鬼畜提督与作   作:コングK

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資材回復中。バケツの減りが酷すぎる。E7-2の地獄に耐えられるかどうか。




第六話 「雪風建造す」

せっかくの見せ場をとられ、イライラした俺様だったが、元々気持ちの切り替えには定評がある。落ち着いて冷静に考えた結果、自慢のスーパーコンピューターが最適解をはじきだした。それは、

「雪風、お前が建造すればよくね?」

 

そうだ。幸運艦と自慢するのならばその自慢の幸運を見せてもらおう。以前俺様が課金しまくっていた某スマホゲーのガチャでも「狙っていると出ない」とまことしやかに言われていたし、煩悩が強すぎると引き運がなくなると、わざわざオナニーをしまくって賢者タイムに引いたこともある。それでも出ない時には時雨に事情を話し、ガチャを回させると大抵出たが、あいつときたら

「僕の手を借りたいというから来たのに、水着の女の絵が欲しいから力を貸せなんて酷いじゃないか。」と怒ってたっけな。

 

「とにかくだ。これより幸運艦雪風による俺様好みの艦娘建造プロジェクト、名付けてOGKKPを開始する。各員の一層の奮闘努力を期待する!」

 

「了解しました!雪風にお任せください!!」

 びっと敬礼を決める雪風。あんがいノリがいいじゃねえか。ちんまい駆逐艦で好みじゃないが、そうした態度は嫌いじゃないぜ。

 

「もんぷち、現在の残り資材はどれだけある?」

『鋼材が少ないねー。550/1020/50/270だよ、』

ぐぬぬぬぬ。鋼材が少ないもんだから、重巡・戦艦レシピができないじゃねえか。だが、俺様はあきらめねえ。こちらには幸運艦雪風がついているんだからなあ。香取教官からの資材を待ってもいいが、こういうのは勢いが大事だ。妙な幸運から資材を得た今こそ流れに乗るときだ!

 

「よし、雪風。資材の投入量はお前が決めていいぞ!任せる!」

「了解しました。ええっと、それじゃあですね。燃料は82、弾薬が124、鋼材が324、は足りないから32、ボーキサイトが120っと。」

何だ、その数字。適当なような適当でないような。

「はいっ。これは雪風の起工日、命名日、進水日、竣工日から思いつきました!本当は鋼材は324にしたかったんですが、しれえの無駄遣いのせいで資材がないので仕方がありません。」

 

無駄遣いというな、無駄遣いと!そのおかげでお前が建造されたんだろうがよ。それにしても何にも考えてなさそうな割には自分に関係ある数字を選ぶなんてな。かわいいところがあるもんだ。

 

「ふっふっふ。雪風の魅力にしれえもめろめろですねって、痛い痛い!」

「無駄口を叩いている暇があったら、早く建造の用意をしろ。あともんぷち、今回の建造はお前にも手伝ってもらうぞ!」

『ええーっ。何で私が。工廠の仕事は工廠妖精がやるもんですよ!』

 

うろたえるもんぷち。ははあ、こいつ。でかい口を叩いておいて自信がないと見える。やりたく

ないものからは目をそらす、典型的な現代っ子でやがるな。だが、甘い。養成学校時代に口先だ

けは魔術師、と言われた俺様にとってこいつをやる気にさせるなんてへそで茶を沸かすよりも簡単よ。

 

 

「あっれれー。できないんだ。妖精女王なんて大層なネーミングがつけられているのに。女王って言ったら何でもできるのが女王なんじゃないのかねえ。」

『いや、あのですね。私は元々羅針盤妖精上がりでして。建造なんてもう全然やってなくて・・』

「言い訳は見苦しいぜ。できないならできないで良いのさ。俺様は寛大だ。そんなことでお前を見捨てたりはしねえ。」

 

ぽんとしょげるもんぷちの肩に指を置く俺様。

『て、提督!!』

感激のあまり、猫を落としそうになる通称猫吊るしににやりと笑って告げてやる。

 

「ただ、明日からお前の呼び名はしばらく役たたず、だがな。」

『ええっ!?』

当たり前だろう、名前だけの女王には世間は厳しいもんだぜ?それが嫌なら分かってるな。

 

『ちょっ、ちょっと!分かった、分かりましたよ!やればいいんでしょ。やれば!知りませんよ。どうなっても!あなたたち、私にも手伝わせなさい!』

ふわふわと建造ドックへと飛んでいくもんぷち。

『えーーっ。女王大丈夫ですかーっ。建造できます?』

 などと周りにいる工廠妖精に憐みの目を向けられている。まあ、奴も妖精女王などとほざいているのだ。なんとかなるだろう。

 

「よし、準備は整った。行くぞ、雪風!!」

「はい、準備万端です!!」

すうーーはあーーーっ。深呼吸を繰り返す。ただ、建造スイッチを押すだけだが、ことはそう単純ではない。我々の未来がかかっている。

「よし、それでは3、2、1、建造!!」

「建造!!」

 

ぽちっと、建造ボタンが押され、俺様は食い入る用に建造ドックのタイマーを見る。

そこに出ていた時間は・・・。

「00:32:00だと?」

「32分てことですよ、司令!」

「わかっとるわ!!問題なのはそんなことじゃねえ。」

懐から取り出した提督養成学校時代にメモった艦娘建造時間表を確認する。

「32分なんて艦娘いねえぞ。バグってんのか?俺様のメモだと、30分が島風ってなってるが。」

島風ねえ。ロリコン提督織田に言わせると、性能がピーキーできわどい服装の股間に来る艦娘NO1とのことだったが。

 

「まあた、駆逐艦かよおお。」

 

ロリコンの股間に来ても、俺様の息子には1mmたりともヒットしない。せめて、何かの間違いで色っぽい艦娘が来てくれないかな。頼むぜ、もんぷち様、雪風様よ!とりあえず、30分あまり、待つ間、トランプでもしているか。雪風、トランプでもするぞ。何、やり方がわからない?それじゃあ、神経衰弱でもやるか。俺様の記憶力、見せつけてやるぜ!

