ありふれた職業で世界最強と召喚教師!!リアルバウトハイスクール 作:arcgun
最弱とイジメはハジメの強化と檜山が仲間の為、発生しません。
Side武尊
ステータスカードでそれぞれの能力確認が終わった日の夜、騎士団の詰め所の一室にクラスメイト全員と愛子先生ついでにメルド団長が集まっていた。
「おい、会議室を緊張で借りる算段をしたのは俺だからな。それをついでにとか言うな。」
しまった!心の声が出ていたとはこの草薙武尊一生の不覚っ!
「いや、武尊くん結構心の声出てるから、それでいつも八重樫さんに怒られているからね!」
むぅ、ハジメの癖に生意気な。
「何さ、ハジメの癖に生意気とかよく言うよ。丁度良かった。武尊くんに聞いときたい事が有ったんだ。」
ハジメは何時になく真剣な顔で爆弾を投下しやがった。
「武尊くん、この召喚の事知ってたんじゃないの?」
「「「「「何だって~っ!!!」」」」」
一瞬の静寂の後、会議室は怒号に包まれた。
天之河が血相を変えて叫んだ。
「どういう意味だ!南雲、草薙は今日の召喚が起こるのを知ってたと言うのかっ!?」
「いや、普通はあり得ないと思うよ。でもね、毎週月曜日にあんな大きな荷物を持ってきて更に、今日は清水くんのウチに寄ってデジカメとその周辺機器まで借りてきてた。これで偶然ってのは逆にあり得ないだろ?」
「ハジメ、コノヤロ、バカヤロッ!周りを見て見ろ!俺大分マズい状況なんですけど?」
雫さんが右手を上げながら質問の形をしてきた。
「はい、雫さん。」
「武尊、さっさとキリキリ吐きなさい。」
違いました。尋問でした。
「あぁ、木刀を静かに構えないでください。って言うか神気を込めながら素振りしちゃ駄目ぇ。
解った、解りました。説明しますから。・・・表ではあまり知られていないが・・・俺達の世界には渋澤右京という星詠みを生業にしている男がいる。所謂占い師ってぇヤツだ。
この人の星詠みの恐ろしいのは、的中率100パーセントって事だ。但し、右京さんは基本的にとんでもなく自己中な人でな。占いを他人の為には行わない。他人に何かしたりしても必ず右京さんが儲かるようになっている。
その右京さんが俺の所にこのサバイバルパックと1枚のメモを送り付けて来たのが高校1年の終業式の日だった。
ちなみにサバイバルパックの代金と送料は着払いだった。
そのメモには手回し式発電機やノートパソコン、蓄電池から料理の本まで様々な物が羅列されていたんだ。
俺はこのサバイバルパックが届いた日から4月1日迄の間にメモに載ってる物を全部掻き集めた。そして、4月の毎週月曜日この大荷物を学校迄持ってきていたという訳さ。」
俺は皆に嘘の説明をした。だってそうだろ。実はこの世界が物語の世界と酷似してます。なんて云えるか?少なくとも俺にはムリだ。
案の定、清水が突っ込んで来た。
「それは可笑しな話だね。だって、そんな凄い占い師がいるなら誰かしら知ってる筈なのに僕たち男子はともかく、女子が知らないなんて事あるかな?」
「清水、お前はその占い師に既に関わった事がある。覚えてないか、幼稚園の時、俺達が何をして仲良くなったか。」
「確か、幼稚園の時武尊くんと檜山くんがノートパソコンを幼稚園に持ち込んできて、そのパソコンが上手く扱えなくて困っていたのを僕が手伝ったのが始まりだったっけ。」
「そのノートパソコンを送り付けて来たのが渋澤右京その人だ。」
「なんで、その右京さんはそんな事を?」
「俺にも解らん。只、あの人は無駄な事はしない人だ。それだけは云える。って中村どうした顔が真っ青だぞ!」
「・・・ねえ、草薙くんその人は星詠みって呼ばれてるのって、本当なの?」
「少なくとも、師匠はそう呼んでいたのは確かだ。」
「話した事有るよね。うちの父が師匠に命を救って貰った事があるって事」
「ああ、師匠が居眠り運転していた車から中村の親父さんを助けたって話だろ?何回も聞いたが?」
「その時、師匠が一つ目の改変うまく行ったって言ってたの!」
俺は頭を抱えながら、思わず嘆いた。
「あの人もグルかよ。」
その場凌ぎの為の嘘だったが、出てきたのはとんでもない代物だった。
ある程度予想はしていたが、改めてあの師匠と渋澤右京が手を組む事を考えてみた。
・・・敵対する者にとっては悪夢でしかない。
