賭けて勝負出来なくなるから、ギリギリ勝てるように調整した。そのせいかこの後も勝負をしようと言われ何回か戦い、掛け金が低い時は負けて高い時は勝つようにし、この先輩からは20万ポイントぐらい奪った。何回か戦ってる間に他の先輩達も来てたみたいでチェス以外にもオセロや将棋などで勝負をしたところ全体で100万ポイントぐらい稼いだためか今月は賭け勝負が出来ないと言われ来月なら大丈夫だからいつでも来てくれと言われた。まあ100万稼げれば十分だと思い、その稼いだポイントで超小型カメラと盗聴器を買い、仕掛けようと思ったがこの時期だと龍園に探られる可能性があると思い時期をずらすことにした。入学して早々監視カメラがない場所で暴れると思えないからいいか。
翌日は娯楽部に行き麻雀やトランプなど賭け要素が強いもので勝負し、イカサマなども使われたがそれを見破り逆に利用して荒稼ぎした。この部活は賭けに来たやつからイカサマで毟り取っていたのでかなりポイントを持っていた。なので遠慮せずにポイントを毟り取ると230万ほどになった。昨日のと合わせると330万か、100万ポイントは小型カメラなどで使いきったけどね。高画質で暗くても撮れる小型のカメラなので買えるか不安だったが意外と安く何台も変えて驚いた。まあこれがラノベクオリティってやつかな。
この1ヶ月部活を荒らし周り稼いだポイントは600万を超え、現在持っているポイントは562万だ。そして本日は待ちに待ったポイント支給日クラスポイントは幾つになっているか確認しようじゃないか、98000ポイントが振り込まれている。ということは980クラスポイントか、原作より40ポイントも多いな。やっぱり初日からはっきりと注意しておいたのが良かったみたいだ。教室に行くと戸塚が俺を見て興奮したような様子で話しかけて来た。
「葛城さん、初日から学校の仕組みを見抜いて、クラスに忠告する行為はまさにAクラスのリーダーそのものです。自分は葛城さんがAクラスのリーダーに相応しいと思います」
戸塚によいしょされるのは気分がいいな。俺の派閥は今のところ27人、原作なら中立であろう立ち位置の人が多く入ってくれた。そして神室や橋本もこちらの派閥に所属している。何故坂柳派の人物が入っているのかというと神室は坂柳よりも先に万引きしてるところを捕まえ、その弱みに漬け込んでこちらの派閥に引き込んだ。橋本は坂柳よりも俺の方が使えると判断してこちらの派閥に入ってきたろのだろう。まあ橋本はこれからクラスポイントを集め、Aクラス卒業がほとんど確定になれば何もしなくても俺の派閥に入るだろう。最悪2000万ポイント渡せばいいしな。
とりあえず中間テストだがそれについては問題ない。もうとっくに過去問は手に入れた。そして真嶋先生に中間テストで好成績を残したらプライベートポイントをくれないかと頼んだところ、各教科1位で1万ポイント、2位で5000ポイント、3位で2000ポイント、総合1位で5万ポイント、2位で3万ポイント、3位で1万ポイントになった。ただ問題があり、これは全クラス共通で支払われることになった。原作では綾小路が櫛田に過去問を渡していたが綾小路が過去問を手に入れると満点が何人も出てしまうため、プライベートポイントを稼がれる心配があった。そのため、予め山菜定食を食べている男の先輩、10人ほどに10万プライベートポイントを支払い、偽の過去問にすり替えておくように頼んだ。
そして月日は流れ、中間テスト当日、Aクラスは40人全員が満点、そしてDクラスは池、山内、須藤が赤点となった。しかしクラス全体からポイントをかき集めギリギリ退学を免れたらしい。そして肝心のクラスポイントだが
Aクラス 1080cp
Bクラス 663cp
Cクラス 492cp
Dクラス 52cp