もし鬼塚英吉がアイドル研究部の顧問だったら   作:特級厨師

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第11話 GTOです

園田海未です

今、私達は道場にいます

お父様の私達に対する暴言に対して反論してくださった鬼塚先生と

お父様との決闘を見守るためにここにいます

 

…我ながらムシのいい話です

日頃、先生に小言ばかり言って非難しているにも関わらず、

こんな時だけ頼りにしているのですから…

 

英吉「さっきも言ったろ?

   身勝手でも構わねぇ!」

   だから気にすんな」

 

私の顔を見た先生が声をかけてくれます

私はそんなに顔に考えが出るのでしょうか?

何にせよこれから大変な事を請け負っていただくというのに更に気を遣わせてしまい、

やはり申し訳ないです

 

それに…この道場は私達、園田家が剣道、薙刀の稽古に用いている道場なので、

畳敷きではなく板張りです

 

海未「先生、ここは畳ではなく板張りです

   ですから…」

 

英吉「アスファルトや散らかった廃工場とかよりはマシだな

   投げられても余計なもんが刺さんなくて助かるぜw」

   

…どうやら釈迦に説法だったようです

幼い頃から護身術を修めてはいてもケンカなどした事がない私とは違い、

実戦を恐らく何度も経験しているであろう先生にとっては、

これでも安全なくらいという事なんでしょうか?

 

そんな事を考えているうちにお父様が柔道着を纏って登場しました

 

お父様は柔道の有段者で警視庁の教練では師範代を勤める程の手練れ…!

身長は180半ば、体重は100を超える巨漢です

たとえ先生でも正直、この体格差は…

 

園田婆「盛男さん、先生、アタシが立会人をさせてもらうよ

 

    お互い流儀は違うようだけどとりあえず…

    眼突き、金的、噛みつきが禁じ手、

    降参、または戦闘不能で決着…

    

    後、念のために言っておくが武器の使用も禁止じゃ!

    

    …それでいいね?」

 

お婆様が二人の決闘の注意事項を説明しました

 

盛男「…承知しました」

英吉「オッケーだ!」

 

…しばしの静寂…

 

園田婆「始め!」

 

盛男「…」

英吉「…」

 

お父様は柔道家らしい構えで待ち構え、

先生は悠然とお父様に向かって歩を進めます…

 

意外です

先生の性格上、開始と同時に襲い掛かるとおm…

 

ブンッ!

フォシッ!

 

英吉「!?」

 

唐突に拳を突き出した先生の顎が跳ね上がりました!

攻撃したのは先生なのにどうして!?

 

英吉「その格好でパンチが来るとはな!」

盛男「一応、ボクシングもやっていてね…」

 

…私にはまったく見えませんでした!

 

どうやらお父様が先生の攻撃をカウンターに捕らえたようです

 

その後、先生はガードを上げてローキックでお父様の足を攻撃し続けます

体格に勝る相手に対する定石…

お父様の表情が苦痛に歪みます!

 

でも…

 

盛男「言い忘れていたが…レスリングの経験もある」

英吉「言うつもりなんてなかっただろ!」

 

そう言った頃にはお父様は先生の蹴り脚をタックルで捕らえていました

効果的だったとはいえ、出し過ぎたためにタイミングを計られました

そして倒さず逆に先生を持ち上げ…

 

バッシィィィーン!!

 

頭よりも高い所から先生を床に叩きつけました!

 

穂乃果「せ、先生ぇーーーーーーー!!」

 

英吉「…大丈夫だ!」

 

辛うじて頭部からの落下は防がれたようですが、

それでもここは板の間、あの叩きつけのダメージは甚大な筈です…

 

盛男「…この程度か?

   昔、神奈川県警が手を焼いているという悪童の二人組の話を聞いた事がある

   鬼爆コンビの片割れ…鬼の鬼塚とは貴様の事だろう?」

   

英吉「…よくご存じでw

   ひょっとして俺のファンすか?」

 

盛男「しかし神奈川中の悪童の目の前で殺し合いをし、

   結果死んだと聞いていたが…

   まさか生きているとは…

   ゴキブリのような男だな!!」

   

!…先生はただ者ではないと思っていましたが、

そこまでの名の知れた強者とは流石に予想外でした…

 

しかし…殺し合い…とは?

