それが日常   作:はなみつき

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自分の現実逃避メーターが上がれば上がるほど更新頻度もあがります。

##この話は修正されました##


夏風邪と10話

 

 

 

 7月。もう一般的に夏といってもいい季節である。気温は上がり湿度も上がり日本の夏は最悪である。そんな季節にはやては……

 

 風邪をひいた

 

「バカは風邪ひかないって言うけど夏風邪はバカがひくって言うよね? ねえ今どんな気持ち? NDK? NDK?」

「やめんか馬鹿者」

「いてっ!」

 

 シグナムさんに殴られた。あーちょっと洒落になんないくらい痛いわ。

 

「だ、大丈夫なのか? はやて? なあシャマルー!」

「大丈夫よ。風邪になった原因はちょっとわからないけど、調べてみた感じ何か重い病気ってわけでもないし、疲れちゃっただけよ。」

 

 慌てふためいているヴィータをシャマルさんがなだめているようだ。

 

「ごめんな、みんな……ケホッケホッ……ちょっと最近はしゃぎ過ぎてもたんかな。あとハムテルくんは私が治ったら覚えときな?」

 

 あ、やべっ。口元は笑ってるのに目が全然笑ってねー。

 

「はやてちゃんは今日はおとなしくしててね? そうすればすぐ治るようなものだから」

「うん、わかったでシャマル。じゃあちょっと寝とくな?」

「おやすみなさい」

「おやすみはやて。早く元気になれよ?」

 

 二人がそう言っておれ達ははやての部屋から出てリビングに行く。

 

「さて、はやてが風邪でグロッキーだから今日の家事はおれたちでやらなきゃいけないわけだな」

 

 その時、ヴォルケンズは隠せないくらい動揺していた。まあ、しょうがない。今まではやての手伝いこそしてきたが、家事をまるまる全部やったことなんてないんだ。それにどうもヴォルケンズを見るにこういう生活は慣れていないようだ。一緒に1ヶ月ほど過ごしてきたが、最初の頃ははやての気遣い一つ一つに戸惑っていた。優しくされるのに慣れていないのだろう。一体どういう生活をしてきたのか……

 

「どどどどうすんだよ! あたしたちがはやての代わりなんてできんのかよ……」

 

 こんなにヴィータが不安そうにしているところは初めて見たな。

 

「うむ、正直私もあまりそういうことは……」

「……同じく」

 

 するとヴィータ、シグナムさん、ザフィーラさんはシャマルさんの方を見る。

 

「わ、私ですか!? そうですね……ここは私がしっかりしなければいけませんね!」

 

 ねえ、なんでみんなおれのことを頼らないの? ていうかシャマルさんなんでおれ見てから決意固めてんの? そんなに家事とか出来そうにないか?

 

「ちょっとみんな、なんでおれのことはスルーなわけ?」

「え、いやしかし,坂上は……なあ?」

 

 シグナムさんはヴィータの方を向く。

 

「え!? あ、ああそうだぜ。マサキの入れる紅茶はギガウマだけどよ……な、なあ?」

 

ヴィータはザフィーラさんの方を向く。

 

「……むう」

 

 ザフィーラさんはシャマルさんの方を向く。

 

「へ!? そ、そんなことないですよ。公輝くんにはおつかいをたのもうと思ってたのよ!」

 

 はあ、そうですか。まあそういうことにしときますがね。舐めてもらっちゃ困るということは覚えておいてもらおう。

 

「じゃあおれは夕飯の買い出しに行ってきますね。あと洗剤とかも切れたたのでついでに買ってきます」

 

「そう? 助かるわ」

「では私もついていこう。目的地まで乗せて行ってやるぞ」

「おお、そいつはありがたい」

 

 ザフィーラさんが付き添い兼アシをかって出てくれた。

 

「じゃあいってきまーす」

「いってらっしゃい」

 

 

 

 

 

 

「ところでシャマルさんって料理とかできるの?」

 

 気になったことをザフィーラさんに聞いてみた。

 

「……」

「え!? ノーコメントってこと!? 大丈夫かよ? 答えて! ザッフィー!!」

 

 不安な気持ちを抱えつつ買い出しを済ませていく。

 

 

 

 

 

「ただいまっと」

「お、おかえりー」

 

 疲れ果てた様子のシャマルさんが出てきた。

 

「うお! どうしたの? シャマルさん?」

「それが……シクシク」

 

 突然泣き出した。え! 本当何があったの! おれがいない間に八神家に何があったのー!

