ポケットモンスターXY~あなたへ贈る百日草~   作:黒助2号

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第32話 王の帰還

 

1

 

物心つかない頃からポケモンと共に生きてきた。

 

人里に降りると迫害を受ける毎日。

遠巻きに投げられる侮蔑の言葉。

そんなものは日常茶飯事で、酷いときは石を投げられ、暴行を受けた。

 

父と名乗る男ゲーチスに連れられて、『ハルモニア家』の一員として迎え入れられた後も、変わらず隔離され、人間から傷つけられたポケモンとばかり触れあってきた。

 

ポケモンバトルに負け続ければ必要とされなくなり。

望まれて捕獲したというのに、思い通りにならなくなれば掌を返し。

自分の眼鏡に敵う才能を持っていなければ生まれたてであっても容赦なく捨てて。

 

殴られた。

骨が折れた。

気温ですら凶器だった。

 

逃げたとしても、『ポケモンは所有物だ』というこの世界のルールが彼らを縛りつける。

そんな思念の叫びを聞き続ける日々の中で、いつしかニンゲンに対して軽蔑以外の感情が持てなくなっていた。

 

醜悪で、浅ましく、恐ろしく傲慢。

それがニンゲンの本質。

奴らからポケモンを救う為には、ポケモンを縛る鎖であるトレーナーから『ポケモンを解放』するしかない。

 

ゲーチスは言った。

 

『ポケモンはニンゲンと共にいる限り、ポケモンは不幸になる』

『ニンゲンはポケモンと一緒にいるべきではない』

『この世界は歪んでいる。英雄の資格を持つ者が、この歪な世界をあるべき姿に変革しなくてはならない』

 

ならばボクが英雄になる。

すべてのポケモンを苦しみから解放するためにチャンピオンをも越える。

そうすればポケモンが傷つくことはない。

そうすればボクのトモダチは幸せになれる。

 

自分がやるしかない。

ポケモンの叫びが聞こえる自分が。

 

ゲーチスに請われ、志を同じくする者を集めた組織。

それがポケモン解放組織『プラズマ団』の始まりだった。

 

2

 

己の境遇を告白する声に、表情に悲嘆や憤りは見られない。

第三者が観察した事実を報告するようにひたすら淡々としていた。

 

確かに洗脳のような刷り込み教育を受ければ、己の価値観が絶対と思うのも無理からぬことだろう。Nはグレーゾーンを許容しない。出会って一日もたっていないが、彼の言動には物事を白か、黒かに分けたがる傾向がみられる。

 

潔癖――――純粋ともいえる。純粋な人間は危うい。とある人物を評する言葉に『白い糸は染められるままに何色にも変ずる』というものがある。

周囲の環境次第で善にも悪にもなりうる、というこの言葉はNにも十分に当てはまることではないだろうか。

だが、

 

「お前はポケモンの声が聞こえると言ったな」

 

尖った声でアトリが言う。

今となっては疑う気はない。身を以てそれを経験してしまったのだから。

だが、だからこそ解せない。

 

「トレーナーから引き離されるポケモンはなんて言っていた?」

「色々だったよ。『一緒にいたい』っていったトモダチもいた。『助けてくれてありがとう』って言ったトモダチもいた……」

「おかしいと思わなかったのか?」

 

誰かにとっての『善』は誰かにとっての『悪』になるように、世の中白と黒で分けられる程単純なモノなら誰も苦労はしない。

誰もが何かに縛られ、また何かで縛っている。そしてその枠の中で生きるということが社会で生きる、ということだ。

個人が我欲のままに振舞えば当然他者の権利が無視される。

だからこそ、自身や周囲の安全を確保する為に『破ればペナルティを受ける』という事実が浸透させ、自らを律するという概念が生まれた。

誰も一人になることは出来ない。世の中には自分の都合だけで済むことなど何一つとしてないのだ。

 