真偽はどうあれ、こんな事を聞いたら穂乃果は…

 

穂乃果「先生が…殺し…合い…?」

 

ショックを受けるのは無理もありません…

でも…

 

穂乃果「でも…!

   でも先生は良い人だよ!

   面白くって…ちょっとエッチだけど…

   昔は悪人だったかもしれないけど…

   今は良い人だよ!!

   だって、今もこうやって私達のために闘ってくれてるよ!」

 

…杞憂でしたね

穂乃果、貴女は心根の強い人です

過去や風評に惑わされずに人を見ることができる人です

でも、それは私だって…!

 

そんな私達のやり取りをよそに再び、二人は闘い始めていました

一見、常に先生の方が攻勢ですが、有効打はほとんどありません…

 

逆に守勢の筈のお父様は先生の攻勢の間隙を縫って、

ボディブローやコンパクトな投げ技でじわじわとダメージを蓄積させていきます

 

それにしてもどうしてお父様は寝技に持ち込まないのでしょうか?

正直、それで勝負は決します

 

直後、お父様の口からこの疑問の回答がなされました…

 

盛男「下郎…楽に死ねると思うなよ」

 

英吉「あぁ…殺されるつもりなんて…ねぇよw」

 

…むごい!

ただ勝つだけでなく、なぶり殺しにする気ですか?

 

穂乃果「海未ちゃん、ゴメン…

   穂乃果、おじさんが怖いよ…!

   こんな怖い…おじさん見た事ない!

   気づいてる…?

   おじさん、今日ね、私の事、高坂君って呼ぶの

   前みたいに穂乃果ちゃん…って呼んでくれないの…!」

 

…それには私も気づいています

 

それにしてもここまで…

ここまでしなければならないほど、園田流が大事なのですか?

こんな風に人を傷つけてまで守らねばならないほど、園田流は重いものなのですか?

 

ゴッ!!

 

英吉「グガ…ァ…!」

 

園田婆「…!」

 

突如、今までの派手な音とは対照的な鈍い音が響きました…!

先生が呻きながら、頭を抱えて蹲っています!

 

恐らくお父様の投げの受け身を取り損ね、後頭部を強打したのでしょう

正直、もう見ていられません!

 

でも…絶対に目を逸らしてはならないのです!

先生は私達のために闘ってくれているのですから!!

 

穂乃果「海ちゃん、ゴメン…

   私もう…」

 

海未「ダメです!!!!

   その先を言っては…!

   先生との約束を忘れたのですか!!?」

 

穂乃果「!」

 

………………………………………

 

英吉「それよりお前らに頼みがあるんだ…」

 

海未・穂乃果「え!?」

 

英吉「もうこんなの見たくないとか、

   スクールアイドル辞めますとか、

   んな萎えるような事言うのは絶対ナシな…!

   

   …たとえ俺がどんなことになっても…な」

 

穂乃果「え!?」

 

海未「…はい!!

   しかと聞きました!」

 

穂乃果「!?…う、うん!」

 

英吉「ありがとな!

   …それともう一つ!」

 

英吉「もし…もしだぞ?

   俺が無様にぶっ倒れてたらさ…

   何か気合の入る事、言ってくれよ

   そうだなぁ~

   例えば…」

 

………………………………………

 

海未「そして今こそ…もう一つの約束を果たす時ですよ!!」

 

穂乃果「…うん!」

 

海未・穂乃果「先生!!!

       立ってください!

       立って闘ってください!!」

 

盛男「馬鹿な…!

   降伏を勧めるかと思えば、まさかこの状況で闘えなどと…!」

 

穂乃果「先生…!

    ファ、ファイトだよ!!」

海未「先生…勝ってください!!」

 

海未・穂乃果「私たち…スクールアイドル、続けたいんです!!」

海未・穂乃果「歌い続けたいんです!!」

 

その時…

 

私達の叫び…

 

私たちの想いが届いて…

 

先生は立ち上がりました!

 

盛男「信じられん!!

   あの打ち方は死んでもおかしくなかったぞ!?

   それなのn…!」

 

バキ!

ガス!

 

英吉「ぼぉーとしてんじゃねぇぞ、おっさん!

