遊馬「!? 今のは……」
光の中で、エリファスによって人間界へ送られた筈の二人は困惑していた。
謎の振動により世界が歪み、急に目の前に亀裂が生じそこに入り込んでしまったのだ。
アストラル「何故このような状況になったかはわからない。しかし、今は現状を確認すべきだ」
入り込んだ先は皇の鍵の飛行船で移動しているときのような、次元の狭間を思い出させる光景が続いている。ここは別の異次元なのか?
遊馬「エリファスの奴、無事かな……」
アストラルを助けるため、アストラル世界の意志を変えるためとはいえ、攻撃力79200の《ホープ・ルーツ》の攻撃でエリファスは大きなダメージを受けたはずだ。遊馬はそれを心配しているらしい。
「一度デュエルすれば皆友達」が遊馬の信条だ。それはどんなデュエリストであっても変わらない。ベクターの卑劣な策略を受けた後に、遺跡でドルベの言葉を信じたように。
だからこそ、何が出てくるかわからない現状で私はよりいっそう警戒をしなければならない。
アストラル「!」
遊馬「うわあっ!?」
先程の次元移動と同様に、急に目の前に空間の亀裂が生じる。私達は勢いのままに、その光の中へ入り込んでいた。
* * *
遊馬「ん……ここは……?」
小鳥「もう!遊馬ったら!また
遊馬「小鳥!? そっか、俺は……?」
授業が終わって、俺は小鳥に起こされたみたいだ。普通の日常、その筈だ。
……何だ、何かがおかしい。おかしい筈なのにそれが何か気付けない。―――そうだ!
遊馬「皇の鍵!アストラル……」
胸元には、父からもらったペンダントがかかっていなかった。
放課後。俺はクラスメイトの皆と一緒にデュエル広場へ向かっていた。
自分の中の違和感は消えない。こういうモヤモヤしたときはデュエルに限る!
遊馬「おーい!シャーク!」
シャークは同じく2年の奴らと話し合っていた。その中には最近転校してきた奴らもいる。
「やあ、遊馬。君もデュエルするのかい?」
話しかけてきた眼鏡の2年生は、シャークの親友のドルベ。成績優秀な生徒で、小鳥がデュエルを教わっている。最近の小鳥と同じく天使族モンスターを使う強力なデュエリストだ。
「今日は顔色が優れないみてぇだな……休んでいたほうが良いんじゃねえか?」
さっきシャークと話していた大男は
遊馬「いやー、なんかここ最近モヤモヤしててよー、こういうときはデュエルで気分転換するのが良いと思ったんだけど……なあ
Ⅲ「遊馬らしくないね。でも体調管理はしっかりしたほうが良いから、今日は僕らのデュエルを見ててよ! 凌牙、よかったら僕とデュエルしませんか?」
Ⅲはついこの間転校してきた。本名ミハエル・アークライトとして同学年に転校してきた時はびっくりしたぜ。トロンと
Ⅲ「僕は《
凌牙「
俺はⅢとシャークのデュエルを見ながら、自分の中にあるモヤモヤの正体を探していた。
このモヤモヤは何なんだろう。俺は何を気にしているんだろう。
「よっ、今日はデュエルしないのか?」
遊馬「アリトか……なんか、な」
隣のクラスの
アリト「気になることがあるなら話してみればいいじゃねえか。何をそんなにうじうじしちまってるんだよ?……そんなに不安になることがあったのか?」
遊馬「わからねえ……わからねえんだ。なんでこんなに不安になってるのか、全然。でも絶対にこのモヤモヤは『気のせい』にしちゃいけないってわかるんだ。駄目だな、こんなんじゃ俺、」
全然かっとべない――――ッ!!??
遊馬「―――そうだ、かっとビングだ! 何で俺忘れてて……皇の鍵、バリアン世界、エリファスとのデュエル……アストラルはッ!?」
アリト「おいおい、どうしたんだいきなり?」
遊馬は自分に何が起きたかを思い出す。そして皇の鍵がないこと、アストラルがいないことを当然のように思っていた自分に驚愕しながらデッキを確認する。
遊馬「無い……ナンバーズも、《ホープ》に関係するカードも、1枚も無い……! アリト!お前のエクストラデッキを見せてくれないか!?」
アリト「デッキを見せろだぁ? デュエリストの魂だぜ? そんな簡単に見せる訳……そんな真剣な眼をしてるんじゃ仕方ねえ、か。ほらよ」
遊馬「すまねぇ! ……やっぱりだ、なくなってる」
アリトのデッキを見ても、《
そして、この異変に気付く人物は見る限り存在しない。
遊馬「一体どうなってるんだ……?」
捏造設定内ではミザエルは生徒会長補佐をしつつ女子にモテる冷たい奴だそうで。
真月ゥ? 誰それェ?(伏線