それが日常   作:はなみつき

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能力の拡大解釈が憲法の解釈改憲くらい無理が(ry

##この話は修正されました##


拉致と考察と17話

 

 

 

 石田先生からの衝撃の事実の暴露の次の日。だいぶ慣れてきた小学生生活をこなして家の前に到着したとき。おれは拉致された。ヴォルケンズに。

 

「な、なになになに!? なにごとですか!? まさかおれに乱暴する気だな! エロ同人みたいに! エロ同人みたいに!」

「ば、ばかやろう! こんなところでなんてこと言いやがる!」

 

 そりゃ、いきなりぬっと出てきたヴォルケンズに両腕をつかまれて連行される宇宙人みたいにされたら誰だって叫ぶわ。怖いし。

 

「いいからちょっと来い!」

 

 人目のつかないところに連れてエロ同人みたいに! のヨカーン。恨まれるようなことしたかな?

 

 

 

 

 

 

 

 ヴォルケンズに連れられて家の近くの公園につれて行かれた。どうやらはやてに聞かれたくない話があるらしい。

 

「で? こんなことまでしてまでおれに聞きたいこととは?」

「そのことなのだが、まずは主の足のことについて我々なりに心当たりがあるのだ」

 

 ザフィーラさんがそう言うと、ヴォルケンズははやての現状について話してくれた。

 つまり、闇の書を完成させればはやての足が治る可能性があるってことか。でも魔力の蒐集か……

 

「それはやてが許さないんじゃないか?」

「そうだ。それで坂上に今こうして話している。」

 

 どういうことだってばよ。

 

「こいつをどう思う」

 

 すごく、大きいですって何言わせやがるヴィータ。ヴィータが見せてきたのははやての九歳の誕生日の時からよく見ることになった闇の書だ。……おや? たしか闇の書は中は白紙だった気がするのだが、今は文字が埋まっているように見える。

 

「おう、で? それが?」

 

 結局何が言いたいのかわからん。

 

「ちょっとこれを持ってみてくれ」

「お、おう」

 

 シグナムさんに言われるがままに闇の書を持ってみる。おやぁ? 闇の書にゆっくりだが一文字ずつ文字が書き足されていく様が確認できる。

 

「おおお! やっぱりこいつが犯人だったか!」

 

 犯人って……ひどい言い方である。それに話が全く見えん。

 

「これは……不思議なこともあるものだ」

「いったいどういう仕組みなのかしら?」

「うむー」

 

 ヴォルケンズは何か納得しているようだが、おれが納得していないんですが。

 

「で! 結局どういうことなんだ?」

「うむ、そうだな。簡潔に言う。どうやら貴様の近くに闇の書があると闇の書は魔力を蒐集するのと同じ効果が得られるらしい」

「え、まじで?」

「おおまじだ」

 

 それすごくね?

 

「今闇の書には約300ページ分の魔力が貯まっている。これは全体の約半分の蒐集が完了していることと同義だ」

 

 そんなに? もしかして闇の書がおれにひっついてる間ずっと魔力を貯めてたってことか。

 

「そこでだ、私達も交代で他の次元世界に行き魔力を蒐集して来る。私達が魔力蒐集をしていないときはできるだけ闇の書を身につけておくようにしてほしい」

「まあ、それはいいけど。ほぼいつも通りだし。でも学校がある日中は少し厳しいかもな」

 

 闇の書はおれが家にいるときはいつも一緒にいると言ってもいいし。

 

「むう、そうだな。今まで並みの魔力の貯まり方は期待できないか」

 

 そうだな。それなら、おれももうちょっと協力するか。

 

「なら、おれもヴォルケンズたちの蒐集に連れてってくれよ」

「はぁ? お前みたいな足手まとい連れてけるわけないだろ?」

 

 なんかヴィータに言外にあんたばかぁ? って言われた気がする。

 

「危険なのはわかってるって。でもおれは怪我したって大丈夫だ」

「なんでそんなこと言えるんだ?」

「ふっふっふーおれの特殊能力を忘れたか?」

「あれか? 体調が維持されるってやつだろ?でもそれって精々病気にならない程度なんじゃねーの?」

 

 って、思うじゃん? おれもそれを思って希望したもん。しかし、約一カ月、小学生として生活してきてわかったことがある。小学生、というか子どもっていうのはしょっちゅう生傷を作ってくるものである。おれもなんだかんだで彼らに付き合っていると擦り傷をこしらえることがよくある。その時に気がついたのだよ。おれの傷がビデオの早回しみたいにして治っていくのが。おれの能力の本質は維持だからパッっと傷を治すのは無理だ。しかし、おれが求めたのは現状の維持ではなく健康の維持。そして、前も言ったが健康とは人によって認識が違う。すると、怪我をしたということはおれの健康という認識からズレが生じるため、そのズレを修復するためおれの特殊能力が発動すると言うわけ……だと思う。そして、本質が維持であるためウルトラキノコ的な回復ではなく、強いて言うならジワジワウルトラキノコと言ったところであろうか。

あとおまけとしておれの近くにいる人にもその恩恵が得られるということ。

 

「だからちょっとの怪我くらい気にしなくても大丈夫だぁ」

 

 さすがに腹に大穴が開くとかなったらどうかは想像できんが。

 

「だから頼む! おれも連れてってくれ! 聞いた感じだと魔力を蒐集するためには相手を黙らせる必要があるんだろ? その間の時間は闇の書はフリーになるはずだ。その時もおれが闇の書を持っていたら効率がいいだろ?だから……」

 

 ヴォルケンズはその案を一考してくれているようだ。だめかな? だめだろうな。はやてと留守番かな?

 

「……わかった。いや、こちらこそ頼む。主を助けるのに協力してほしい」

「お願いします」

「頼む」

「た、頼むよ」

 

 そう言ってヴォルケンズは頭を下げてくる。

 

「そ、そんな、頭あげてください。おれだってはやてには返したい恩があるんですよ」

 

 そして、おれ達「はやての足を治し隊」が結成されたのだった。

 

 

 




大丈夫かな?一撃必殺を食らったら死ぬなこりゃ
対策は考える

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