   俺はまだ死んでねーぞ!!」

 

盛男「ぐ、ふぅ…!」

 

驚愕するお父様の隙を突き、先生の左右の正拳突きが共に顔面に命中しました!!

そして鼻と口から血が滴り落ちます

そして一気呵成に攻勢に出る先生!

 

でも…すぐに冷静さを取り戻したお父様は防御に徹し、ダメージの回復を図ります

結局、有効打となったのは起死回生の正拳突きの二打のみ…

 

今度は逆に先生の表情に今までのダメージと打ち疲れの色が見えてきました

このままでは先程の展開を繰り返すだけです…!

 

何か…

何か打開策はないのでしょうか?

 

私達にも何かできないのでしょうか!?

 

 

 

…歌い続けたいんです!!…

 

 

 

ふと、先程の自分達の叫びが頭をよぎりました…

 

…これです!

 

海未「I say... ~♪

   Hey,hey,hey,START:DASH!! ~♪

   Hey,hey,hey,START:DASH!! ~♪」

 

穂乃果「!…そうだよ!

    私達、スクールアイドルだもんね!

    

    I say... ~♪

   Hey,hey,hey,START:DASH!! ~♪

   Hey,hey,hey,START:DASH!! ~♪」

 

私は歌いながら、穂乃果に頷きます

 

英吉「!」

盛男・園田母・婆「!?」

 

私達以外の四人は驚いています

しかし先生だけがいち早く我に返りました

 

…そして!

 

バッシィィィーン!

 

反撃の狼煙の如くお父様の顎を跳ね上げる先生のアッパーカット!!

不意の急所への一撃で流石のお父様もよろめいています!

 

英吉「よそ見してんじゃねーつったろーが!!

   せっかく人気急上昇中のスクールアイドル達が盛り上げてくれてんだ!

   俺らもアゲてこうぜ!!」

 

うぶ毛の小鳥たちも~♪

いつか空に羽ばたく~♪

大きな強い翼で飛ぶ~♪

 

盛男「こんなもの…!

   耳障りなだけだ…!!

   おい、今すぐ止めなさい!!!」

 

嫌です!!!

歌うのを止めず、私と穂乃果は眼でそれを拒絶します!

 

諦めちゃダメなんだ~♪

その日が絶対来る~♪

君も感じてるよね~♪

始まりの鼓動~♪

 

英吉「邪魔はさせねぇ…

   こいつらの歌は誰にも邪魔させねぇ!!

   こいつらの想いは誰にも踏みにじらせねぇ!!!」

 

明日よ変われ!~♪

希望に変われ!~♪

眩しい光に照らされて変われ~♪

START!!~♪

 

それにしても私達が歌い始めたのを機に先生の闘い方に変化が起きました

これまでは先生の風貌とは裏腹なクラシックな空手のそれでしたが、

今は野性的というか…変則というか…

 

簡単に言えば先生の見た目通りのならず者の闘い方です!

 

悲しみに閉ざされて~♪

泣くだけの君じゃない~♪

熱い胸 きっと未来を切り開く筈さ~♪

悲しみに閉ざされて~♪

泣くだけじゃつまらない~♪

 

でも…それが強い…!

さっきまでは悉くお父様の防御に阻まれていた攻撃が、

今度は悉くかいくぐり、そしてそのすべてが急所を穿ちます!!

やはりこれが先生の本来の闘い方なんですね!

 

きっと~♪

きっと~♪

君の~♪

夢の~♪

チカラ~♪

いまを~♪

動かすチカラ~♪

 

そしてとうとうお父様の鳩尾に先生の拳が突き刺さりました!

そのダメージでお父様の腰が落ちます

 

英吉「あんたと奥さんの馴れ初め、奥さん本人から聞いたよ…

   己の道を閉ざしてまで愛する女の思いを成就させてやった…

   男と尊敬する!!

   

   しかしな!

   どうしてその愛する女との間に生まれた娘の…

   思いは汲んでやらねぇんだよ!!」

 

盛男「…!!!!」

 

最後に…先生の喧嘩キック…というのでしょうか?

とにかくそれがお父様の顔面を捕らえ…

 

お父様は倒れました…!!

