それが日常   作:はなみつき

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はやてとすずかを早くに会わせていたのはこのためだったのだ!(嘘)

##この話は修正されました##


遭遇と危機と20話

 

 

「ほな行ってくるけどホンマに大丈夫やんな?」

「大丈夫だって、少なくともおれがいる限り八神家で飯テロ(ガチ)は起きないし、もーまんたい」

 

 今おれ達ははやてが図書館でできた友達の家にお泊まりに行くので見送りをしているところだ。

 

「じゃ、いってきまーす」

「いってらっしゃーい」

「楽しんできてくださいね」

 

 おれとシャマルさんがはやての乗った黒塗りの車が行くのを見送る。それにしてもはやての友達というのは何者なのだろうか。おれも会ったことはあるが普通の女の子であったが、迎えの車(おそらく高級車)と迎えに来た人(本人と執事らしき人)ですでに只者ではないことは明らかであろう。

 

「いっちゃいましたね」

「そうだな。はやてがいなくなると寂しくなっちゃうけど、これは絶好のチャンスだな」

「ええ、そうね」

 

 おれ達は10月のあの日からはやての目を盗んでちょくちょく魔力の収集に他の次元世界にまで行き続けている。ゆっくり、着実に、でもできるだけ早くやっていることもあってまだ完成はしていないが、もう少しで完成である。

 

「今日はこれから行くの?」

「そうね、今日はみんなも連れて一気にやっちゃいましょう!」

 

 家を空けてしまうとはやてから何らかの事情で電話などがあると面倒なことになると思ったが、どうやらシャマルさんははやてからの電話を謎の技術で念話として受け取り、会話できるそうなのでその点は安心だ。

 

「では行くか」

「……ああ」

「おっしゃあ!」

 

 家に入り、シグナムさん、ザフィーラさん、ヴィータを迎え今回の狩場へと向かう準備をする。あ、念のため麦わら帽子持っていかなくちゃ。何回か暑すぎる世界に連れて行かれ、バリアジャケットを展開できないおれは断熱機能のある服など着ているわけではないため、大変な思いをした。

 

「今回は98管理外世界で収集を行うわ」

「その理由は?」

「近いほうがさっと行ってさっと帰って来れるからよ。はやてちゃんに何かあった時のためにね。本当は私たちの誰かで護衛を付けるのがいいんだけど、向こうではやてちゃんの身に危険が迫る心配はあまりしなくて良さそうだったしね」

 

 はやてを迎えに来た人たちからそのことを判断したのだろう。ちなみに、今までは念には念を入れ地球から離れた世界で魔力の蒐集を行っていた。闇の書というのは存在自体が管理局に見つかることがまずいらしく、できるだけ地球と関連づけさせない為の処置だそうだ。

 

「よし、ならば今日で完成させる気で行こう」

 

 シグナムさんがそう言い、おれ達は転移魔法を発動させる。

 

 

 

 

 

 

 転移が終了した。どうやらここは砂漠地帯のようだ。……あっつい! 暑い! 今地球は冬ということで長袖長ズボンのため本当に暑い。おれは上に着ているものを脱ぎ、半袖になり上着は腰に巻きつける。本来砂漠で肌を晒すという行為は駄目なのだが、紫外線なんておれには効かないので何の問題も無い。

 ふぅ、麦わら帽子最高。

 

「では、始めるぞ。シャマルとザフィーラは坂上に付いていてくれ」

「わかったわ」

「承知した」

 

 なんかみんなの発言の頭に一応が付きそうな雰囲気を感じ取ったぞ。まあいいけど。おれはいつもどおりに闇の書に乗り、移動の全てを委ねる。やっぱ楽だねこれ。……おっと風で帽子が飛ばされる。そう思っておれが帽子を深くかぶった時だった。

 

「こちらは時空管理局執務官クロノ・ハラオウンだ。おとなしくしてもらおう」

 

 あっ……(察し)

 これまずいんじゃね?

 

(どどど、どうするん!?)

(落ち着け、まだ我々は何かやったわけではないからな)

(一応逃げる準備はしておくわ)

 

 おれの念話に答えてくれたシグナムさんとシャマルさん。

 

「いや、その前にこちらの質問に答えてもらおう。お前、それは闇の書だな?」

 

 ……? あ、おれに言ってんの? 先ほどクロノと名乗った少年がこちらに聞いてくる。ていうか、今気づいた。そのクロノくんの後ろに立っている少女が二人いる。白の少女と黒の少女のうち白の少女には大変見覚えがある。高町なのは。八神家行きつけの喫茶店翠屋の看板娘の一人である。彼女とヴォルケンズはたしか面識はなかったはずだが、おれは名前も覚えられているため非常に危険な状況である。その旨をシグナムさん達に話すと、どうやら逃げる方向で決まりそうだ。

 

「おい! 質問に答えろ!」

 

 おっと、そうだった衝撃的すぎてすっかり忘れていた。なのはさんがなんでこんなところにいるのかは置いといて、今はこっちのことを考えなければ。しかし、どういったものか……

 

「だったらどうした?」

 

 シグナムさんイケメンすぎて惚れるわ。そのことはバレたらまずいんじゃないのかよ。

 

「なら、それは管理局が責任を持って回収させてもらう!」

「そういうわけにはいかんのでな」

 

 そう言うと二人は臨戦態勢を取る。ちょちょちょ! なんでいきなりそうなるんだよ! まず話し合えよ! そんなパンチから始まる交渉術なんてお呼びじゃないから!

