ゴジラ VS 司波達也   作:たかと

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お待たせしました!
ゴジラの潜水艦襲撃によるオリジナル展開です

矛盾する点があるかもしれませんが御容赦下さい

それではご覧下さい!



第4話 唯一の生き残り

セーリングの途中に所属不明の潜水艦が現れ

襲われながらも無事に潜水艦を振り切り(?)

別荘に帰って来た深雪たち

 

 

しかし、その夜……

 

 

「突然のお呼び立て申し訳ありません」

 

 

深雪たちの別荘に一人の男性が訪ねてきた

 

 

「私は国防軍大尉の風間玄信です

遭遇した潜水艦について話をお聞かせ願います」

 

 

やって来たのは国防軍の上官であった

どうやら深雪たちが遭遇した潜水艦の

情報を掴んで詳細を聞きに来たようだ

 

 

……そして

 

 

「では恩納瀬良垣から伊江島へと

進んだ海域で所属不明の潜水艦と

接触した……と」

 

 

「はい」

 

 

「潜水艦を発見したのは偶然だったんですか?」

 

 

「最初に発見したのは船長さんです

詳しくはあちらに聞いてくださいませ」

 

 

風間からの質問の殆ど穂波が答えると

直後に風間が穂波や深雪には不愉快な

質問を投げ掛けてきた

 

 

「魚雷を撃たれたそうですね」

 

 

「はい……」

 

 

「攻撃された原因に何か心当たりは?」

 

 

「!!!?」

 

 

「そんなもの、あるわけないでしょう!」

 

 

その質問をされた瞬間

深雪と穂波の表情に憤りが現れる

まるで自分たちが潜水艦が手引きを

したのではと疑われたように感じたのだ

しかし風間はそんな深雪と穂波のことを

気に止めず今度は達也に質問をして来た

 

 

「君は何か……気づかなかったか?」

 

 

「…………」

 

 

風間に尋ねられた達也は

少し間を開けてから質問に答えた

 

 

「……目撃者を残さぬために

我々を拉致しようとしたのではと考えます」

 

 

(えっ?)

 

 

達也の言葉は深雪にとって

予想外のものに加え自分たちが

拉致されていた可能性があったのだと

知り戸惑いながら心の中で声をあげた

 

 

「ほう……拉致かね?」

 

 

風間は達也の推測を興味深そうにしている

 

 

「乗っていたクルーザーに

発射された魚雷は発泡魚雷でしたから」

 

 

「達也くん……なんですか、それ?」

 

 

「弾頭に大量の泡を作り出す薬品を仕込んだ

魚雷のことです……泡で満たされた水域では

スクリューが役にたたなく状態にし足止めし

事故を装って乗務員を捕獲することを目的に

作られた兵器です」

 

 

「……何故、そう思う?」

 

 

達也が穂波からの質問に答えると

再び風間からの問い掛けを受ける

 

 

「あの時、クルーザーの通信は妨害されてました

事故を偽装する為には通信妨害の併用が必須です」

 

 

「兵装を断定する根拠としては些か弱いと思うが」

 

 

確かに達也の説明だけでは根拠として弱いが

達也は自分だけが使える特殊な手段で魚雷を

実際に無効化したので魚雷の正体を見抜いた

 

しかしそれは表沙汰にすることは許されない

四葉家の最高機密なやり方だったので達也は

確証していながら予想という形で答えたのだ

 

 

「無論それだけで判断した訳ではありません」

 

 

「他にも根拠があると?」

 

 

「はい」

 

 

「……それは?」

 

 

風間は知ってか知らずか達也にそれを尋ねてきた

しかし最高機密を漏らすわけにはいかない達也は

堂々とした態度で風間に言い放った

 

 

「回答を拒否します!」

 

 

「「!?」」

 

 

達也の堂々とした姿勢に風間と深雪が息を飲んだ

 

 

「根拠が必要ですか?」

 

 

「……いや不要だ」

 

 

達也からの更なる言葉に辛うじて返答する風間

すると今まで沈黙を貫いていた深夜が溜め息を

吹きながら風間に口を開いた

 

 

「大尉さん。そろそろ宜しいのではなくて?

