人間のなかではかなり強いと言うだけです。(身体能力は幻想郷の人間最強)
だいたい、魔理沙と同じ位かそれよりちょっと弱いかぐらいです。
夜8時、俺は霧を発生させているもとに向かって飛んでいた。
そこに行かないといけないという意思が強くなったからだ。
わざわざ飯を作って貰っていたアリスには本当に悪いと思っている。というか帰ったら絶対スゲー怒られる。..帰りたくない。
夜風が肌に当たって気持ちいい。ただ、空には依然気持ち悪い色をした霧が広がっている。
何時もはあんなにきれいに見える満月も真っ赤っかだ。
満月の日はいつも気持ちがざわつくのだが、霧のお陰か今日は語りかけてくる声は少ない。
そのせいか、いつもより鮮明に強い意思が聞こえる。
「霧を消して里の皆を守りたい」
倫理的な点から見ても問題ない気持ちだと思う。
だから自分はこの声に従うだけだ。
だけど少し不安な事がある。この意思より強い訳ではないが、もう一つ強い意思がある。
その意思がどういう物なのか自分でもわからない。
その時の俺はまあどうにかなるだろうと、軽く思っていた。
それが原因で後々痛い目に合うとも知らずに。
のんびり飛んでいると、霧の湖まで来ていた。
ここに来ると大体仲のいい妖精が、霧を使って迷わせに来るのだが・・
「来ないな」
下の方をよく見てみると、地形の変わったところもある。
「まさか・・」
俺は途端に嫌な予感がして、彼女たちを探し始めたが、
「お~~い」
どうやら杞憂だったようだ。
青い髪に青いワンピースを着た、氷の妖精がそこにいた。
「どうした。なにがあった?」
みれば服の端々に砂ぼこりがついている。理由は大方予想ができるが、とりあえず彼女に聞いてみることにした。
「なんかすげー急いでいる奴がいてな、そいつらを迷わせてやろうって思ったんだけどそいつらが思った以上に強くて、サイキョーのあたいですら手も足も出なかったんだよ。」
案の定イタズラを仕掛けたようだ。
その氷の妖精、チルノはこの辺りではかなり強いほうだ。そのチルノを倒す、さらにここを今の時間に通るような奴の急いでいる用事なんて一つしかない。
「異変解決か・・だとするとあの・・なんだっけ。あ、そうそう博麗の巫女か。チルノ、そいつどっちに行った?」
「あっち」
チルノがさしたのは北の方角。そちらに元凶があるとみて間違えないようだ。
「なあ、あっちに何かあるのか?」
チルノにそう聞かれたが、どう答えればいいだろうか。
「う~ん、たぶん強い奴がいる。」
まあ⑨だし適当に答えてもいいだろう。
「面白そうだな!よし、あたいも連れていけ!」
適当に返したつもりだったが、興味を持ったようだ。アリスは俺に戦闘狂だ戦闘狂だうるさいがこいつらの方がよほど好戦的ではないだろうか。
まあ、一人で行くのも退屈だしいい暇つぶしになるだろう。
「迷うなよ。」
「大丈夫。あたいが何かしなければここら辺は迷わないから。」
「おい。」
「そういえばあの鬼たちとはどうなったんだ?」
ここで初めて会ったことを思いだしながら、ちょっと気になったことを聞いてみた。
「友達になったぞ。」
「は?」
「だから友達になったって。」
・・今まで馬鹿にしてきたことまあったけど、彼女はとんでもない奴かもしれない。
チルノと談笑しながら飛んでいると、今の空のような赤い屋敷がみえてきた。
「でかいな・・。おいチルノ、ここに何がいるか知ってるか?」
しかし後ろから声は帰ってこない。
「なんだあいつ。結局迷ったのか?」
そう思って後ろを振り返ってみると、かなり後ろの方にチルノの姿が見えるではないか。
さっきまで一緒に話していたはずだが、気づかないうちにスピードが速くなってしまっていたのか。
考えるために下を向いたとき、近くの噴水に目が行った。
(ん?)
ここで俺は気が付いた。
(水が浮いている?いや、止まっている?)
そう、自分以外の時間が止まっていた。
「敵の攻撃か?」
だとしたら俺だけを動けるようにするのはおかしい。とりあえず状況を確かめるためにチルノのところまで飛んで戻ってみる。
「おいチルノ大丈夫か?」
しかし返事は帰ってこない。まるで静止画のようになってしまっている。
「俺以外すべて止まっている?」
ますますわからない。ただ、これが俺の能力でないことは確かだ。
動けないことには仕方がない。チルノには悪いが、ここで待っていてもらうことになりそうだ。
「しかし、ここの人たちは何を考えているんだ?」
俺はそう不審に感じながら、その館の中に入って行った。
館の中は広かった。ただ、使用人の姿があまり見えない。其れなのに館内はとてもきれいだ。
「なんか気味が悪いな。」
館内では正常に時が動いているようである。使用人の妖精がところどころ襲ってくる。
しばらく歩くと、地下に続く道を見つけた。
(日の光を遮る妖怪、つまりは日光が苦手である可能性が高い。だとすると、地下か・・)
俺は湧き上がる恐怖の意思を抑えながら、その中に入って行った。
「図書室か・・」
地下に入って最初に見つけたのはそんな感じの施設だった。
妖精たちの数も増えているように感じる。ここら辺に重要な人物がいることは間違いなさそうだ。
(それにしてもでかい図書館だな・・)
世界中の本が収まっているといわれてもおかしくないような大きさだ。
この中で人一人見つけるのは大変そうであるが・・
「どうやら向こうから赴いてくれたみたいだな。」
「あら、今日は本当にネズミが多いようね。」
紫のパジャマ姿にこの世界では流行らしいZUN帽をかぶった、歳としてはアリスと同じぐらいに見える少女が目の前に現れた。
「お前がこの霧を発生させているのか?」
「その問いには答える必要はないわ。だって・・」
(・!!)
気が付くと俺は本に囲まれていた。
「あなたは今ここでこの世から消えてしまうからね!」
その直後、本たちによる集中砲火が俺を襲った