それが日常   作:はなみつき

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##この話は修正されました##


ドクターとマッサージと45話

「あー、今日も疲れたな……って、もうリインさんいないんだった」

 

 おれも15歳の中学3年生となった。つまり、リインさんとのユニゾンから6年が経ったことになる。リインさんの予測では7,8年が必要だったのだが、ユニゾンから6年目にして夜天の書の完全修復は終了した。夜天の書の修復が終了したということはおれとリインさんがユニゾンする必要はなくなったということだ。6年の間ユニゾンしていたためすぐそばにいるのが当たり前になっていたので返事が返ってこないというのはなかなか寂しいものである。

 

「いかんなー、独り言が癖になっちまったよ。まったくリインさんの所為だぞー」

 

 はぁ、寂しい。本人の前では絶対に言わないけど。まあ、これでよかったんだよ。再びリインさんと会えたはやての喜んだ顔は一生忘れることはないだろう。

 ちなみに、リインさんがいないと先天的に体に障害を負った人を治療することができないから毎週金曜日はリインさんとユニゾンして治療するのだが、これがちょっとした楽しみになっていたりする。

 

「はぁ……早く家帰ろう」

 

 地球行きの転送ポートがある場所を目指してミッドチルダの裏通りの近道をすごすごと歩いていく。

 

「坂上先生ですね。ドクターがお呼びです。一緒についてきてもらいます」

「はい?」

 

 そこに現れたのは紫髪(長髪)の女性だ。それにしてもドクターって誰だ? そんな奴に呼ばれる覚えはまったくないぞ。あっ、もしかしてこれ絡まれてる? 「ちょっとジャンプしてみろよ」のバリエーションか。今はリインさんがいないから回避からのナデポ(健康)が使えない。とは言え、おれも無防備でこんなところを歩いているわけではない。懐中時計を使ってなんとでもなるのだ。おれはそっと手を懐中時計が入ってるケツポケットに向かわせる。

 

「あなたの所持するロストロギアのことはわかっている。あまり動かない方が自身の身のためだ」

 

 ポケットに向かわせていた手を思わず止めてしまう。どんな人かは分からないがいつの間にか後ろに人が立っている。さっきまで誰もいなかったことは確かだったはずだ。もし変な動きをしたら後ろから刺されそうな気配を感じる。

 

「それでは行きましょう」

 

 前から来た女性が近づいてきて魔法を発動させる。どうやら転移魔法のようだ。おれはどこかへ転移する。どうやら家に帰るのは少し先になりそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうぞこちらです」

 

 そこは洞窟の中のようで、岩をくり抜いた通路に電気が設置されている。そういえば、さっき気づいたのだが、後ろにいる紫髪(短髪)の女性の着ているスーツ? タイツ? はなんなのだろうか? ピッチリ全身タイツでエロい目で見る前に見ているこっちが恥ずかしくなってくるんだが。

 

「ようこそ、坂上公輝君! 君を歓迎するよ」

「あ、はい」

 

 たどり着いた部屋にいたのはこれまた紫髪の人物。だが今度は男性。両手をバッと広げてポージングしている。

 

「私のことはドクターもしくはスカさんとでも呼んでくれ公輝君」

「はあ」

 

 なんだかテンションの高い人だな。こういう人に絡まれると厄介なんだよなぁ。

 

「君の噂は聞いているよ。君のレアスキルはとても興味深い。生命を専門とする私からすると君の人を治療する能力はあり得ない。あり得ないからこそ面白い。ぜひ君の力を調べさせてもらいたいものだ」

「お断りします」

 

 能力の調査は管理局でさんざんうけたけど結局彼らは何一つ解明することはできなかった。その調査というのはおれにとっては暇で暇でしょうがなく、もう一度やりたいとはとても思わない。

 

「さらに! 君のレアスキルによって活動を停止していたロストロギアが復活することもわかった。これはとても興味深いことだよ公輝君。君のレアスキルの影響を受けたということはロストロギア自体が意志を持っている、もしくは過去の状態を記憶しているということだ! つまり! 今現在使用不可能なロストロギアもやりようによっては再び使用可能になるということのだよ!」