例え刷り込みがあったとしても、自分で自分の行動がおかしいと気付くチャンスはあったはずだ。

その行動に信念があったとしても、奪われた側の人間には『奪われた事実』しか残らない。慮っている相手の言葉すらも届かないのならば、その行為はただの独善に成り下がる。

 

閉ざされた環境の中にいたNに対して酷なことを言っている自覚はある。

 

だが、『仕方ない』で済ませたくない。

 

アトリは失踪した父が残した借金を返す為に罪を犯したことは一度もない。

父のようなロクデナシにならない為のプライドがあった。

犯罪は割に合わないという打算もあった。

だが、それ以上に家族を守るという意思が、その決意をより強固なものにしていた。

家族を守る為に、別の誰かを傷つける。そんな真似は死んでもしてたまるか。

 

「置かれた環境を理由にやらかしたことを正当化されるなんてクソみたいな理屈がまかり通ってたまるかよ……ッ!」

 

Nを一人の人間として認めているからこそ、『仕方ない』で済ますことは出来なかった。

 

「アトリ」

 

噛みつくアトリをプラターヌが諌めた。

 

「最後まで話を聞こう。頭に血が上りやすいのは君の悪い癖だ」

 

Nは静かにかぶりを振った。

 

「いや。アトリ、キミの言うとおりだよ。ボクのしたことは許されることじゃない」

 

人によって傷つけられたポケモン。

人と生きることで幸せになったポケモン。

どちらも真実であることを認められず『ポケモンの解放』するべきだという思想を押し通そうとした。僅かに芽生えた疑問に固く、固く蓋をして、ニンゲンとポケモンを切り離そうとした。

 

「ポケモンに信じられている彼女に出会うまで、それが正しいことと信じて、迷いはなかった」

 

世界をあるべき姿へ変革する数式の中に飛び込んできた不確定要素。

本来、異物でしかないそれにどうしようもなく魅かれた。

彼女と一緒にいると、ポケモン達は本当に幸せそうに笑う。それはNが夢見ながらも、あり得る筈がない、と諦めた光景だった。そんな風でいられれば、どれ程良かっただろう。

彼女のことを知れば知るほど蓋をした疑念が日に日に膨れ上がっていく。

ヒトとポケモン、そして外の世界を知るたびに、自分の目指している理想は間違っているのではないか。

試さずにはいられない程に。そして――

 

「ボクはボクの理想が間違っていないと証明するために、理想を司るゼクロムとトモダチになったボクは、真実を司るレシラムを伴う彼女に挑み、敗れた……。………………そこから先はキミが知っての通りだよ。ポケモン解放は世界を支配しようと目論んだゲーチスが用意したただの方便。つまるところボクの願いはただの独り善がりでしかなかった」

 

想いは歪んだ野望に利用され、歪にねじ曲げられてしまった。

こんなのは違う。こんなことは望んでいない。

 

「『ヒトはポケモンを傷つける』。

ボクにとってそれが世界のすべてだった。…………本当はわかっていた……。

この世界にはポケモンを傷つけるニンゲンばかりではなく、ポケモンを愛し、ポケモンに愛されるヒトもいるってことを。

けど、認めるわけにはいかなかった。今まで接してきたトモダチの苦しみを無かった事になんてできない。

傷つけたかったわけじゃない。ただ、苦しんでいるポケモンを救いたかっただけだ。だのに――ッ! 」

 

全てを語り終えたNは夜空を仰いだ。研究所から差し込む僅かな光で涙が反射している。

何か言おうとしても、言葉が見つからない。

静寂の帳が落ちる。聞いていた誰もNの辿ってきた数奇な人生にアトリも、プラターヌも、フラダリも絶句していた。それと同時にパズルのピースが足りないような奇妙な違和感を覚える。だとしたらNは何故オレにこんなことを話している?

