ありふれた職業で世界最強と召喚教師!!リアルバウトハイスクール   作:arcgun

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何とか、救援迄の1週間を想像できましたので投稿します。
 
















すいません、何度も推敲していたら時間が掛かりました。


1週間って結構長いようで短いよね?

Side武尊

 

ハジメから念話があった日より1週間、俺達はフィジカル面においても政治面、文化面においても出来る限りの努力を行ったと思う。

フィジカル面においては、檜山は苦手だった神威の拳を武器に纏わせる事に成功した。清水は局地的地震を自らの意志で操作できるようになった。中村は水球をファンネル代わりにして全方位攻撃を可能とした。龍太郎は全ての攻撃を神威の拳の力で無効化し接近して殴るといった脳筋殺法を確立した。雫は月の神威の特性を昇華させ魔力の流れを妨害する太刀筋を編み出した。

そして、天之河だが聖剣の形状変化を会得した。現在、天之河の聖剣の形状は日本刀それも野太刀と呼ばれる大振りの日本刀の形をしている。なんでも、神威の呼吸法を行いながら聖剣を膝の上に置き瞑想を行っていたら、急に聖剣に光が集まり出し形状変化が可能となったらしい。

 

ちなみにメルド団長は、オルクス大迷宮に一足早く戻り迷宮攻略を檜山達と協力しながら行い、レベルを一つでも上げる為に戦っているそうな。

 

 

 

そして、俺はハイリヒ王国国立錬成師協会へと足を運んだ。其処には既に協会会長であり親方であるウォルペンさんがソファに腰掛けていた。

俺は、テーブルを挟んでウォルペンさんの反対側のソファの前で直立不動の状態から約90°の礼を行い深々と頭を下げた。ウォルペンさんは最初は事情が呑み込めずに慌てていたが、俺がハジメ落下の件を説明し始めるとその表情は徐々に険しい物になっていた。只、生存が確認されたと聞いてホッとしているのが見て取れた。連絡用のアーティファクト念話の指輪の複製については現在のハイリヒ王国のレベルでは困難であると言われた。

ウォルペンさんからはハジメ達の救助に赴く際は錬成師協会から人を出してくれると迄言ってくれたがやはり危険度が高いので丁重にお断りした。

その代わりに、俺達である程度設計した連続石弓。所謂、諸葛弩の試作及び効果実験をお願いした。

これなら原作通り魔人族の襲来があっても少しはましになるようにである。鋼の矢ならば錬成師が一人鋼のインゴットを山積みして魔法陣の中に入れ魔力を送り続ければ、理論上は矢が尽きることはないと思われる。

次にハイリヒ王国の王宮に赴いた俺はまず、エリヒト国王に正規の手順で謁見を求め、玉座の間に於いて謁見を果たしていた。本来、俺達神の使徒なら国王に謁見するのに態々正規の手順を踏むような事をしなくても謁見自体は可能である。しかし、相手側の気持ちになって考えたら此はとても礼を失した振る舞いである。相手は神の使徒とはいえ未成年の少年少女の集団でしかない。そんな相手からアポなしで勝手に呼び出される。どう考えても面白い訳がないと思うので、愛子先生も含めて皆で緊急事態でない限りは正規の手順を踏むようにしようと事前に取り決めていたのだ。

エリヒト国王に、再度オルクス大迷宮の再攻略を行う旨を報告し、諸葛弩の説明と配備を宰相達と話し合う許可を貰うと騎士団と宰相の話し合いを始めた。諸葛弩の効果は認められたが配備を急ぎ過ぎではないか?と問われたが、こちらからすれば魔人族の襲来が予定されているのでなるべく早く配備して欲しいのだが、その襲来を理由には出来ない。そこで、諸葛弩の習熟に時間が掛かるとして要請を早めたと答え。更に、幾つかの提案がある事を匂わせてお願いした。現時点で冷蔵機能を付与した荷馬車の件もあり意外とすんなり受け入れられたのはラッキーだった。

とはいえ、アイデア自体は荷馬車の揺れを抑える板バネやサスペンションのようなものを想定していて

これについては、相川昇がバイク好きなのを利用し他のクラスメイトを巻き込んで製作及び実験をしてもらっている。

ちなみにクラスメイトと愛子先生にはハジメと白崎の無事は伝えてある。オルクス大迷宮の再攻略にも何名かは参加を表明していたが、当初の予定通りグループを二つに分けさせて貰った。これは表向き電撃作戦を行う為であるという事と愛子先生の護りも同じくらい大切であるという事をお願いする事で納得してもらった。