 

信じてるよ…~♪

だから START!!~♪

 

そして私達の歌も終わります…

…私達は先生の勝利を確信しました

 

でも…

お父様は立ち上がりました…

 

そんな…!

喜びが…落胆…そして絶望に変貌しようとした瞬間…!

 

園田母「盛男さん…!

    もう…もういいんですよ…!」

 

お母様がお父様に訴えました

そしてそれを聞いた途端、お父様の戦意はみるみる薄れていきました…

 

萎える…先生が言っていた事は…これだったんでしょうか?

そんな事を思い耽っていると、お父様が先生に話しかけます

 

盛男「若造…もう一度…名前を教えてくれんか?」

 

英吉「鬼爆コンビ 鬼の鬼塚、改め!

   …

   GTO!

   グレート・ティーチャー・鬼塚!!

   

   …夜露死苦ぅ!」

 

そう言って先生は勝ち名乗りの如く、右手の拳を虚空へ突き上げます!

そしてそれと同時にお父様は再び…地に伏しました…

 

園田婆「…それまで!!

    勝者は鬼塚英吉っ!!!」

 

海未・穂乃果「先生ぇーっ!!!」

 

穂乃果「ありがとう!」

海未「ありがとうございます!!」

 

私と穂乃果は号泣しながら、先生に抱きつきました

我ながら、はしたないですね…

でも…今だけはこうさせてください…

 

英吉「おいおいw

   …しかしまさかあそこで一曲歌ってくれるとは…サンキューな!」

 

海未「お役に…立てましたか?」

 

英吉「当然!

   あれ聞いて元気が出なきゃ確実にアウトだった…

   お前の親父さん、強過ぎだっつーの!

   

   ただ…」

 

海未「…ただ?」

 

英吉「もっとこう…気合が入る曲が良かったな!

   さっきのは喧嘩の最中にはちと甘ったるいw」

 

穂乃果「もう、先生!

    穂乃果達はロッカーでもヘビメタでもないんだから、

    そんな曲ないよぉ~!」

 

確かに…その通りですねw

 

…そんな私達のやり取りの外でお父様たちも何かを話しています

 

………………………………………

 

盛男「すまない…負けてしまったよ…

   明言していなかったとはいえ、この果し合いは海未の進路をかけたものだと思っている

   だから…」

 

園田母「いいんですよ…

   たとえ園田流が私の代で終わる事になっても…」

 

盛男「何故だい?

   君はあんなにも園田流の存続を…!」

 

園田母「…そうでしたね

    ですが私も子を持つ母になり、変わったんですよ

    お母様が私と盛男さんが結ばれるために園田流を畳もうと考えたように…

    一族の誇りより…我が子の幸せの方が大事になったんですよ」

 

盛男「やれやれ…私の…外様の余計なお世話だったというわけか…」

 

園田母「そんな風に思わないでください!

    その外様の貴方が我が事のように…

    いえ、我が事として大事に思っていてくださる事に感謝しているのは…

    今も変わらないのですから…!」

 

園田婆「…その通りじゃ!

    盛男さんが園田流の救世主である事に何の変わりもない!」

 

盛男「…勿体なきお言葉です

   おかげで私は道化にならずに済みました

   しかし…

   

   これで園田流は…終わりなのでしょうか?」

 

海未「待ってください!!!!!」

 

海未以外「!!?」

 

自分でも気が付かないうちに…私はお父様たちの前に立って叫んでいました

 

海未「私は…園田流を継ぎます!!!」

 

海未以外「!!」

 

海未「ですが…

   今は…

   音乃木坂にいる間だけは…!

   スクールアイドルでいさせてください!!

   どうか…暫しの猶予を…!」

 

お父様はいたく驚いた様子です

ですが…

 

盛男「…私にどうこういう資格はない」

 

寂し気に微笑みながら、そう言ってお母様、お婆様の方を見られました

 

園田母「しかと…聞かせていただきました

    認めましょう!」

 

園田婆「…うむ!」

 

盛男「鬼塚先生、聞いての通りです

   本当に今更ですが…それでも言わせてください!

   娘を…どうかよろしくお願いします…!」

 

英吉「…押忍!

   任せてください!」

 

盛男「それと穂乃果ちゃん」

 

穂乃果「は、はい!」

 

盛男「君には散々酷い事を言って本当に申し訳なかった…!