 

「アトリ、キミに聞きたいことがある」

「……なんだよ?」

「キミは誰もが強くなれるわけではない、という悲しい真実を知っている。だのに何故、心折らずに理想を追うことが出来る? キミのその強さは何処から来ているんだい?」

 

その問いでパズルのピースが全て嵌ったような気がした。

そうか。こいつは挫折を知らないから立ち直り方が分からないんだ。

だから、どうしたらいいかわからず、次の一歩を踏み出せずにいる。

 

「理想と真実ってモンは本当に相容れないモンなのか? 真実を知った上で理想を追い求める道だってあるんじゃねえのかよ。

確かに、オレは自分が天才なんかじゃねえことを知って、一回ドロップアウトした人間だよ。本当の天才ってモンはオレみないなモンじゃない。けど、それでもオレは自分の小ささを知ったからこそ、次に何をしたらいいかを考えることができた」

 

足りない物を嘆いるだけではどうにもならない。

才能がないなら、ないなりに戦い方がある。道具で、読みで、模倣で――いくらでも補う方法は存在する。

 

「ハラは決まっている。だったら後は走るだけさ。幸い、こんなオレを信じてついてきてくれる奴等がいることだしな」

 

タイムリミットが尽きるまでに一歩でも前に進まなければ絶対に一生後悔する。

何より半端なことをしていては、手持ちポケモン達にも、応援してくれている母にも、自分を立ち直らせてくれた彼女にもあわせる顔がない。

 

「叶う保証はないのに?」

「分かってねえな、N。オレは――――『叶うから頑張る』じゃなくて、『叶えたいから頑張る』んだ」

 

怖いよな、N。

今までやってきたことだけじゃダメだって嫌ってほど見せつけられて全部ぶっ壊してから組み直してやり直すのは……。

でも、きっと大丈夫だ。

 

「オレはタイムリミットまで全力で足掻く。お前はどうする? 結局何がしたいんだ」

「…………ボクにはボクの理想がわからない。プラズマ団の、いや――ゲーチスの野望の為の道具でしかなかったボクに一体何が出来るんだろうね……」

「自分のやりたいことやればいいんじゃね?」

「でもボクに英雄の資格は……」

「英雄じゃなけりゃお前の理想は実現できないのか? お前が理想を掲げたのは自分自身の意思でそうしたいと思ったからじゃないのか?

オレはプラズマ団とか、ゲーチスとか、理想を司る英雄とか、そんな柵を全部取っ払った『N』っていう1人の人間に『どうしたいか』を聞いているんだよ」

 

目を閉じて自分の心に問いかける。

難しく考えず、ただ『自分が何をしたかったのか』を。

あれだけ複雑に絡まっていた数式の解は、驚くほど簡単に導き出せた。

 

人に関わるポケモン達が皆幸せになるわけではない。

だが、かつて自分が掲げた理想は救いたいと願ったポケモンを傷つけることもあり得ることを知った。彼女がそれを教えてくれた。

だが、それでも――償いたいと思う。

そして、

 

「ボクは、……ボクは本当にポケモン達を幸せにするための数式を見つけたい」

 

例え与えられた理想だったとしてもポケモンを救いたい想った自分の気持ちに一点の曇りはなかったのだから。

 

「だったら、その夢を追いかければいいじゃねえか」

 

今わかった。

ポケモンを酷使して、傷つける。

そんな『ポケモントレーナー象』こそが自分の憎しみの根元だったのだ。

それは結局、一つの視点から与えられた一面でしかない。

『理解できない』と斬り捨てていたアトリが、自分を理解しようとし、背中を押してくれる。

世界は白と黒だけではない。驚くほど無軌道な個の集まりだ。

それぞれの価値観に従ってバラバラに動く。だから失敗もする。

だが、個とは可能性だ。みんながそれぞれ違う価値観を持つからこそ、個では気づかない可能性を導き出せる。

 