 

「あ、しれえ。来ました!」

「ぐああああーー。またか!」

 

響き渡る俺様の絶叫。過去の自分をぶんなぐってやりたい。神経衰弱をすること8回。一度も俺は勝てていない。どころか、雪風のターンになったら運のつきだ。あれよあれよといううちにカードがまたたくまにとられていく。神経衰弱の面白いところって、相手がとれると思って自信満々で引いたら間違えて、それを自分がぷーっくすくすやーい、ととるところじゃね?それがないの。

いくらこちらが先行だろうが、引き間違えたら負けるって何の無理ゲーだよ。

 

「ちくしょう、もう一回だ!」

「でもしれえ、そろそろ時間ですよ!タイマーが止まりそうです!」

仕方がない。今日のところはここまでにしておいてやる。勝ち負けよりも大切なことが人生にはあるからなあ。

 

ちーーーん。ぷしゅーーーーつ。

 

二日間で二度目の建造。島風の可能性が高いが、そもそもメモに載ってない建造時間だ。ばぐって、重巡なんかが来る可能性もある。スマホゲーでよくあるすり抜けって奴だ。たまには運営に都合のいいすり抜けばっかじゃなくて、こちらにとって都合のいいすり抜けをしてくれえ!色っぽいお姉さん、色っぽいお姉さんだぞ!

「よし、よく来てくれた!カモン!!!」

出てきたのは島風・・・じゃない?プラチナブロンドの髪。海外の艦娘か?

Buongiorno(ボンジョルノ)!あたしがマエストラーレ級駆逐艦、次女のグレカーレ!テートク、あたしも可愛がってよね? あ、かーわいっ♪」

 

つん、と呆然とする俺様の頬をつつく色物駆逐艦。建造ハッチから出てきたもんぷちはすすだらけの顔になりながら、満足げな笑みを見せた。

 

『けほっけほっ。どうですかあ、提督。ご指名の色っぽい駆逐艦ですよって、痛い痛い!』

「チェンジ!」

『えーーっ。』

 

お前、俺のリクエスト聞いてたか?色っぽい艦娘って言ったよな?どう見ても児ポ案件だぞ、こいつ。

「ちょっと、ちょっと、テートク!あたしが出てくるなんて普通あり得ないんだからね。もう少しありがたがってよぉ!!!」

「やかましい!俺様の純情を返せ!チェンジだ、チェンジ!」

「しれえ、一度建造した艦娘は元に戻せませんよっ!」

「知っとるわ。知っとるがなあ・・・。そうだ、もんぷち。あの猫をぐるぐるするのでどうにかならんか。リクエストは色っぽいお姉さん、だぞ。」

『グレカーレさんは次女だから、お姉さんですよ!』

 

そういうことじゃない。そういうことじゃないんだよ。もっと、さあ、こうあふれ出る色気っていうやつがさあ。例えるならば峰不二子だよ。あは~ん、うふ~んな艦娘が欲しいんだよ。身振り手振りを交えて説明する俺の隣で不満そうに唇を尖らせるグレカーレ。

 

「失礼ねー。あたしにだって、色気はあるわよ!テートク、ほら、ひーらひら。」

どうだと言わんばかりにスカートをつまんでちらちらと挑発するお子様駆逐艦。よしわかった。色気についてお前とは一度じっくり話し合わないといかんようだな。

 

「あ、そういうのは間に合ってる。」

俺様は紳士だ、めったなことでは怒らない。だが、こうしたロリコンほいほいな態度をとる奴には別だ。

 

「おい、グレカーレ」

「なあに、テートク。どきどきしてきた?」

べちんと、必殺のデコピンを繰り出す。

「痛ったーい!何すんのよー!」

「世の中にはロリコンが多い。そうした態度は連中を増長させる。無駄な背伸びはするな。」

 

俺の脳裏に佐渡ヶ島に着任した同期のロリコンがサムズアップする姿が浮かぶ。

「心配しなくても、あたしがこういう態度をとるのはテートクだけよ!どお、安心した?」

「心配なんぞしてないし、俺様にもそういう態度はいらん!!」

「またまたあ、我慢しちゃって!」

完全に勘違いしているグレカーレはこのこのと人の脇腹を小突いてくる。ダメだ、こいつ。野放しにしておくとあの憲兵の爺に何を言われるかわからん。早急に策を講じなければ・・・。

 




登場人物紹介

与作・・・・微妙に外す建造ドックのことをすりぬけくんと呼ぼうかと真剣に考えてい
る。

もんぷち・・無事呼び名は役立たずからダメ女王になった。

雪風・・・・神経衰弱にはまり、相手を探すも、与作もグレカーレもコテンパンにされ
たため、相手にしてもらえずしょんぼり。

グレカーレ・色気について学ぶため、「ルパン三世」シリーズのDVDを見てハマり、峰
不二子の真似をして「てえーとくぅ♡」と与作を呼んだところ、拳骨をもらう。
※グレカーレの建造時間は適当です。
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