遊戯王ZEXAL ~もうひとつの世界   作:夜想曲

23 / 32
イリスのターンはおわりました。

あと幼女勢のネーミングは主に孵卵器製魔法少女の苗字がソレっぽいのでそう名付けてます。これだけで容姿が想像しやすくなるというお手軽表現方法。いいのかそれで。


かつて願った理想と失われた現実

 

 

璃緒「……え?」

 

今私が聞いた言葉はどういうこと? 母が、死んで……?

 

璃緒「どう、いう」

愛華「――私、の、お母様は……お母様は、随分と前に病気でお亡くなりになって。それから私はおじい様と一緒に暮らして、いた筈なんですの」

 

いた、筈? そんな。じゃあさっきまで私たちが話していたのは――

 

イリス「リオおねえちゃん」

 

―――あ。

 

イリス「だいじょうぶ?」

袖をひっぱるイリス。……そうね、こんな異常な状況だもの。私がしっかりしないと。奇妙な現象だけれど、まずは愛華先輩に起こったことを確認しないと対処すらできないかもしれないもの。

 

璃緒「それでは、さっき『お母様が危ない』と言ったのは……?」

愛華「そう、それ。それなの。可笑しいのよ。お母様は確かにあの日息を引き取った筈なのに、そんな、あぁ。今朝だって笑顔で、『いってらっしゃい』って。でも。そうだ、ありえないんだわ。ありえないのに―――」

イリス「おちついてー!(ぎゅーっ)ぱにっくなのはわかるけど、きょうのあさになにがあったかだけでいいからはなしてみて!」

 

イリスがまた愛華先輩に抱きついて、安心させようとしている。それはそうだ。「死んだはずの自分の親と何の変哲もない日常を過ごす」なんて異常事態、誰だって頭がパンクしてしまいかねない。

 

愛華「おかあさま、そう。今朝はお母様が見送ってくださって……学校からの帰りにお母様へ連絡を、買い物を頼まれて……?」

カンナ「そこまでは本人に聞いた。危険が迫ってたとかいうのは?」

愛華「そこで、確か……電話が通じなくて。その時に、電話越しに変な声が聞こえて。お母様が悲鳴を挙げて、気をとられている時に私も後ろから誰かに襲われて……」

カンナ「こんなふうに?」

璃緒「え?」

 

 

* * *

 

イリス「かんなちゃん、なにしてる……の」

 

みればわかる。リオおねえちゃんのくびもとををいきなりなぐりつけた。でも、そういういみじゃなくて。

 

イリス「なんで、え、え? どうしてこんなことを……」

カンナ「きまってんじゃん」

 

かんなちゃんが1まいのカードをとりだし、リオおねえちゃんになげると、おねえちゃんはきえてしまった。

 

愛華「―――え?」

イリス「なにが、おこってるの? かんなちゃん? なにをしたの」

カンナ「うるさいなぁ!!!」

 

かんなちゃんからいきなりなにかがふき出してくる。のこされたわたしたち2人はふきとばされて。

 

愛華「危ない……!! っく、一体、何が…?」

イリス「わたしもわかんない……でも、今のかんなちゃんはへんだよ」

 

アイカさんがかばってくれたおかげで、わたしはぶじだったけど……つよくうったみたいでアイカさんはうごけそうにない。そうこうしているうちにかんなちゃんがこっちにあるいてくる。

 

カンナ「ねえ、イリス。わたしってね、もう死んでるんだよ」

 

 

* * *

 

璃緒「ッ、痛」

 

いきなり首元を攻撃された。誰が、と思う前に何かが自分に飛んでくる。投げつけられたソレから「闇」が噴き出して、私は意識を失った。

 

璃緒「そしてここに至る、と。ここは……森の入口? 何者かは知らないけど、このままじゃ…イリスとカンナちゃんが、愛華先輩が危な――」

「あらあら、何処へ行こうというのですか?」

 

聞き覚えのある声。ついさっき聞いたばかりのそれを耳に振り返ると、やはり彼女は笑顔で迎えてくれた。

 

璃緒「どうなされたんですか、麗華さん? 愛華先輩(むすめさん)は見つかりましたし、連れて来なくてもいいんですか?」

麗華「ええ。あの子とは、随分と前に“お別れ”できましたから」

璃緒「――おわかれ?」

 