   許してくれなど身勝手な事を言うつもりはない

   でも…願わくば…

   これからも海未と仲良くしてあげてほしい…!」

 

穂乃果「ゆ、許します!

    それに…やっと穂乃果ちゃんって呼んでくれたね♪」

 

そう言って涙ながらも無邪気に喜ぶ穂乃果に…

お父様は無言ですが今までのように優しく微笑みを返します

 

 

 

…こうして私の家出騒動は幕を閉じました

 

ですが先生とお父様、2人の負傷は激しく、

お父様は2週間…先生は1か月の入院を余儀なくされました

 

今回は本当に…私のせいでご迷惑をおかけするばかりか、

大怪我を負わせてしまい、申し訳ないの一言ではとても済ませられなく思います…

 

それでも…

本当にありがとうございました!!

 




真相


今日は私のためにお父様と闘い、負傷された先生のお見舞いに来ました

それと…
やはり…
どうしても聞いておきたい事がある次第です

海未「あ、あの…先生…
   こんな時に聞くような事ではないとは思うのですが…
   どうしても気になる事が…」

英吉「ん?」

海未「その…お父様が言っていた…
   殺し合いと言うのは…どういう事なのでしょうか…?」

英吉「何だその事かよw
  ありゃ、芝居だよ!
  お・し・ば・いww」

海未「え!?
   お芝居…なんですか?」

英吉「まぁ芝居と言っても演劇じゃなくて、
   殺し合いのフリをしたんだよ」

海未「えぇ!?
   それにしても…どうしてそのような事をするに至ったのですか?」

英吉「まぁ…ちと喧嘩で名を売り過ぎちまってな
   俺と鬼爆の片割れ…まぁマブダチの龍二って奴と…
   
   あ、マブダチってのは…」

海未「親友…の事ですよね!?」

英吉「お?
   漫喫に入り浸っていた成果だな
   得意げに答えやがってw」

海未「か、からかわないくださいっ!
   それよりも…」

英吉「あぁ…」

そう言って先生は件の「殺し合い」の顛末を教えてくださいました

先生と龍二さんお二人の武勇は親友同士ながらも神奈川でも一二を争う物となった事…
そんな武勇に惹かれてお二人それぞれを慕う人たちが大勢集った事…
しかしその人たちがお二人の思惑から外れてお互いに反目し始めた事…
そしてお二人の些細なじゃれ合いを切っ掛けに大乱闘を始めた事…
自分たちの一挙手一投足が大事に至る事にお二人は窮屈さを感じた事…
そしてそんな取り巻き達の目を覚まさせるため狂言の殺し合いを演じた事…

英吉「…で、お互い偽物のナイフでそこそこ刺し合った後…
   あ、そのナイフ、刺すと刃が引っ込むと同時に血のりが噴き出す優れものなんだぞ?
   
   …最後はまぁ喧嘩なんて痛てぇばっかで馬鹿らしいって感じの事言って、
   龍二と仲良く海に飛び降り自殺のフリしてトンヅラしたってわけよ
   こんな事やってるとお前らもいずれ死んじまうぞ…ってな!」

海未「は、はぁ…な、何といえばいいんでしょうか…
   あまりにも色々と突拍子がなさ過ぎて…
   
   でも…それが先生なりの責任の取り方だったんですね?」

英吉「ちなみにそういうのを落とし前を付けるって言うんだぞ?
   
   まぁ要するに俺は殺しなんてやってねぇし、
   当然、龍二とは今もよろしくやってるよ!
   
   …マブダチだからなw」

海未「そうですね…それを聞いて安心しました」

英吉「そういえば俺は音ノ木坂に転任の際にこっちに引っ越してきたけど、
   あいつは今も吉祥寺で雇われだけどバイク屋の店長やってるよ
   
   そうだ!
   今度紹介してやるよ!」

海未「え…!?
   そ、それは…」

せ、先生のお友達…!?
きっとその方も冴島さんの様な悪人顔でセクハラ発言を旨とする方なのでは…?
そう考えるとどうしても快くお返事する事ができません…!

海未「と、とにかく…
   早くお元気になってくださいね?
   私達、先生の復帰をお待ちしております!
   では…失礼します!!」

英吉「お、おぅ…!」
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