ブラウンシュヴァイク公が転生したけど、転生先はフォーゲルだった件 作:ひいちゃ
なお、史実の、というか実際のフォーゲルの日常がどんなのだったかは知らん(笑
史実のブラ公についても以下同文(笑
今回の話のまとめ
・(ゲーム)オタクに目覚めたブラウンシュヴァイク公爵
・朝ラジを欠かすと、仕事に支障が出る
・芋の塩煮は、門閥貴族の食事の極み
「んぅ……って、まだ6時か」
わし、ブラウンシュヴァイク公オットー……でも外側はフォーゲル提督……は、目を覚ますと、枕元の時計を見てそうつぶやいた。
あのティアマトの激戦で神経が昂っているのか、それとも夏で日が昇るのが早いからか、いつもは6時50分にかけた目覚ましが鳴ると同時に起きるのだが、最近はこんな風に予定より早く起きることが多くなっている。ひどい時には5時に起きるなんてことも。
「こんなに早く起きると、前世で遅くまで寝ていられたのが懐かしいな」
そう、門閥貴族であった前世では、それこそ9時まででも10時まででも、なんなら昼まででも寝放題であった。じゃが、今は軍人。中身は門閥貴族だが、体は軍人。なので、ちゃんと決められた時間に起きなければならん。
将官級は9時に出勤だが、佐官以下は7時には出勤しなければならんとか。お疲れ様です。
「まぁ、とはいえ、早起きするのもいいものだな。さて、と……」
わしは枕元から、携帯ゲーム機を取り出す。自慢ではないが、わしの枕元には、携帯ゲーム機が二つと、スマホが二つ、雑然と置いてあるぞ! はっはっはっ! 何に笑っているのかは自分でもわからぬが。
ちなみにスマホは一台がいつも使っているメイン。もう一台はスマホでゲームをしているときに音楽を聴くためのものだ。
さて、では時間まで遊ぶとするか。
「ははは、エルミ〇ージュ2はやっぱり面白いのう!!」
そうこうして遊んでいて十数分。
「さて、そろそろ時間か……ってうおっ!? 5分オーバーしてるではないか! しまった、提督とあろう者が目覚ましをかけ忘れていたか! 早くPCをつけねば、『モーニングスプラス』を録音し損ねてしまう!」
わしは急いで起き上がり、PCをつける。ラジオ番組『モーニングスプラス』は、わしの朝に潤いをくれる大切な番組なのだ。これを聞き逃したり、録音し損ねることは、わしの今日一日の仕事に支障をきたすかもしれぬ一大事なのだ。
「ふぅ、間に合ったか。さて……」
PCの電源を入れ、OSが立ち上がったのを確認すると、わしは再びベッドにもぐりこみ、予備のスマホをスリープから立ち上げ、ラジオをつける。ほどなくして、『モーニングスプラス』がスマホから流れ出す。
「うーん、これじゃこれ。やはりモーニングスプラスは一日の癒しじゃ」
そしてそれを聞きながら、8時近くまでスマホゲーに興じる。そしてそのうちに、番組のコーナーが教養コーナーに切り替わり、そのコーナーも終わる。
「さて、それじゃそろそろ起きるか……」
そうつぶやくと、わしは起き上がり、軍服に着替えて自宅を出ていくのであった。
* * * * *
さて、艦隊司令部で執務に励むわし。なお、オフィスに備え付けのPCからラジオを流しながら作業をしているのは言うまでもない。
さてさて。
「そろそろお昼か。今日の食堂メニューは何かのう……?」
そう思って、司令部の食堂に行ってみると……。
「芋の塩煮ですと!?」
厨房にて、大きな鍋で煮られるたくさんのじゃが芋。そして、あちこちのテーブルの上に載っている、じゃが芋が盛られた皿。そしてそれをおいしそうに食べる司令部スタッフの面々。
「うーん、やはりじゃが芋はおいしい。これぞ、門閥貴族の食事の極みである」という声も聞こえてきたが、聞かなかったことにしよう。
そのどこぞで聞いたような声を無視して厨房に声をかける。
「配給係。今日のランチはじゃが芋の塩煮なのか?」
「あぁ。うちの主任が司令部裏の畑で育ててるじゃが芋が豊作でね! みんなに食べてもらおう、ってことでさ」
そう、うちの司令部食堂の厨房主任は、最近家庭菜園に目覚めたらしく、司令部の裏で大規模な畑を始めたらしいのだ。じゃが芋だけではなく、ピーマンにトマト、きゅうりとまぁ色々。
……もっとも、わしもそれに便乗して、プランターで小松菜栽培を始めたが。
まぁ、それはおいといて、今日のメニューが芋の塩煮というならありがたくいただくとしよう。芋の塩煮、わしも好きだしね!
「それでは私も、芋の塩煮をもらおうか」
「あいよ。トッピングはバターと塩こしょうでいいんだよね?」
「うむ」
そして、配膳係は皿に芋の塩煮をのせると、その上にバターを塗り、さらに上に塩こしょうをかけて渡してくれた。
「うむ、ありがとう」
「いえいえ。あ、そうだ。主任から言伝なんだけど、中将が裏で育ててる小松菜、収穫してもいいかい、だって」
「む? なんでまた?」
「なんでも、今日のディナー、ピーマンの肉詰めなんだけど、裏を畑で使わせてもらっているお礼として、中将にだけ、小松菜のバター炒めを作って添えてあげようと思ってるんだってさ」
なるほど、そういうことか。小松菜のバター炒めはわしも好きだしのう(小松菜だけでなく、ホウレンソウのバター炒めも好きだがな!)。わしへの料理に使うのであれば反対する理由はない。
「うむ、それなら許可しよう。おいしいものを期待しているぞ」
「あいよ、そう伝えとく」
そしてわしは、配膳係から受け取った芋の塩煮を手に、適当なテーブルにつき、芋の塩煮を食したのであった。
うーむ、やはりおいしい。芋の塩煮は、バターやマヨネーズで食べるのもいいが、やはりバター+塩こしょうじゃのう!リトルバス〇ーズthe四コマという漫画で知ったのじゃが、なかなかどうして。漫画のレシピ(?)も侮れぬではないか。
おいしいランチを食べて、昼間への活力が盛り上がるわしであった。
* * * * *
さて。昼の執務も無事に終えて、ディナーのピーマンの肉詰め+小松菜のバター炒めを堪能したわしは、自宅に戻ってきた。そしてラジオを聴きながらネットを楽しむ。
そして……。
「さて、そろそろ寝るか……」
もう就寝時間になっていた。本当に一日が短く感じるのう。やっぱり転生してからというもの、一日が充実しているような気がする。前世、公爵であったころは、こんなに一日が充実するなんて思ってなかったわい。
あの頃も、確かに楽しいことや幸せなことはあったが、今はそれよりさらにたくさん、楽しいことはもちろん、好きなものも増えた気がする。
そう考えると、貴族ではなくなり、一軍人になったことも悪くないと、今なら思える。さて……。
「おやすみ……と言ってもまだ眠るわけではないがな」
わしはベッドにもぐりこむと、スマホからラジオを流し、耳を傾けるのであった……。
今回は箸休めとということで、日常話をお届けしました。
さて、次回はいよいよ……!
ということで次回
『永遠の夜の中だけど、いつ明けるのでしょうか?』
転生提督の歴史が、また1ページ