 

「まあ待ってよシグナムさん」

 

 おれはそう言ってシグナムさんを止める。シグナムさんは怪訝そうにこっちを見てくるが気にしない!

 

「僕たちは別に管理局に何か言われるようなことはしていないよ?」

 

 そうだ。おれ達は今なにかしていたわけではない。しかし、この気持ち、いつか味わったことあるな……ああ、18歳になったからエロ本を買うために棚を物色していたところ店員に呼び止められた時だ。懐かしい。

 

「管理外世界に無許可で転移した時点でそれは違法だ」

 

 あれー!? すでにアウトだったのか。なんか、身分証明証を店員に見せたら「あ、高校生の方はご遠慮願います」って言われた気分だ! もう何言ってんのかわかんねー!

 俺の頭は真っ白になっている。と、どうやらクロノくんの目標はシグナムさんからおれに移ったようだ。え、そんなもの向けられたら、冷や汗が止まらないです。

 

「お前が今代の闇の書の主だな? おとなしく投降してもらうぞ」

 

 え? おれが闇の書の主? バカいっちゃいけない、主ははやて……この状況を見たら闇の書の知識を持っている人ならそう判断するのか。その発想はなかった。だが、これは使える。これで闇の書の主がおれと認識されたならはやてが疑われるということは少なくなるだろう。

 めちゃくちゃ不服そうにしているシグナムさんに何も言わないように念話で伝える。

 

「ふふふ……だったらどうする?」

 

 できるだけ声を低めに出してなのはちゃんに悟られないようにしつつ、ジョジョ立ちならぬジョジョ座りをしてできるだけ大物感を出そうとする。こら! お前ら! 「誰だよ、お前」みたいな目でこっちを見るんじゃない!

 

「それなら、力尽くでもおとなしくしてもらう!」

 

 クロノくんがそういうのと同時に、おれが乗っている闇の書が後ろに移動する。あぶねーよ! 急に動いたら落ちるよ! と、そんなことを考えていたら目の前に光る紐のようなものが地面から生えていた。なにこれ?

 

「くっ、避けられたか」

 

 なんだかよくわからないが助かったらしい。それを合図とするようにシグナムさんとヴィータが相手のほうに突っ込んでいく。結局こうなるのね……

 クロノくんは相変わらずおれを睨みつけているため、シグナムさんの相手は黒い少女、ヴィータの相手は白い少女、つまりなのはさん、ザフィーラはオレンジの髪のお姉さんと戦うらしい。うわー、すげー、めっちゃ戦ってるわー。

 

「くっ!、当たらない」

 

 どうやら、クロノくんはおれに向かってさっきの紐のようなものを当てようとしているらしいが闇の書が全て避けてくれる。闇の書の上のおれはヴィータとシグナムさんの戦いに魅了されており全然気にしていなかった。!? シグナムさんが質量のある残像みたいになってる!?

 

「大人しくしないのなら仕方がない、強行手段で行かせてもらう!」

「させません!」

 

 クロノくんは今度は光球を飛ばしてくる。ああ、あれは以前の魔法教室で習った魔力弾というやつだな。あれ? なら今って警察に発砲されてる感じか。おれ達かなりやばくね? おれに撃たれた魔力弾を見て隣に立っていたシャマルさんが防ぐ。

 

(みんな! 転移の準備できました! いつでも行けますよ!)

 

 シャマルさんの声が念話で聞こえてきた。どうやら逃げる算段が立ったらしい。シグナムさんもヴィータも相手を圧倒しているようで、怪我もしていないようだし、相手に大きな怪我もさせていないようだ。

 

(了解)

(わかった)

(うむ)

  

 現在戦っているヴォルケンズ達からの返答を聞き、全員が集まる。

 

「転移!!」

 

 あらかじめ準備していた術式を起動させすぐに転移を行う。

 

「待て!」

 

 サラダバー

 

 心の中でそう言いながら、おれ達はまんまと管理局から逃げ切った。

 

 

 

 

 

「痛い痛い! 痛い!」

 

 おれは今ヴォルケンズ、主にシグナムさんとヴィータに叩かれまくっている。

 

「我々の主は主はやてだけだぞ。お前は何を言っている」

「そうだそうだ」

 

 どうやら根に持っていた(?)らしい。

 

 その後、おれの考えを話してとりあえず落ち着いてもらったのはこれから30分後。

 

 

 

 




ふぅ…
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