 

そして、最後に訪ねたのはモットー・ユンケル商会だった。来訪の理由は言うまでもなく今までに幾つかのアイデアを提案していたが、更に幾つかのアイデアを提案する為である。

商会に到着し来訪を告げるとすぐに応接室に案内されそして、モットー・ユンケル本人が程なくして現れたがだいぶ急いで来たのが分かった。

「そんなに、急いで来なくてもゆっくり待たせて貰う積もりでしたのに。」

と俺が言うと

「武尊さん達のアイデアはこの世界にあるものを使ってはいますが全く新しい商品なのです。特にあの洋食店『ウィステリア』で提供される食事の数々は王都の料理のレベルを著しく引き上げました。更に凄いのは素直に教えを請えばそのレシピを無償で教えて頂ける事です。それによって同じような料理を出す店が増えましたがそれだけには飽きたらずアレンジをする店も現れ王都の料理のレベルは更なる進化を遂げています。そこのオーナーである武尊さんがいらっしゃったのです。これで急がなければ商人として失格であると私は思います。」

 

そう会話でも出てきたが『ウィステリア』のオーナーは俺になっている。

当初、園部にオーナーを任せようとしたがあっさり断られた。

園部曰くシェフに冒険者迄やっているのにオーナー迄は無理との事だった。

その為、店舗のアイデアを出した俺がオーナーにされたのだ。

その為、王都の各商会との折衝や地元の自警団(ヤクザ)との話し合いは全て俺一人で行う羽目になった。

 

まぁ、もっとも人の話を聞かない自警団の幾つかには謎の仮面を被った四人組が現れ殲滅したらしいが、怖いねぇ一体何処の誰なんだか?

 

それはともかく、オルクス大迷宮の再攻略を前に幾つかのアイデアを提案したのだが、モットー・ユンケルから無事に帰って来て欲しいと言われた。

急いで、アイデアを提案したのに何かを感じたらしい。

 

・・・勘の良い商人は嫌いじゃないね。

 

そして、明日にはオルクス大迷宮に向かうという日の夕食時皆集まっていた所にハジメから大変な報告を受けた。

なんと、実は食糧は3日分しか残ってなかった事、神水を垂らす神結晶で持ちこたえようとしたが最早限界であると白崎と話し合った結果、魔物の肉を食べる積もりだとの事だった。

解決策として神水を併用しながらなら死ぬ事はないと思うとの事だった。

俺は、止める言葉が出なかった。原作では無事にハジメの強化に繋がったがこの世界軸ではどうなるか判らない。

しかし、俺以外の念話の指輪を持つメンバーからは反対意見が出た為、その時はそれで納まったが数時間後ハジメから半狂乱で白崎が魔物の肉を食べてしまったと報告が来たのだ。

そして、ハジメは心が折れたのだろう。何と続いてハジメも魔物の肉を口にしてしまったのだ!

「ごめんね、白崎さんだけ苦しませる訳には行かないよ。予想通り神水と併用すれば死ぬ事はないみたいだし。」

「・・・南雲。」

「おいっ!ハジメ早まるな!」

「ハジメくんっ!待つんだ!」

「南雲くんっ!落ち着いて。」

「南雲くんっ!止めて、香織を止められなかったのは貴方のせいじゃないわ!」

「やめろっ!南雲死んじまうぞっ!」

「止めるんだ!南雲ッ!?」

「南雲くんっ!駄目です!先生は許可出来ませんよ!」

そして、しばらく念話が途絶えた後俺達の頭にハジメの凄まじい叫びが響き渡った。

 

「ひぃぐぅあああああぁっ!ぐぎゃああああぁっ!」

 

俺達はしばらくハジメの悲鳴を念話として受け取る羽目になった。

檜山は拳から血が垂れるほど握りしめ、清水は両目を見開き涙を流しながら椅子に力なく座り、中村はその清水の膝にすがり付くようにして嗚咽をこぼし、雫は力なく座り込み両耳をふさぎながら現実を否定するように頭を左右に動かしていた。

そして、坂上は居ても立っても居られず食堂から走りだそうとするのを俺が制止を頼んだ永山から抑えられていた。

天之河は必死に念話の指輪に声を掛けながら嗚咽をこぼしていた。

愛子先生は見も世もなく泣き叫びながら必死に念話の指輪に声を掛けていた。

 

・・・俺は無言で自分たちの装備を再確認していた。

奥歯を噛みしめ過ぎて口の端から血を流しながら。

 