しかし、そうなるとあの事も確認しておいて損はないだろう。
俺は檜山に対してあの事を聞いてみた。
「檜山覚えてないか?師匠が俺とお前を1週間樹海の中に置き去りにした事。」
「忘れた事は一度もない。」
「どんな所だったか覚えているか?」
「霧深い広大な森だったよな?」
「ああ、確か5日目にキノコに当たって死にそうになったっけ。」
「そうだったな。あの時ウサミミの女性がいなかったら死んでたな。」
メルド団長が怪訝な表情を浮かべた。
「ちょっと、待ってくれ。おまえ達がいたっていうのは話を聞く限りハルツィナ樹海に似ているんだが?」
「ハルツィナ樹海?」
「ああ、ハルツィナ樹海とは亜人族が多く暮らしている大樹海の事だ。常に霧が深く亜人族以外ではまともに移動すら儘ならない自然の迷宮と言われている。たしか、10年程前に帝国から全ての亜人族の奴隷を解放して国を興したと聞いている。どうした、武尊頭を抱えて?」
「取り敢えず、お訪ねしても良いですか?帝国って奴隷階級に負ける程弱かったんですか?」
メルド団長はいっそ大袈裟な位否定した。
「とんでもない!ガハルド皇帝は帝国歴代の皇帝で最強と噂された男だ。その評価は未だに変わっていない!」
「ではその最強の皇帝は亜人奴隷を快く解放したとでも?」
「いいや、完全武装の状態で出陣して、奴隷を解放させに来た一人の武術家に戦いを挑んだそうだ。しかし、完全武装の皇帝を7度気絶させたそうだ。しかも気絶させる度に起きる迄酒を飲みながら待っていたらしい。その後に奇襲を仕掛けた近衛兵30人を惨殺したと。」
俺は祈るような気持ちでメルド団長に質問した。
「その武術家のお名前は解りませんか?」
「・・・確かリューゲン・・・そうだ!東方流玄と名乗っていたらしい。」
ハイ!終了~っ!間違いなく師匠です。ありがとうございます。
「・・・メルド団長、多分それウチの師匠です。」
「何?異世界から召喚されたおまえ達の師匠が何故この世界にいるんだ?」
「いえ、寧ろこっちが聞きたい位です。檜山、俺達やっぱりこの世界に来たのは初めてじゃないぞ!」
「それで、亜人族の国は魔人族とは戦っていないんですか?」
「清水か?いいや、魔人族はこれまで3回ハルツィナ樹海を攻めたが一度も魔人族に敗北した事がないそうだ。」
何やってんだ、あのチョイ悪親父ィ!原作崩壊処の話じゃねぇ!やっぱり、メチャクチャにしてやがった!
檜山がメルド団長の肩を掴み凄い剣幕で問い質した。
「その国の名はなんて言うんですかっ!」
「お、落ち着け檜山っ!その国の名は・・・」
「その国の名はっ!?」
「『京極』と言う。そこに暮らす人々は種族問わず生まれてすぐに、秘伝の武術を習うそうだ。・・・おい、おまえ達どうした地面に跪いて・・・何を泣いているんだ?」
「よっしゃあっ!帰れる、帰れるぞぉ~っ!清水っ!」
「雫ちゃん、これで帰れるよっ!」
「エリリン、帰れるねって何で泣いてるのっ!?顔が真っ青だよっ!?」
坂上、白崎、谷口が勘違いしているようだが、あの師匠と付き合いの古い俺達は死刑を宣告された事を認識した。あの師匠の性格ならば間違いなくあの神様気取りのクソ野郎をを俺達の練習台にする積もりなのだ。
天之河が恐る恐る尋ねた。
「俺達は、もしかして帰れる可能性があるのか?」
俺達を代表して清水が嗚咽しながらその問いに答えた。
「天之河くん、その反対だ。この戦争を終息させないと僕達は帰れない、帰れないんだっ!」
「おそらく、ハルツィナ樹海に建国された京極はこの戦争を操っている存在に対しての牽制なんだと思うの。」
「そして、牽制を仕掛けているって事は更に相手の喉元に一手仕掛ける積もりだ。」
「考えたくもないが、俺達はその役割を強いられている。強いられているんだっ!」
清水の後を補足するように中村、檜山、俺の順番で言葉を紡いだ。
「・・・そ、そんな嘘だろ?」
「同じ日本人なのにっ!」
「・・・巫山戯んなっ!」
数々の悲嘆の声が響く中、ずっと黙っていた雫はすっと踵を返すと会議室の扉へと歩みを進めた。
嫌な予感がした俺は雫の腕を掴み動きを留めた。
「何処へ行く積もりだ?」
「大した事じゃないの。ちょっと、京極に挨拶に行くだけだから。だから、その手を離してくれないかしら?武尊?」
いやいやいやいや、どう見てもカチコミ以外の何物でもないでしょうが!