愛華さんが口にしたその言葉は、やはり聞き違いでもなければ愛華さんの勘違いでもなかったようだ。それでは、今目の前にいる彼女は何者なのだろう。

 

璃緒「それで? 幽霊がお別れをしにやってきたのなら、なおさら娘さんと会ってあげなくてはならないのでは、と思うのですが?」

麗華「ああ、それは出来ないのよ。だって、」

 

彼女が構えて、ディスクが起動する。ARヴィジョンが展開されているわけでもないのに、景色ががらりと変わって。

 

麗華「貴女は私とデュエルしなくてはならないのだもの」

璃緒「盆でも彼岸でもないのに幽霊と出会うだなんて。事実は小説より奇なり、ですわ――ッ!?」

 

なにやら蔦のようなものが足に巻きついてくる。足元を見れば二枚のカード、先程投げつけられたであろうカードは《緊急テレポート》。そして傍にあるもう一枚――《魔力の棘》のカードから延々と棘付きの触手が湧き出ている。

 

璃緒「嘘でしょ――カードが、実体化しているというの……!?」

麗華「手札を墓地に捨ててもダメージはありませんから。効果まで実体化してはいないのだから、デュエルには都合が悪くはないでしょう?」

璃緒「わざわざこんなことをしてまで、足止めのつもりかしら? 今頃私を攻撃した相手があなたの娘さんを傷つけているかもしれないというのに!?」

麗華「それはないでしょう。あっち側の目的は、」

 

 

* * *

 

カンナ「私はね、小学生のときにおかあさんに殺されたの」

 

わかんない。

 

カンナ「おかあさんはいつもわたしをぶってた。おとうさんはずっと無視してた。それが私の日常だったの。でもね、ある日とつぜんおとうさんがいなくなって、それからすぐにおかあさんはわたしをなぐって、なぐって、なぐって、」

 

わたし、かんなちゃんがなにを言っているのか、わかんないよ。

 

カンナ「いつもいじょうになぐられて、わたしはまっかになりながらたおれて。それですぐにほうっておかれたの。そのときはじめて知ったんだ、『ああ、わたし死ぬんだ。おかあさんにぶたれるのは普通(・・)じゃないんだ』って。そして思ったの」

 

だって、こんなにかなしそうなかおしてるのに。

 

カンナ「『やさしいおかあさんといっしょに過ごしたかった、あんな女じゃなくって。ふつうの小学生みたいに人並みの幸せが欲しかった』って! 叶わない夢だったけど、そう願ったの」

 

愛華「幼児虐待――ということは貴女のお母様(・・・・・・)は一体!?」

カンナ「私が願った虚構(りそう)の母親だよ―――アナタだって、『死んでない母親と一緒に過ごす日常』を夢見たりしたんでしょう?」

愛華「わた、し、は……」

 

……かんなちゃん、なんでそんなにつらそうなのにわらってるの?

 

かんなちゃんがうでをだす。まわりから「やみ」があつまって、デュエルディスクのかたちになった。かんなちゃんの手には1まいのカード。

 

カンナ「理想(ゆめ)に溺れたあなたにわたしたち(マイナデス)に刃向う資格なんてない。そこで眠っててよ、おねえさん」

愛華「え、あ」

 

カードが光り、やみにかくれてたテキストが見える。《催眠術》のカードを見たアイカさんがそのままたおれた。

しんだひとがふつうにいる?りそうのおかあさん?カードがそのまま力をもってる?マイナデスって?わからないことばかりだけど、ひとつだけわかることがある。

 

カンナ「邪魔者はいない、もういいよね。これでデュエルがはじめられる。私の平穏を脅かす邪魔者を消し去るためのデュエルが」

 

わたしは、かんなちゃんをたおさなくちゃいけない。

 

 




Q.なんでイリスやるきまんまんなの?
A.↓

《催眠術》
通常魔法
次の相手ターン、相手はモンスターの表示形式を変更する事ができない。

心まで守備表示だとそのまま閉じこもる。僅かにでも敵対心があればそのまま戦意に身を委ねる。遊戯王でよくあること的に使用すれば一種の思考誘導になるようです。

え、薄い本展開?《精神操作》でも使わなきゃ駄目でしょ、それは
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。