『Nよ… お互い理解しあえなくとも否定する理由にはならん!そもそも争った人間の どちらかだけが正しいのではない。それを考えてくれ』

 

脳裏に蘇るアデクの言葉。

異なる考えを否定するのではなく 異なる考えを受け入れることで 世界は化学反応をおこす。

大事なのは理解できるか、どうかではない。理解しようとする努力をするか、どうかだ。

 

トウコ……。

キミの愛した数式がほんの少し、ボクにも理解できたような気がするよ……。

 

「ボクに……間違えてしまったボクに、出来るのかな?」

「間違えない人間なんざ見たことねーよ。オレだって間違いだらけだ。

うだうだ考えていても仕方ないだろ。やれることがあるなら、まず動け。間違えたら軌道修正しながら動け。煮詰まったとき考えるよりも動いた方が手っ取り早い」

「なんだろう? 問題が一気に軽くなってきた気がする……。仮にもイッシュ全土を巻き込んだ大事件を起こしたプラズマ団の王様に言うべきことなの、それ?」

「うるせえ、オレは頭が悪いんだ。これ以上難しいこと考えさせるんじゃねえ」

「ああ……。ロコンの言っていた通り、キミは本当にバカだ……」

「おうよ。なんたってオレは『バカと呼ばれることに定評のあるバカ』だからなッ!」

 

アトリとN。示し合わせた様に二人同時に噴き出した。

 

「オレからもお前に聞きたいことがある」

「…………、なにかな?」

 

「オレの頭の中に直接響いてくるこの声。これがお前の言うポケモンの声って奴なのか?」

「…………、そうだよ。元々そういう素養はあったのだろうね。

シンオウ地方には人間とポケモンが添い遂げたという伝説が多い。

その子々孫々がアトリで、ポケモンとの会話が出来る能力が隔世遺伝としてアトリに伝わったとしても、なんら不思議じゃない」

 

「ちょっと待って。さっきは聞き流していたけど、ポケモンの声が聞こえるっていうのは本当なのかい!?」

「うん。アトリとボク、お互いが聞いた声が全く同じということは間違いなく、アトリはポケモンの声が聞こえるヒトなんだろうね」

「凄いじゃないか、羨ましい!」

 

感嘆の声をあげるプラターヌに対しアトリは渋い顔をした。プラターヌに悪気はないのだろう。

 

「気軽に言わないでくださいよ。

便利なのは否定しませんが、声が聞こえてくる度に結構頭が痛くなるんですよ。

声のデカさによっちゃあ、それこそ吐きそうなくらい」

 

確かにポケモンの研究を生業にする人からすれば夢の様な能力だ。アトリとしてもポケモンと話が出来たらどれだけ素晴らしいだろうか、と夢想したことがあることは否定しない。

便利以上にデメリットが大きい。しかも、自分自身でコントロールできないとなるとあまり実用性が高いとも思えない。

 

「N、これ音量調節とか出来ねーのか?」

「うーん……。ボクにとっては聴こえることが当たり前だからね。そういうのはわからないよ」

「さいでっか……」

 

感覚的なものを理屈で説明するのは難しいということだろう。

どうやらこの偏頭痛とは長いお付き合いになりそうだ。

アトリはあからさまに肩を落とした。

 

「私には才能はないだろうか?」

「うん、ない。キミは何か違う。同類な感じがしない」

「そんなぁ……」

 

Nの一刀両断にショックのあまり打ちひしがれるプラターヌをフラダリが慰めるように肩を置いた。

 

「それで、これからどうするつもりだ?」

「……イッシュ地方に戻るよ。やらなければならないことがあるからね」

「プラズマ団、か?」

「うん。プラズマ団はボクの理想の残滓だ。始めたからには終わらせないと、ボクは次に進めない。…………ポケモンとも、向き合えない」

「ならばホドモエシティに行くといい」

 