なんで、BGMが仁義なき戦いのメインテーマになってるのさっ!!
後、恐ろしいわ、その笑顔が!ほら見ろ、谷口が又お腹を上に向けて横たわってるじゃねぇか!!
完全に降伏してんじゃねぇか!!
と に か く 静 か に し ろ!!!
確かにこの戦争を終息させないと帰れない!これは間違いない。だが絶望するなっ!
何故この世界の言葉で国名を名乗らなかったのか?
何故神威の拳を広く教えたのか?
逆に考えるんだっ!
京極を味方にすれば、それだけで勝率は上がる。
このままじゃじり貧だっ!
その為にも俺達が独自で使える資産とか増やすぞ
その為のサバイバルパックだ。
まず、ハジメッお前早速で悪いが錬成のレベルを上げて自転車を作ってくれ。
発電機のハンドルを車輪の付けて発電を容易に出来るようにしたい。
それが完成したら園部に店一軒任せるからその中身の手伝いを頼む。
その後は錬成のレベルを鍛える為王都の鍛冶職に弟子入りしてくれ。
次に檜山ッお前は近藤達と冒険者の登録を行い簡単な依頼をこなしつつギルドと顔を繋いで於てくれ。その際、他の職業ギルドの種類と状況を把握後に報告してくれ。但し、冒険者の階級があったらなるべく早い段階で階級を上げてくれ。
園部ッ王都に一軒店を出す。最初は俺達だけで店を廻す。ある程度経ったら王都の人間を雇うぞ。ガキだけだと舐められるからここら辺の出身じゃない騎士、この際見習いでも構わないが雇われ店長として騎士団から借りる。商品にはマヨネーズとトマトケチャップを使用して欲しい。レシピは大まかな所は公開しても構わんっ!どうせ、完全に作れる奴はいないっ!
天之河は、戦闘職の連中を取り纏めて座学と訓練を頑張って欲しい!雫と白崎と谷口も天之河と一緒に訓練組だ!剣術と回復魔法と結界術を強化出来るだけ強化しといてくれ。
後、叶うなら王都近辺で魔物や害獣なんかを倒してレベル上げと魔石を集めといてくれ。
清水と中村はパソコンの充電に気を配りつつこの世界の情報を纏めてくれ。二人だけで済まないけど今だけ堪えてくれ。
愛子先生は、王都周辺の農作物の成長を進めて下さい。
愛子先生の護衛に戦闘職から常に二人ずつ就けるようにしておいて欲しい。
俺が敵ならまず愛子先生を真っ先に狙うからな。
後は、聖教教会の騎士さんを肉の壁に使うぞ。
全員充電システムが整い次第持ち回りで充電システムの保守を行う。マニュアルは俺が明日中に作っておく。
現時点での目標はなるべく早く京極に繋ぎをとる事、稼げるだけ稼いである程度俺達で使える資産を構築するぞ。
俺は、座学と訓練の方に参加しつつ王都内のメンバーのヘルプに入る。
大まかな作戦は以上だ。
勝ちに行くぞっ!この糞ったれな運命に俺達の怒りを叩き込んでやるっ!
すいません、勝手に決めてしまって。
メルド団長いえメルドさん俺達を助けて下さい。
俺達にはあんた達位しか伝がない。
このまま、皆を死なせたくないんです。
どうか、お願いします。
「・・・頭を・・・頭を簡単に下げるなっ!・・・お前はこのグループの頭なんだ。そのお前が簡単に頭を下げてどうする。武尊、俺もその糞ったれな運命とやらをぶん殴る手伝いをさせてくれ。」
メルドさんありがとうございます。
これで何とか戦えます。
駆け足で決まったそれぞれの道
次回はそれぞれの道を行くもの
蛇足
サバイバルパック内容
武尊の入れたモノ
PS4サイズの蓄電池×4
30㎝×10㎝×20㎝の手回し発電機
ノートパソコン富士通一年前の型落ち×2
対応スキャナー×2
簡易プリンター×1
プリンター用インク黒×20
プリンター用インク黒以外×10
A4用紙100枚×2
業務用黒胡椒1㎏×2
業務用S&Bカレー粉1㎏×1
ソーラー式充電器×1
無線機ターミナル×1
無線機子機×10
これから先は紅娘さんが入れたモノ
ベレッタF92×1
コルト・パイソン357マグナム×1
対応弾薬各50ずつ
各種薬品
バファリン12包×1
正露丸×1瓶
簡易浄水器×2
米軍仕様サバイバルナイフ×2
組立式弓×2
炭素矢×20
ガードセット×2
折り畳み式ウォータータンク20L×4
粉末次亜塩素1㎏×2
結論
荷物が重たくなった理由は紅娘さんのせいでした。