鬼畜提督与作   作:コングK

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艦これ始めて早7年。艦これ・二次創作に励まされる日々でふと思いつき書いてみました。


第一部おやぢ着任編
第一話 「与作提督になる」


                

 

俺様の名前は鬼頭与作。花も恥じらう40過ぎのおっさんだ。その俺様が提督養成学校なるくだらない学校に通うことになったのも、ひとえに艦娘どもと触れ合いたいからに尽きる。

 

199✕年、突如太平洋沖に現れた深海棲艦によって、全世界は恐怖のどん底へと叩き落とされた。最強を誇ったアメリカの太平洋艦隊を敗北せしめ、世界の平和を守るとの宣言の下、一方的に行われた中国による核攻撃すらしのぐ未知なる恐怖。これまで絶対と思われていた価値観が崩れ、人類が絶望の淵にたたされたとき、奴らはやってきた。第二次世界大戦期に活躍した古き戦船(いくさぶね)の名前を冠した艦娘たち。

その圧倒的なまでの強さと美貌に当時、住み込みで警備員のバイトをしていた俺は一も二もなくこう思ったね。

 

「艦娘どもでハーレムを作ってやるぜええ!」

 

美少女ゲーム大好き。某今は無きエ○フさんの鬼畜シリーズを神と仰ぐ俺の考えだ。当然だろ?美人でおまけに強い。今じゃ軍隊だって信用できない世の中だ。提督ってだけでどれだけの得があるか。安全地帯の後方にいて、艦娘どもを指揮してりゃ金はもらえるし、周りは美女ばかり。その上、待遇は保障されているときたもんだ。奴らの弱みを握ってハーレムを築きあげれば、寝ているだけで全てが手に入る。なぜこれまでこの名案に気が付かなかったのか。ぴんと来た瞬間に仕事を辞め、提督適性検査を受けに行っていたね。フットワークが軽いのが俺様の長所なのだ。

 

「はい、それではこれが最後の試験になります。」

 

試験官役の眼鏡女の言葉に俺様はほっと胸をなでおろした。筆記試験と書かれていたが、やらされたのはよくある性格検査だ。この形はどう見えますか、だの何のというやつ。当然、この手の質問が来ると思っていた俺様は無難な回答に終始する。本性がばれて不採用になるのだけは避けたいからな。それよりも驚いたのは、ご同輩の多さだ。どいつもこいつも同じ穴のムジナらしく、

「雷ママンに会うんだ!絶対に!!」とか、「清霜ちゃん、一緒に戦艦になろうねえ・・・」

などと、つぶやいている。あほのロリコンどもめ。艦娘って言ったら戦艦や空母に決まってんだろ。及第点で重巡洋艦だ。

 

「こちらの部屋にお入りください、鬼頭さん。席についていただきましたら、しばらくお待ちください。」

 

眼鏡女に言われ、窓もなく机と椅子だけが置かれた部屋に通される。何だ、こりゃ宇宙飛行士とかもやるっていう隔離された空間での閉鎖実験か?仕方なしに机の上に荷物を置き、椅子に腰かけていると、荷物の上で何かがぴょんぴょんと跳びはねているのが見えた。

 

「何だあ?猫とこれは人形か。」

セーラー服に帽子をかぶった人形がくりくりとした目でこちらをじっと見ている。つい気になってつまみ上げると、猫をつるしたそいつはじたばたと逃れるように身じろぎした。

「こいつ、動くぞ?まさか、生きてんのか?」

俺様が大きな声でそう叫んだときだった。

「鬼頭さん、ご、合格です。しばらくお待ちください。」

部屋全体に眼鏡女の声が響き渡った。若干声が上ずっている感じがするのはなぜだろうな。

「合格って、最終試験はどうなったんです?」

「先ほどのが最終試験です。提督にとって一番大切な妖精さんが見えるかどうかというものでして。見える妖精さんはその人によって違うのですが、ま、まさか妖精女王が見える方がいらっしゃるなんて・・。」

「妖精女王?」

「はい、妖精さんにはそれぞれ種類がありまして、艦娘の艤装に宿る艤装妖精さん、工廠や提督の執務室で提督の補佐をする妖精さん、羅針盤を司る羅針盤妖精さんといるのですが、妖精女王はそのどれにも当てはまりません。通称猫吊るしと呼ばれ、妖精の全てを司ると言われています。」

 

女王のくせに、名前が猫吊るし。ずいぶんだな。もっと他に名前があっても良いもんだが。

『その通り!わかってますね、提督!』

俺様の肩に勝手に乗ってきた猫吊るしはうんうんと頷いた。というか、今お前しゃべってたよな。前の眼鏡女は気付いてないみたいだが。吊るしている猫を触ろうとするとひらりとよける。随分と器用な猫だ。

『もっといい呼び名を要求します!かっちょいい名前、プリーズ!』

聞き間違いじゃなかったか。どんな名前がつけられるかそわそわしてやがる。仕方ない、俺様のネーミングセンスを見せつけてやろう。

 

「もんぷち」

『・・・・・』

 

おいおい。無言で人の肩をげしげし蹴るのは止めろ。

『最悪です。ふざけてます。リコールを要求します』『にゃあ』

その後、提督養成学校への入学手続きを聞き終わるまで、もんぷちの攻撃は止むことがなかった。

 

 




登場人物紹介

鬼頭与作・・・本編の主人公。凌辱物・ハーレム物のエロをこよなく愛すおっさん。
       巨乳・人妻属性。艦娘が見目麗しい女性ばかりと聞きほいほい提督に
       なろうとする。

もんぷち・・・例のあれ。

眼鏡女・・・・某任務娘。性的魅力を感じなかったため、与作の毒牙からまぬがれた。

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