 とりあえずリビングに行くとそこにいた。いや、あったのは机に突っ伏してピクリとも動かないシグナムさん。部屋の隅でガタガタ震えているヴィータ。そして机の上に置いてある何か。なんだろう,あれ……ものすごいプレッシャーを感じるんだけど……見た目は美味しそうなオムライスなのに。

 

「私が作った料理をシグナムに試食してもらったら……うえーん……」

 

なるほど、把握

 

「シャマルさんの料理はメシマズでしたと」

「うっ……」

 

 んでヴィータはシグナムを落とした料理におびえていると。こんな状況なんかのラノベで読んだな。ナンダッタカナー。きっと硫酸とか入れたに違いない。

 

「はあ、分かりました今日の昼と夜はおれが作ります」

「え! でも……大丈夫?」

「シャマルさんよりおいしく作れる自身はありますね」

「うっ……うっ……」

 

 じゃあ作りますか。

 

 

 

 

 とりあえずはやてはお粥(塩)でほかのみんなは焼きそばでいいや、ということで作った。

 

「じゃ、食うか」

 

 おれが言う

 

「う、うむ」

「ああ」

「くすん……」

「いただく」

 

 なんかみんな疑ってるな。特にシグナムさんはさっきあんなことになってるからかなり警戒してやがる。失礼な! 家庭科の先生にいろんな意味で「君良いお嫁さんになるわ……」って呆れながら言われたおれの実力を信じないとは!

 みんなが恐る恐る一口食べる。

 

「む、普通にうまいな」

「お、おおうまいぞ。メガウマくらいかな」

「おいしい」

「ズルズル」

 

 ほれみたことか。

 

「はやてのほど美味くはないだろうけど、シャマルさんのよりはマシだろ?」

 

 シグナムさんがめっちゃ頷いてる。おもしろい。逆にシャマルさんはまた泣きそう。かわいい。

 

「じゃ、おれははやてにこれ(お粥)わたしてくる」

「ああ、頼んだ」

 

 

 

 

 コンコンコンコン

 

 ノックは基本4回。2回だとトイレ。みんなもいいね?

 

「どうぞー」

「はいりまーす」

 

 そう言ってはやての部屋に入る。どうやらちょっと前から起きていたようだ。見た感じさっきよりだるそうではないし、良くなっているな。

 

「あーちょっとお腹すいてきたんや」

 

 まああんなことになってたしな。昼ご飯が出来るのが少し遅くなってしまって申し訳ない。

 

「これ、昼飯な。食えるか?」

「うん、大丈夫や」

「これ、ハムテルくんが作ったん?」

「そうだぞ。上出来だろ?」

 

 シグナムさんが生贄にならなければはやての病状は悪化していたことは黙っておこう。はやては一口お粥を食べる。

 

「ああ、おいしい……こうやって作ってもらう料理は久しぶりやなぁ」

「あー、いつもありがとう」

「えへへ……ええんやで、別に」

 

今度からはたまにおれも料理作るかな

 

「どうだ、調子は?」

「うん、大分ようなったわ。ちょっと頭が痛いけど」

 

 そう言ったのでおれははやての頭を撫でてやる。

 

「おれは文字通り元気の塊みたいなもんだからな、何か健康成分が分泌してそれも治っちゃうかもな?」

「なんやねん健康成分が分泌って? もっとええ言い方もあったやろ? ……あーでもホンマに楽なってきたわぁ」

 

 え? まじで? 完全にネタでやったのに。

 

「はー! 辛いのもどっかいってもうたわ! また気持ちよく寝れそうやからもうちょっと寝るな?」

「おう、次は夕飯の時に来るな。次のメニューはお粥(梅)かうどんどっちがいい?」

「おうどん食べたい」

「了解」

 

 おれははやての部屋を出る。

 なんか新しい発見もあった気がするけど、ちょっと判断がつかないな。まあ、それはそれとして、シグナムさんがほした洗濯物はあのままだと乾いた時に皺になっちゃうからやり直しだな。あとは……

 

 

 

 

 その後家事は全部おれがやり、その日を乗り越えることができた。

 あれから相当悔しかったのかシャマルさんははやてに料理を教えて貰いだしたし、シグナムは洗濯の仕方を聞いていたし、ザフィーラさんは掃除のコツを聞いていた。そして、ヴィータはいつものようにおれと遊んでいた。

 

 

 




ほんとははやてが治ったあとハムテルくんにも夏風邪をひいてもらい、はやてにNDKしてもらってオチをつけようと思いましたが、直前で「ハムテルくん風邪引く訳無いじゃん…」気づきました。

追記
シャマルさんは鍋を爆発させるタイプから味付けできない系女子に変更

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