それが日常   作:はなみつき

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何徹しても平気な体質がもし会社にバレたら社畜まっしぐらでしょうね


プレゼントと6話と非日常

 

 

 

 はやてが作ってくれた朝ごはんも食べ終わり時間は過ぎていく。

 

 はやてと散歩して、

 

 はやてと昼食食べて、

 

 はやてとゲームして、

 

 はやてが夕食の準備をする。

 

 そんな頃だったインターホンが鳴ったのは。それに答えてはやてが玄関まで行く。

 

「こんにちは、はやてちゃん。今日は呼んでくれてありがとうね」

「いーえー、忙しいのに来てもらってほんま嬉しいです」

 

 玄関から話声が聞こえる。相手が件の石田先生だろう。ふふふ、朝からずっと考えてた、『突然はやての家に転がり込んだ怪しくない(ここ重要)少年の物語』を語る時が来たようだ。しかし、ここに住むようになってからはやての付き添いで病院に行くことは何度かあったんだが、担当の先生に説明するのがめんどく……なんて説明するのか思いつかなかったから顔を合わせないようにしてたのがこんなことになろうとは……面倒なことは先延ばしにしちゃいけないね。はっきりわかんだね。

 そんなことを考えていたら二人がリビングへやって来る。

 

「あら?」

 

 来た!

 

「は、初めまして。坂上公輝です。はy」

「あー! 君がハムテルくんね。話ははやてちゃんからよく聞いてるわ」

 

 あるぇー。なんでもう俺のこと知ってんの? ああさっきの間に話を通してくれたのか。いや、今先生は「よく」って言ったな。ていうことは結構前から何回か話題に出ていた?

 はやての方を見る。

 

 先生にハムテル君のことを言っていないとは言っていない

 

 目がそう語る。ハッ、やりやがった。おれがどれだけ悩んで考えてたのを知ってるくせに敢えて言わなかったな! まあ、話が早いのはいいことだけどね。せっかく設定考えたのになー。

 

「はやてちゃん家の物干し竿に干されてたんだって? そこがはやてちゃん家でよかったわね」

 

 うぇ!? その話をそのまま話したんですかはやてさん! ていうか先生もよくそれで納得したな!

 

 

 

 

 

 

「「誕生日おめでとう!」」

「ありがとうな、先生もハムテル君も」

 

 

 石田先生を含めていつもより豪華な夕食を楽しんだ後、石田先生が持ってきてくれたショートケーキを食べている。翠屋のケーキは明日のはやての誕生日当日のメインディッシュである。じゅるり。

 

「はい、はやてちゃん。誕生日プレゼント」

 

 そう言って先生ははやてに小さな箱を渡す。

 

「わーありがとうございます!開けてもええですか?」

「ええ、どうぞ」

 

 はやては箱の包装が破けないように丁寧に外していく。中に入っていたものはどうやらイヤホンのようだ。

 

「あまりいいイヤホンではないけど、たまには音楽でリラックスするのもいいことよ?」

「ありがとうございます!」

 

 む、シュア掛けタイプ? なかなかいい趣味しているな、先生。

 ふむ、先生がプレゼントを渡したことだし。おれも渡すしかないな。乗るしかない、このビッグウェーブに!

 

「はやてこれが、おれからのプレゼントだ!」

 

 スッっとはやてに差し出す。

 

「おー! ありがとな。開けてもええか?」

「うむ」

 

 はやてが石田先生からのプレゼントと同じように包装を剥いでいく。

 

「マフラー?」

 

 そう、おれがはやてのために編んでいたものはマフラー。

 

「今回は時間もお金もなくってこんなものしかできなかったけど受け取ってもらえるとおれは嬉しい」

「もらうに決まっとるやん、ほんまありがとな」

 

 これで冬もきっとあったかいね。

 

 

 

 

 

 

 時間は過ぎ、石田先生は既に帰った。早寝早起きが基本の八神家だが今日は珍しく夜遅くまで起きている。今いるのははやての部屋。ゲームをするでもなく、トランプなんかをするでもなく、二人でお話している。

 

「今日は楽しかったな~」

「喜んでもらえておれもうれしいな」

 

 11:58

 

「またこんなふうに楽しいことしたいな~」

「次はおれの誕生日があるじゃないか」

 

 11:59

 

「ふふ、せやね」

「楽しいことなんていっぱいあるさ」

 

 12:00

 

 突然だった。机の上に置いてあったゴツイ本が突然輝きだし宙に浮いてこちらにやって来る。

 

「なんや!」

「な、なにー!?」

 

 すると本をぐるぐる巻きに巻いていた鎖が弾け飛ぶ。

 

 [封印を解除します]

 

 おれたちはただ呆然とすることしかできない。

 

 [起動]

 

 だがそういうわけにはいかないようだ。本がそう言ったあとはやての胸から白く輝く球体のようなものが出てくると同時にはやてが苦しむ。

 

「お、おい大丈夫か?」

「う、くっ……」

 

 苦しみだしたはやてに近付き体を支えるようにする。

もう一度本の方に視線を戻すと、いかにも魔法陣ですって感じの魔法陣が展開されており、そこには見知らぬ4人が跪いている。

 

「……闇の書の起動を確認しました。」

 

 と、ピンク髪をポニーテールにした女性が、

 

「我ら闇の書の蒐集を行い、主を守る守護騎士にございます。」

 

 と、金髪のショートヘアーの女性が、

 

「降りかかる火の粉を払うがように」

 

 と、ガチムチ系(!?)の男性が、

 

「夜天の主の元に集いしが」

 

 赤髪の女の子が、

 

「ヴォルケンリッター。何なりと命令を。」

 

 最後にそう言って締めくくった。

 

 おれにとって新しい世界での生活は、その原因は非常識だが新しい日常でもあった。

 はやてにとっておれが来たことは新しいことが起こるかもしれない何かだったのだろうが、おれに何かを変える力があるわけでもなく、結局日常だった。

 

 しかし、今目の前におれ達二人を非日常へと誘う案内人がいる。明らかに普通とは言い難い何かが今目の前にいる。

 

 

 まあ、うだうだ考えるのはこの辺にしておこう。とりあえず言うことがある。

 

 

「家族が増えるよ! やったねはやてちゃん!」

「おい、やめーや!」

 

 

 ちょっと落ち着いたかな。

 

 

 




A'sも下手したらBADエンドですよねー

はやてが目を回してないのは仕様です。

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