遠藤浩介が俺の肩を掴みながら問い掛けてきた。

「おい、草薙っ南雲達の身に何が起きてるんだ?」

「ハジメと白崎が魔物の肉を食べた。幸い神水を所持していた為命に別状はない。」

「それにしちゃあ凄い騒ぎになっているみたいだが?」

「魔物の肉には本来強い毒性が含まれている。幾ら神水で中和しても身体に強い負担が掛かるのは間違いない。」

「じ、じゃあ、南雲と白崎は・・・」

「地獄の苦しみを味わっている・・・。おそらく、これは所見だが身体が猛毒で破壊されその破壊された箇所が強制的に神水の力で治癒されている状態が続いていると見ていい。」

「草薙っお前何を冷静に話しているんだっ!二人が心配じゃないのかよっ!?ぐぅっ!?」

 

次の瞬間遠藤の身体が俺の左手で胸ぐらを掴まれて宙に浮き上がっていた。

 

畜生、あぁ解ってるよ!これはただの八つ当たりだ!

 

俺は多分自分自身に対してキレていた。

 

原作なら大丈夫?

 

そんな馬鹿な思考はハジメのあの悲鳴を聞かされた瞬間吹っ飛んでいた。

 

アイツは俺の友達で同門の拳士だ!

 

それを何処かで原作キャラとしてしか見ていなかった。その結果が御覧の有様だ!

 

糞ったれがぁっ!何が転生者だっ!何が神威の拳だ!何が神の使徒だ!

 

ガンッ!!

 

怒りに任せて神威の炎を解放しそうになったその時俺の後頭部に何か棒のようなものが激突した!

俺は余りの痛さに遠藤を離し後頭部を押さえ蹲っていた。

「あ痛ってぇ~っ!何すんだよ!雫っ!?」

「何すんだよじゃないわよ!何遠藤くんに八つ当たりしてんのよ?」

「・・・う、悪かったよ。遠藤大丈夫か?」

「・・・い、いや俺の方こそ悪い。草薙お前あの二人と仲良かったもんな。心配じゃない訳ないのに頭に血が昇ってたみたいだ。すまん。」

「いや、こっちこそ八つ当たりしてしまって済まなかったな。」

雫が咄嗟に俺にぶつけたモノを見た。

 

・・・それは、ハジメの木刀・・・飛天道場の主・・・鬼塚鉄斎がハジメの為に樫の木材から削り出し中に鉄芯を入れてある木刀・・・確か日本刀一本の目方とほぼ同じだった筈・・・。

 

その木刀を見た時思わず涙を流していた。

 

そして、決意を新たにした。どんな事になろうとハジメ達を助けると。

 

 

 

Sideハジメ

 

時間は、最初の念話の時点迄遡る。

 

参ったな。これは、本当に参った。

 

僕は落下後しばらくして目を覚ました。

 

「・・・う、此処は?・・・はっ!白崎さん?白崎さんっ!?大丈夫っ!?」

 

僕は傍らで意識を失っている白崎さんの身体を抱き起こした。

 

「・・・う、うぅん。・・・な、南雲くんっ!大丈夫だった?」

 

いや、どちらかというと君のせいで現在絶賛大ピンチなんですけどね?

 

その後、お互いの荷物を確認してみた。

食糧僕の所持していたぶんのみ

装備 湿気ったコルトマグナム357二丁 サバイバルキット×1 

 

ヤバい、初っぱなから詰んでる。

とにかく、落ち着かなきゃ⁉️

何で食糧を身体に固定してなかったの?

え、武尊くんの意見に従うのが癪だったって?僕と何時も一緒に居て羨ましい?

う~わっ!この娘現実見てねぇ~っ!

誰か助けて・・・。

 

そんなこんなで四日目で食糧は尽きてしまった。

 

その為、武尊くん達に魔物の肉を食べる事を相談した。以下の反応は・・・。

「・・・死ぬ気か?」

「馬鹿かっ!止めとけ。」

「南雲くんっ!早まっちゃ駄目だ!」

「南雲くん、必ず助けに行くから!」

「南雲くんっ!私達を信じてっ!香織も彼を止めてっ!」

「南雲ォッ!!頭の悪い俺でもソレはやべぇってわかるぞっ!」

「南雲っ!俺に二度も絶望を見せないでくれっ!」

「南雲くんっ!先生はそんな危険な事許可出来ませんっ!」

 

でも、そんな事を言ってる場合では無くなった。この階層の魔物達が余りにも強すぎる!

