遊戯王ZEXAL ~もうひとつの世界   作:夜想曲

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時系列的にはベクターがアリトとギラグを復活させたあたりになります。

また、この時点ではナンバーズはアニメ版のテキストです。


第0話

???「私のターン、ドロー」

 

少女は山札からカードを引く。対峙するは大柄な男、それもかつてバリアンの戦士として主人公 九十九遊馬に戦いを挑んだギラグである。

そのギラグのフィールド上には、自分の切り札である《CNo.(カオスナンバーズ)106 溶岩掌ジャイアント・ハンド・レッド》が存在している。

 

ギラグ「貴様……」

 

そのギラグが狼狽している。少女のフィールド上に存在するのは小さなモンスター・エクシーズが1体のみ。しかも《ジャイアント・ハンド・レッド》によって効果が無効にされたものだけだ。

それなのに、ギラグは本能から少女のドローカードを恐れている。

理由はわからないが、()()カードはヤバイ代物だとバリアンとしての(そして今の彼は知らないことだが武将としての)本能が自らの危機を告げて止まない。

 

???「私はまず、墓地の《ブレイクスルー・スキル》を発動。墓地から除外することで、相手フィールド上の効果モンスター1体の効果を無効にする」

 

少女の墓地には先程カウンター罠によって無残にも墓地へ送られたはずの1枚。今少女の手にあるそのカードを安全に発動するため、わざと墓地に送っておいたのだとギラグは気付いた。

 

ギラグ(奴が何をしようと俺のナンバーズは倒せない!たとえ奴が何をしてこようとも―――)

 

 

???「私は手札から、《RDM(ランクダウン・マジック)-マイナデス・フォース》を発動」

 

少女が動いた。

 

???「このカードは、自分の場に存在するモンスター・エクシーズを同じ種族でランクの1つ低いモンスター・エクシーズにランクダウンさせる。私はランク3の《ラヴァルバル・イグニス》でオーバーレイネットワークを逆構築」

 

弱弱しくも燃え盛る戦士が、急に苦しみだす。肉体が自らの出す炎に焼かれ、燃え尽き、そして―――

―――何も残らなかった。

 

 

ギラグ「ランク……()()()、だと? も、モンスターは何処に行った!?」

???「()()にいるわよ。みせてあげる」

 

 

少女の言葉と共に突如、何もなかった空間に歪みが生じる。そして歪みの中心にひびが入り―――

 

 

???「エクシーズ・フォールダウン。現れよ、《MX(マイナスエクシーズ)-ラヴァルバル・クトゥーグア》」

 

 

そして現れるのは命を持つ炎。飢餓を超え全てを喰らう熱の巨人。

 

???「このカードはORU(オーバーレイ・ユニット)を全て取り除くことで、相手の手札を全て焼き払う」

ギラグ「なッ……!?」

 

 

ギラグの手札には、自分の「ハンド」モンスターが攻撃された時に墓地に捨てることでその攻撃力を1500アップする《エンチャント・ハンド》があった。たとえ攻撃力4000を超えるモンスターを召喚されても100上回ると考えてのことだ。

しかし、その望みは絶たれた。相手の攻撃力は《イグニス》の1800を大幅に下回り僅かに900だというのに、相手がこれ以上の()()をしてくるとしか思えない。ギラグは最早恐怖を抑え切れなかった。

 

???「さらに墓地に送ったカードの枚数1枚につき、攻撃力が300アップする……そして《マイナデス・フォース》によって特殊召喚されたモンスターの攻撃力は、ORU(オーバーレイ・ユニット)がない場合1度だけダメージ計算時のみ倍になる」

 

ギラグが失った手札は3枚。攻撃力は1800。倍になれば、自分が受けるダメージは1000、ギラグのライフが丁度100残る計算だ。

ギラグの場にセットされたカードは、攻撃力2000以上のモンスターが攻撃してきた時に発動し、そのモンスターを手札に戻す《リジェクト・ハンド》だ。攻撃は防げない。

手札は0、次のドローで攻撃力を1800以上持つカードが来なければ―――

 

???「バトル。……の前に、聞いておくことがあるわね」

ギラグ「な、何だ」

 

少女はくすくすと嗤う。

 

???「そんなに怯えなくっても取って食べたりしないわよ、ふふ」

 