「な、なんだってー」

 

 今新しい事実を知ったような気がする。そうか、だからヤッサンの店で買った物はヤッサンが試して使ってみた時には何も反応せず、おれは使うことができたのか。まさか、無機物まで守備範囲内とは……

 

「それでは、これからが本題だ。公輝君、君にやってもらいたいことがある」

「うっ……」

 

 な、なんだ? スカさんから発せられる雰囲気が鋭くなった気がする。一体おれは何をさせられるというんだ。

 

「ふふふ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

グイグイグイ

 

 

「あ”~」

 

 スカさんの変な声が部屋中に響き渡る。

 

「ここか~ここがええんか~」

 

グイグイグイ

 

「いいっすね~」

 

 あの後スカさんに頼まれたのはマッサージ。あんな怖い雰囲気を出し始めたから一体何をやらされるのかと思ったが、頼まれたのはただのマッサージだった。

 

「それにしてもスカさん結構凝ってるね」

「ああ、上から色々とせっつかれていてね。こっちも頑張っているのだが、中々仕事がうまいこといかなくてね。おかげで疲れる疲れる」

「スカさんも大変なんだな。公務員みたいだな」

「公務員か……まあ、あながち間違ってはいないかもしれないね」

 

 スカさんも苦労してるんだなぁ。

 

「公輝先生、どうもありがとうございます」

「いえいえ、これくらいなんてことないですよ」

 

 そう言ってきたのはウーノさん。紫髪(長髪)の女性だ。ちなみに、紫髪(短髪)の女性はトーレさんというらしい。そういえば、スカさんも含めここにいる人は全員紫髪だな。家族か何かだろか? 一番あり得るのは3人全員兄妹ということだが、もしかしたらスカさんと二人の内どちらかと夫婦でもう一方が二人の娘という可能性が微粒子レベル?

 

「スカさんとウーノさんは夫婦的な何かなのか?」

「ふふ、そう見えますか? それはうれしいですね」

「いや、ウーノは私の娘だ」

 

 えー!! ウーノさんはスカさんの娘!? スカさんとウーノさんの見た目的にほとんど同じ年齢じゃないか? じゃあ母親はトーレさんか?

 

「トーレも私の娘だ」

 

 なん……だと……じゃあ母親は別いるのか。スカさんの奥さんというのがどんな人なのかちょっと見てみたいな。

 

「まあ、色々あるのだよ」

「そうだな、あまり人の家庭に深く入り込むのはいけないことだしな」

 

 人には言えない事情というものがあるのだろう。事情か、なんだろう。……近親相姦……とか? ちょっとエロ同人の読みすぎだな。

 

「ドクター、少しお話が……ん? ああ、君が例の先生か。ドクターが世話になっている」

「いえいえ、どういたしまして」

 

 やってきたのは銀髪で眼帯をつけた少女だった。これまた青い全身タイツに身を包み、上にコートを羽織っている。なんだ、最近は全身タイツが流行っているのか? その上にコートを羽織るのがトレンドなのか!?

 

「私はチンクと言う。以後よろしく頼む」

「はい、よろしく」

「チンクも私の娘だ」

 

 3人娘? それもすごく年が離れているようだ。

 

「スカさん……本当に近親……いや、なんでもない。うん、人には色々な事情があるんだよな。うん」

「ちょっと待ちたまえ、君は私がぼかした事情をどんな風に解釈したんだ!?」

 

 やっぱりぼかさざるを得ない事情があるんじゃないか。

 

「スカさん……そういうことが許されるのはエロ同人の中だけだぞ。通報しますた」

「ちょちょちょちょっと待ち給え! それはまずい! 色々な意味でそれはいけない!」

 

 

 

 

 なんだかんだでおれはスカさん家族と仲良くなった。スカさんとメアド交換して改めて帰路に着くのであった。

 

 




vividのコミックを買わなきゃ(使命感)

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