今まで沈黙していたフラダリがホロキャスターを差し出した。

画面に載っていたのはコラムだ。

イッシュ地方のニュースで、その中でプラズマ団と思わしき集団がかつての行いを悔い改め、贖罪の為にトレーナーとはぐれたポケモンの保護活動を行っている旨が書かれている。

 

「これは……!」

 

Nは思わず息を呑んだ。

 

「今プラズマ団は2つに割れている。一方は掲げていた『ポケモン解放』のスローガンを建前と切り捨てて組織ぐるみの悪事を行う者たち。そして、もう一方が――君の理想を信じ、本当にポケモンの為に出来ることを模索し始めた者たち」

「プラズマ団は逮捕されたはずなんじゃ……?」

「それについてはホドモエのジムリーダーからの働きかけがあったそうだ。彼らを自らの保護観察下に置いたうえで、自分達が償いを考えさせ、実行させる更生プログラムの一環として奉仕作業を行ってもらっている。

自首してきたことも『更生の余地あり』と判断される後押しになったそうだ。

…………彼らは今もプラズマ団の王――つまり、君の帰還を待ち望んている」

「ボクの……、帰りを? ――そう、だったのか……。参ったな。本当にボクは何も分かっていなかったんだね……」

「分かっていないなら知っていけばいい、と私は思う。」

 

Nがゼクロムを繰り出し、その背に跨る。別れの時は近づいていた。

 

「…………アトリ、アリガトウ。キミにはとても大切なことを教わった気がするよ」

「…………教えた覚えはねーよ。オレに会わなくてもお前は自分が納得する答えを弾き出しただろーさ。それに――」

「それに?」

「いや、なんでもねえ。気にするな」

 

言いかけてやめた。

こんな恥ずかしいこととてもじゃないが、素面で言える自信がない。

 

 

漆黒のドラゴンは飛び立ち、尻尾の電光は流星のように流れたと思えば瞬く間に夜の闇に消えていった。遠い竜の嘶きだけがいつまでも空に残響している。

一抹の寂しさを覚えながら、ぽつりと呟いた。

 

「あれでよかったんですかね……?」

 

随分と偉そうな説教を垂れてしまった気がする。バイトとはいえ、仮にも教師をしている者の言うべき言葉ではないが、誰かを導くなんて本当に柄じゃない。

惑うアトリを諭すようにフラダリは肩に手を置いた。

 

「血ヘドを吐きながらでも前に進もうとする意思のある者は、遠回りしたとしても自分だけの答えを見つけられる。私はそう信じている」

「そんなものですかね?」

「あまりこうあるべきだ、と固く考えることはない。正しいことが必ずしも正解とは限らない。何事にも揺るがない強固な信念とは、裏を返せば『何があっても変わるまい』という停滞でもある。

ならば、揺らいでも、変わっていくことも決して悪いことではない。……そうだろう?」

 

静かに頷いた。

目を閉じて出会って一日にも満たない自分と遠いようで近い友人に思いを馳せた。

 

 

 

こんな恥ずかしいこととてもじゃないが、素面で言える自信がない。

ポケモンが差し出す献身と信頼を『当然のもの』と受け取ってはならない、ということを。

勝負に徹するならば、ポケモンを捨て駒としなければならない場面もあるだろう。だからかこそ中途半端はなしだ。

 

それがポケモントレーナーとしてのアトリの覚悟だ。

それぐらいの覚悟をもたず、どうしてあの高みに望むことができようか。

 

だが同時に『差し出される信頼と献身に持てる全てを懸けて応える』というポケモントレーナーとして忘れてはいけない心構えがあることを、改めて自覚した。

いや、させられた。

一方的に求めるだけの関係では、いつか必ず破綻する。

 

ポケモントレーナーを続けていくならば、傲慢に陥らないよう、自らをより一層強く戒めなければならない。

 

Nの言葉がなければ、一生気づけなかったかもしれない。

 

だから、

 

「ありがとう。お前と会えて良かった」

 

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