文化祭当日
「お待たせしました、クッキーと紅茶のセットです。それではごゆっくり」
「お会計は850円になります。」
「いらっしゃいませ。お席へご案内いたします。」
一組の喫茶店はそこそこの盛況を見せていた。
しかも、落ち着いた感じがいいととても好評であった。
「これくらいなら、何かいいな。」
「そうだな。」
「織斑君、月詠君、休憩入っていいよ。」
「分かった!」
「そういえばさあ、月菜と陽菜はどうだ?」
「二人はもう休憩入ってるよ。と言うか今日はもう大丈夫だから。終わりまで見て回ってきていいよ。」
「そうか、ならお言葉に甘えさせてもらうか」
そう言って出て行くと、
「あの!」
「ん?」
声をかけられそちらを向くと
「あれ?あんた確か生徒会の」
「はい、布仏虚です。」
「何か用ですか?」
「あの、これから休憩ですか?」
「ええ、と言うか今日はこれで終わりですね。」
「それでしたらその、」
「?」
「一緒にまわりませんか?」
二人は屋台でクレープを買いベンチに座りながら食べていた。
「美味しいですね。」
「そ、そうですね。」
(会話が続かね~)
(そもそも何で誘ってきたんだ?接点なんもないだろ)
「あの!」
「は、はい!」
「私のこと覚えていますか?」
「え?ええっと」
「昔、駅で男性に絡まれている時に、」
「え?ああ!もしかしてあの時の!」
「思い出してくれましたか?」
「そうですね、でもよく覚えてましたね。」
「忘れませんよ、だって私の初恋なんですから。」
「え?」
「月詠さん、お話があります」
「士郎の奴どこいったのかしら?」
「あ!いましたよ!」
「ちょっとあんたどこに」
「あなたが好きです。」
「え?」
「たとえあなたが、裏社会の何でも屋だったとしても。」
「たとえ、今ある全てを捨てても。」
「あなたと共に居たいです。」
「・・・それは本心ですか?」
「はい。」
「そうですか。」
そう言うと彼は立ち上がり。
「陽菜、月菜」
「ええ」
「はい」
「行くぞ。・・・あなたも、一緒に来てください。」
「はい。」
その場を後にし彼女を連れて、アジトに転移した。
「・・・。」
「驚かないんですね。」
「はい。」
「じゃあ俺の本名を教えます。」
「本名、ですか?」
「やっぱり、そこまで覚悟ないんじゃないの?」
「黙ってろ。」
「う、うん」
「俺の本名はザミーゴ。ザミーゴ・デルマです。」
「そっちが、本名だったんですね。」
「これにはそんなに驚かないんですね?」
「ええ、たとえあなたがどんな人であっても。私はあなたのために生きたい、そう思っていましたからね。」
「でもこれはどうですか。」
そういいながら、彼は人間体から怪人体に変わった。
「前まではこれが本性だったんですが今のところは、あっちの方ですね」
「ああ、ああ」
(この反応だとやっぱりだめk)
“ギュッ”
落ち込んでいると、急に抱きつかれた。
「ちょっとあんた!いきなり何して「ああ、これが」へ?」
「これが、あなたの本当の姿、これを見せてくれたということはもう私を受け入れてくれたということですね。ああ、私はようやくあなたのものになれた。あなたが私のものにならなくてもいい。私を見て欲しい、私を彼女達と同列に、いえそれほどでなくてもいい。あなたが私を受け入れてくれた。ならば私はあなたのためならなんでもできる。どんなものを敵に回してもいい。そう思える程にあなたのことを愛しています。」
(ノ、ノンブレスで言い切りやがった。)
「ひ、ひえー」
「大変なのに目をつけられたわね」
「まさか、これほどなんて。」
「でもこれくらいの覚悟を持っているならいいんじゃないですか?」
「え?」
「だな。」
そう言うと彼は彼女の頭に手を置き。
「この人も一緒でいいか?」
「いいわよ。と言うか、了承しなきゃストーカーになりそう。」
「もちろんです!」
その返事に彼は顔を綻ばせた。
「いいのですか!」
その言葉に彼女は声を荒げた。
「はい!あなたはそこらへんのミーハーとは違って彼の中身を好いている。そんな気がするので。」
「もちろんです!私は彼のためなら今私が持っている暗部の長の側近という地位ですらも喜んで捨てますしその時の情報を全て渡すこともできます!」
「流石です、でも私は、・・」
「なんの!私だって・・・」
「俺は目覚めさせてはいけないものを目覚めさせたかもしれない。」
「大丈夫よ。あなたに危害は加えないわ。・・・たぶん」
「おい!お前今多分って言わなかったか!大丈夫だよな!?おい!」
「あなたとは仲良くなれそう」
「奇遇ですね、私もです。」
「ま、まあ、好意を持っているわけだし悪い気はしないんじゃない?」
「まあ、そうだな。」
ザミーゴは、虚を手に入れた。(ポケモン風)
その頃学園では。
『一夏!』
『織斑君待って~』
「士郎―!あいつどこに行きやがったー!」
「そういえば、月詠君来てないけど、虚もいないし、もしかして、」“クスッ”
色々と大変になっていた。