それが日常   作:はなみつき

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目が痛い…PCの見過ぎ

##この話は修正されました##


図書館とお友達と4話

 

 

 

 唐突だが人間が想像しうることは現実におこりうることであるという言葉を知っているだろうか? なんでこんなことを突然言い出したかというと、今になって転生ということについて考えていたのだ。

 

 コンコン

 

 某小説投稿サイトで『神様転生』で検索してみると4000件以上の小説がヒットする。ここで仮に一人が一つの作品を書いているとすると4000人以上の人が同じことを考えていることになる。

 

 コンコンコン

 

 もちろんこの理論ともいえない理論は穴だらけだが、こうやって考えてみると神様転生って結構よくあることなんじゃね? って思うんだ。

 

 コンコンコンコン

 

……

 

「ちょっとうるさいですよ」

「うるさくないですよ」

 

 コンコンコンコンコン

 

 そうです、今トイレです。

 

「あの、ノックでプレッシャーかけるのやめてくださいよ」

「別に気にせんでええで」

 

 私、とても気になります。とりあえず出ました。

 

 

 

 

 

 

「ちょっと最近遠慮がなさすぎるんじゃないんですかね?」

「うんうん、それだけ親しくなっとるちゅうことや」

「親しき仲にも礼儀ありってね」

「あ、着いたで」

 

 スルーですか、そうですか。

 

 ということで図書館に到着しました。はやてはここにはよく来ているそうですが、おれは初めて来た。けど結構大きな図書館でなかなか楽しめそうである。

 

「よーし、今日は連れもおることやし本棚の上の方の本もたくさん読んだるでー」

「まっかせたまへー」

 

 はやてが指定した本を片っ端から取ってはやてに渡してあげる。10冊くらい渡したけど今全部読んじゃうのか? すごい速読だ。ぜひおれもできるようになりたいものだ。速読。

 

「じゃあおれも何か探してみるかな」

 

 ラノベラノベ

 

 

 

 本を読み続けるのは結構疲れる。おれ理系だし()。1冊読めれば充分だろ。さて、はやてはどうしてるかな……ってまじで? 全部読んだの、あれ。

 

「お、やっと来よったな。待ちくたびれてもう4冊ほど読んでもたで」

「どんだけー」

 

 これは速読の弟子入りをせざるを得ない。

 

「ほんならこれ借りて帰るで」

「まだ読むのかよー」

 

 もちろん限界数まで借りた本を持つのはおれの仕事である。重い。

 

「んでな、本を取ろうとしとったら女の子が手伝ってくれたんや」

「おーこの世知辛い世の中に親切な人もいるもんだ」

「せやなーこんなことから友達もできるんやな」

「やったじゃん」

「うん」

 

 友達ができるのはいいことだよね。うん。うん? あれ、おれこっちで友達いないな。あれーこれは現状を打破しなければいけない。学校にまだ通っていないおれが同年代の人と出会う機会は少ない。なら、はやてを通しておれも友達を作っていく方向でいいかな。

 

「ハムテルくんとも仲良うなれると思うで」

「はやてが読心術を心得たようだ」

「実は今日読んだ本に載っとっとんや」

「まじ?」

「嘘」

 

 こやつめ

 

「親しくなった証や」

「そうか親しくなった証か」

 

 親しくなることはいいことだよな。

 

 

 

 

 

 

 今おれは初めてのお使い中。

 

 別に明らかに怪しいカメラマンもいなければ後ろからはやてがこっそりとついてきている訳でもない。実年齢二十歳をなめてはいけない。

 図書館から家に帰ると、はやては醤油が無くなりそうなことに気付いた。無くなりそうだから濃い口しょうゆを買って来てくれとおれははやてから指令を受けたのだ。報酬は500円以内で好きなものを買ってもいいというものである。やったね。

 

「さーて何を買おうかなーっと」

 

 ちょっと遠回りになるが翠屋まで行ってシュークリームを買おう。そうと決まったらさっさとスーパーまで行って任務を遂行することにしよう。

スーパーまでの一本道を進んでいく。

 

 

「あっるっこーあっるっこー……ん?」

 

 頭にふと思い浮かんだ歌を口ずさみながら歩いていると綺麗な青い宝石が落ちているのを見つけた。ジブリって結構黒いよね? まあ、そんなことはどうでもいい。

 落ちている宝石を摘まんで拾ってみる。

 

「うーむ見れば見るほど綺麗な宝石である」

 

 海辺を歩いていると綺麗な青や緑の色で丸い物を見つけることができるだろう。それは海に捨てられたビンが割れて、流される内に角が取れていったものだ。こどもの頃、物珍しさで沢山拾い集めていたものだ。

 さて、今拾った物を見てみると形は菱形にカットされており、天然のものではないことは確かだ。

 

「落とし物ですか。これ本物なら売れば結構お金になるんじゃね?」

 

 ちょっと邪な考えが頭をよぎる。

 

「なーんてね。落とし物は落とした場所の近くの目立つ場所に置くのが普通だよねー」

 

 本当は落とし物は交番に届けるのが一番良いんだけどね。

 

「いや待てよ」

 

 よく考えるんだ。これが本物なら恐らく高価なものなのだろう。結構な大きさだしさ。

 で、高価なものなら関係ない人が持ち去ってしまって、落とし主は困ってしまうだろう。また、これが本物でなくガラスでできたイミテーションだとしたら? 落とし主の子供(想像)は無くなってしまっていたら悲しむだろう。

 そう、ダイヤモンドの形にカットされたガラスを宝物のように扱っていたあの日のおれのように!

 

「うん、交番に届けよう」

 

 交番に届けてきました。

 

 

 

 

「ほーそれはええことしたなー」

 

 はやてが紅茶を飲みながら言ってきた。

 

「だろ?いやー良いことしたあとに飲む紅茶は美味しいなー」

 

 おれも紅茶を一口飲む。

 

「うまー」

「うまー」

 

 はやてに貰った500円の権利で買ってきた翠屋のシュークリームを二人で食べた。

 

 

 

 

 

 

「あ、あのそれを渡して下さい」

「ん?ああ、これ君のなの? よかったね、さっき親切な男の子が持ってきてくれたんだよ。これからは気を付けるんだよ?」

 

 そう言ってお巡りさんは金髪の少女に手渡してあげる。

 

「え? え? え?」

 

 

 そんなことがあったそうだ。

 

 

 


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