―――少女の質問は、ギラグには理解できないものだった。

 

ギラグ「な、何だ……?どういう意味だ、それは」

???「わからないならそれでいいわ。攻撃しなさい」

 

溶岩すら焼き尽くす餓えし生きた炎がギラグを襲う。ダメージと共に何かが奪われた感触を受ける。

急にバリアルフォーゼが解け人間の姿にされたことに疑念を抱きつつも、恐怖に震える身体は余計な思考すら許さない。

 

???「ほら、貴方のターンよ」

 

震える手でデッキの上に手をかざす。1枚を手に取り、ドローを―――

 

???「もしそのカードを確認して自信がないなら、条件付きで降参(みのが)してあげてもいいわよ?」

 

 

……ドローカードは《黙する死者》。もはや戦士としてのプライドはなかった。

 

ギラグ「―――条件はなんだ」

 

ただし、それはデュエルに限ってのことだ。自分を利用してバリアンを支配しようなどと嘯くのであれば覚悟は既に出来ていた。……が、

 

 

???「忘れなさい、何もかも」

 

 

そして気が付くと自分は学園の体育倉庫にいた。自分はさっきまで何をしていたのか。

 

ギラグ「そうだ、ベクターの奴に言われて……」

 

遺跡のナンバーズ。……が、不思議と動く気は起きなかった。何故か気乗りしない、とりあえずテレビでも観て気をまぎらわそう。

 

彼が自分の生前の姿を見るのは後の話である。

 

……しかし、彼は覚えていない。自分がバリアン世界にて誰かと話したことを。そしてデュエルで敗北しつつも見逃されたことを。

 

世界の裏側で、誰かが笑った。




オリジナルカードのテキストです。批判は問題なく受け付けます。

MX(マイナスエクシーズ)-ラヴァルバル・クトゥーグア》
エクシーズ・効果モンスター
R2/炎属性/戦士族/ATK 900/DEF 700
レベル2モンスター×3
このカードのエクシーズ召喚に成功したプレイヤーは手札を全て捨てる。
このカードが「ラヴァルバル」と名のついたエクシーズモンスターをエクシーズ素材に持つ場合、以下の効果を得る。
●このカードのエクシーズ素材を全て取り除いて発動する。相手の手札を全て捨てる。また、このカードの攻撃力はこの効果によって墓地に送られたカードの枚数×300ポイントアップする。この効果は自分の手札が0枚でなければ発動できない。


《エンチャント・ハンド》
効果モンスター
星4/風属性/雷族/ATK 1500/DEF 1000
自分フィールド上に存在する「ハンド」と名のついたモンスターが攻撃されたダメージ計算時、このカードを手札から捨てて発動する。攻撃されたモンスターの攻撃力をダメージ計算時のみ1500ポイントアップする。
また、自分フィールド上に存在する「ハンド」と名のついたモンスターが攻撃する場合、墓地のこのカードをゲームから除外して発動できる。攻撃モンスターの攻撃力をダメージ計算時のみ1000ポイントアップする。


《リジェクト・ハンド》
カウンター罠
自分フィールド上に「ハンド」と名のついたモンスターが存在する場合、相手フィールド上に存在する攻撃力2000以上モンスターの攻撃宣言時に発動できる。
相手フィールド上に存在する攻撃力2000以上のモンスター全てを持ち主の手札に戻す。


CNo.(カオスナンバーズ)106 溶岩掌ジャイアント・ハンド・レッド》
エクシーズ・効果モンスター
ランク5/地属性/岩石族/ATK 2600/DEF 2000
レベル5モンスター×3
このカードは「No.(ナンバーズ)」と名のつくモンスター以外との戦闘では破壊されない。
このカードが自分フィールド上に表側攻撃表示で存在する限り、自分が受ける効果ダメージは0になる。
このカードが「No.(ナンバーズ)106 巨岩掌ジャイアント・ハンド」をランクアップしてエクシーズ召喚に成功した場合、以下の効果を得る。
●このカードのエクシーズ素材1つを取り除いて発動する事ができる。このカード以外のフィールド上に表側表示で存在する全てのカードの効果は無効化される。


※CNo.106のテキストに関してはニコニコ大百科さん及び遊戯王wikiさんを参照。
※マイナデスに関しては秘密にさせて頂きます。(批判確実のチートカード故に調整するともいう
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