最初に襲い掛かって来た兎に似た魔物でさえ神飛拳を3発も当てなければ為らなかったのだ!

二尾狼で5発でようやく行動不能、熊に似た魔物に至ってはまるで効果無し。

 

僕達は慌てて錬成を駆使して作った簡易的なシェルターに避難するのがやっとだった。

 

そんな中幸運だったのがシェルターを作成する過程で神結晶を確保出来た事だろう。

 

・・・神結晶、ソレから溢れる神水はかつて香港に修行に行った際に武尊くんが自分の放った奥義により全身大火傷の致死傷を負った状態を一瞬で外側だけとはいえ治癒させた奇跡のアイテム。

 

これが入手出来ただけでも生存率は大幅に上がったと思う。

 

只、欠点としては空腹感は消せないという事だろう。

 

僕達が武尊くん達の救助迄精神が持てば良いが・・・。

 

・・・最初に念話を送ってから3日経った。

 

当初の予想通り食糧は底をついた。

 

僕と白崎さんはその後お互い空腹状態に苦しめられながらお互いの事を話した。

 

何故、白崎さんが僕の事をあんなにかまってくるのか尋ねてみた。

 

何と、あの土下座事件で僕に初めて会ったのに一目惚れだったそうだ。

白崎さんが言うにはあの時誰もお婆ちゃんと男の子を助けようとはしなかったのに、只一人僕だけが行動を起こしたのを見て凄く格好良いと思った事。そんな事を聞いた。

 

 

 

・・・?

 

()()()は何を言ってるんだ?

僕は正直あの時凄く悔しかった!

悔しくて公園で清水くんの買ってくれた水を頭から被って泣き顔を見られないようにするので精一杯だった。

そんな時に無神経にもあんな姿が格好良いとか言う声が聞こえた。

・・・・・・冗談じゃない!

あれの何処が格好良いって言うのさ!あの声の主が白崎さんだったなんて・・・。

だからだったんだ、白崎さんが声を掛けて来る度にあの土下座事件の事が自然と脳裏をよぎったのは!

解ってる。白崎さんが悪いんじゃないって事は十分に理解している積もりだ!

・・・それでも僕は彼女を受け入れられなかった。

 

「・・・僕は、白崎さんの事を美人だし頭も良いしスポーツ万能ですごく優しい女性だと思うけど、・・・今すぐお付き合いとかは考えられない。・・・今は何とか武尊くん達が助けに来るのを信じて待たないといけないんだ。」

 

僕はそう言い訳して白崎さんからの告白から逃げた。

 

その時、白崎さんは信じられないといった様子だったが何とか固い表情ながらも笑顔でわかったと言ってくれた。

 

僕はそれで何とかなったと思った。

 

 

 

思ってしまったんだ!

 

 

 

 

 

・・・・・・その次の日、白崎さんは僕が倒した魔物の肉を一欠片口にした。

すぐに気付いたけど既に飲み込んでいて手持ちの神水を飲ませるのが精一杯だった。

彼女はひどい悲鳴を上げ僕の名を呼びながらのたうちまわっていた。髪の毛が徐々に白くなりそのうち、動きが緩慢になり悲鳴が止まった。

僕は慌てて生命反応の確認を一通り行ったがその時とんでもない事に気付いた。

髪の毛以外にも白崎さんの身体に幾つかの異変が生じていたのだ。

まず、身体の筋肉が以前より頑丈になっているようだった。

例えるなら以前の筋肉が糸で束ねたものだとするならば、今の白崎さんの筋肉は糸と同じ太さのワイヤーで束ねたようなものといって良いだろう。しなやかさと強さがまるで違う感じがした。

後、服の中までは確認していないが腕や首筋に紅い魔力の線のようなモノが確認出来た。

それ以外は表立った変化はないように思えた。

彼女は、人間を辞めたのかっ!?

僕が追い詰めたのかっ!?

 

何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で

何で何で何で何で何で何で何で何で何で

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・あぁ、そっか僕が優柔不断で臆病だったから彼女はこんな目にあったんだ・・・・・・・・・。

  

 

 

 

 

今思えば、僕は多分追い詰められていたんだと思う。

 

今まで、白崎さんに対しての苦手意識は女の子に対する照れや恥ずかしさみたいなモノで、その内平気になって僕にも彼女とも仲良くなれると思っていた。

だけど、実際は彼女は僕にトラウマを植え付けた本人で本人は全く自覚のない状態で好意を隠そうともしない。

僕にとっては、ソレはとても残酷で、でもソレを理由に彼女を見捨てる訳には行かない訳で、それでも僕は凄く苦しかった訳で、八重樫さんの親友の白崎さんだけでも無事に皆の元に届けたかった訳で、それなのに彼女は自分で魔物の肉を勝手に食べてしまった訳で、このままではイケないと思った訳で僕は気がついたら魔物の肉を握りしめていた。

 

そして、僕からの最期の念話を親友達に送った。

 

「ごめんね、白崎さんだけ苦しませる訳には行かないよ。予想通り神水と併用すれば死ぬ事はないみたいだし。」

「・・・南雲。」

「おいっ!ハジメ早まるな!」

「ハジメくんっ!待つんだ!」

「南雲くんっ!落ち着いて。」

「南雲くんっ!止めて、香織を止められなかったのは貴方のせいじゃないわ!」

「やめろっ!南雲死んじまうぞっ!」

「止めるんだ!南雲ッ!?」

「南雲くんっ!駄目です!先生は許可出来ませんよ!」

 

親友達はやはり僕を止めてくれた。

ソレが何故か凄く嬉しくもあり悲しかった。

何故なら、ソレを僕は今から裏切るのだから。

そして、僕は魔物の肉に齧りついた。

味は今まで食べたどんな肉よりも最悪の味だった。

食べた直後は、特に何もなかったが胃の辺りに達した時にソレは起こった。

全身が引き裂かれるような激痛が走り僕はすぐ神水を呷った。

一瞬痛みが治まったが次の瞬間更なる激痛が全身に襲い掛かった。

僕はたまらず悲鳴を上げた。

そして、多分念話でも聞こえていたと思う。

 

「ひぃぐぅあああああぁっ!ぐぎゃああああぁっ!」

 

何故って?

 

・・・・・・・・・・・念話越しだったけど皆の声が聞こえて来たから。

 

ハジメっ!耐えろっ!

 

ハジメくん、待っててすぐに助けるよ!

 

南雲くん、死ななければ私が癒すよ!必ずっ!

 

南雲くんっ!香織っ!二人とも待っててすぐ行くからっ!

 

南雲ォっ!お前はこんな所で死んじゃならねぇっ!まだ、俺との決着を着けてねぇだろうがっ!

 

南雲っ!死なせないっ!死なせてたまるかっ!お前は香織を見捨てるのかっ!?お前だけなんだっ!彼女を今護れるのはっ!それに、皆で元の世界に帰るんじゃなかったのかっ!?お前も皆の一人なんだっ!諦めるなっ!!必ずっ!俺達はそこにたどり着いてみせるっ!だから、今はなんとか持ちこたえてくれっ!!!

 

南雲くんっ!南雲くんっ!・・・何で、どうしてこんな事にっ!誰でも良いから二人を助けて下さいっ!お願いです!あの子達は私の大切な教え子なんですっ!誰でも、悪魔でも神様でも何でも良いからあの子達を助けて、助けて下さいっ!お願いしますっ!お願いしますっ!

 

 

そして、最後に僕達のリーダーでその癖、誰よりも人の悲しみが我慢ならない。

そんな甘ったれなヒーローからの念話が届いたような気がした。

 

 

 

・・・根性見せろ。

・・・俺の知ってる南雲ハジメはこんな下らねぇ事でくたばるような柔な漢じゃねぇ。

 

・・・・・・・・・そして、何故か地球にいる筈の師匠達の声も聞こえたような気がした。

 

馬っ鹿やろうっ!ハジメ手前ぇ何諦めてやがるっ!お前ぇは所詮こんなもんかっ!?

 

・・・南雲くん、君には千鶴さんの血が流れている。・・・私は君を信じている。・・・その私を信じて諦めるな。

 

・・・・・・ハジメ、武人たる者最期まで勝利を掴むために足掻くものだ。どんな形でも良い最期まで立った者が勝者なのだ。

 

ハジメくん、俺にとっては君は二人目の息子みたいな者だ。こんな馬鹿げたヤツの企みで亡くすには余りにも惜しい。

まだ、諦めるには速いんじゃないのかな?

 

 

その瞬間僕の身体が今までにない龍気で満たされた。

いや、まるで龍気が身体を駆け巡り爆発したような気がした。

今までの僕の心も身体も全て吹き飛ばすような高まりを感じた。

 

 

    

そして、()は目を覚ました。

 




二人に起きた状況説明は次の話で描きたいです!
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