わたくし達に、お役に立てる話はできないと

思いますよ」

 

 

深夜は達也を援護したわけではなく

深夜自身も達也の……強いて言えば

四葉の秘密を知られる訳にはいかず

達也の言葉に助け手を出したのだ

 

 

「…………」

 

 

風間は達也と深夜のタダならぬ様子を

悟ったのかソファーから腰をあげると

 

 

「ご協力に感謝します」

 

 

そう口して深夜たちに頭を下げて

別荘を出て基地へ戻ろうとした時だった

 

 

バタン

 

 

「大尉!」

 

 

突然、部屋の扉が勢いよく開かれると

風間の部下とみられる男性が

緊迫した様子で部屋に駆け込んできた

 

 

「ちょっと、なんですか

ノックもしないだなんて失礼ですよ!?」

 

 

急かさず穂波が男性に抗議するが

男性は穂波を無視して風間の元に駆け寄る

 

 

「一体どうしたと言うのだ?」

 

 

「はっ! 実は先程……」

 

 

「ん?」

 

 

ヒソ ヒソ ヒソ

 

 

風間の部下が風間の耳に何やら小声で囁くと

 

 

「なんだと、確かなのか!?」

 

 

「はっ! この方々が魚雷による攻撃を受けた

海域ですし日本の潜水艦では無かったそうです」

 

 

部下の言葉を聞き驚愕した表情になる風間に

達也と深夜は表情を崩さず冷静に振る舞うが

深雪と穂波が何事かと緊迫した表情になると

風間は再び達也たちに不可解な質問をして来た

 

 

「申し訳ないが、もう1つお尋ねしたい」

 

 

「何ですか?」

 

 

穂波はしつこく質問してくる風間に先程から

嫌気が指していたことに加えて部下の男性が

ノックもせずに勝手に入ってきたので苛立つ

感情を隠さずに気に入らなそうに返事をする

 

 

「変な質問だと承知の上で尋ねます

皆様が海中で見たのは潜水艦だけでしたか?」

 

 

「!!」

 

 

その質問に達也が目元を動かし反応した

 

 

「だから何度も言っているではありませんか

海中を潜航している物体を目視するだなんて

素人に出来るわけがないではありませんか?」

 

 

穂波としてはハプニングがあったので

体調の悪い深夜と動揺している深雪を

気づかい再度苛立ちながら返答すると

風間の口から信じられない言葉が帰ってきた

 

 

「……実は先程あなた方を攻撃したと思われる

潜水艦が沈没しているのが発見されたそうです」

 

 

「「えっ!?」」

 

 

「「…………」」

 

 

風間から聞かされた言葉に深雪と穂波が

声を揃えて驚きの声をあげ深夜も表情が

僅かに変わったのに対して達也の表情は

何やら鋭さを増していると風間も達也の

様子に気付き尋ねてきた

 

 

「……君は何か見たのかね?」

 

 

風間にそう尋ねられた達也を見て

深雪と穂波は先程の潜水艦から

逃れようとしていた時の達也の

様子を思い出した

 

 

「……確証ではありませんが?」

 

 

「構わん。話してくれ」

 

 

間を置いてから達也は風間に

自分が感じた通りのことを、そのまま話した

 

 

「潜水艦より大きく……

それも生物のような気配を感じました……」

 

 

「「「!!!?」」」

 

 

達也の話に風間と深雪と穂波が

案の定、驚き戸惑った様子に変わる

 

 

「たっ、達也くん……

そんな潜水艦を沈められるような

巨大な生き物が居るわけないじゃない……」

 

 

「そっ、そうです

そんな大きな生き物がいたら

とっくの昔に見つかっている筈です……」

 

 

動揺しながらも達也の言葉を

穂波と深雪の順に否定すると

 

 

「達也。深雪さんのガーディアンである

あなたがそんな非現実的な空想話をして

深雪さんの顔に泥を塗るつもりですか?」

 

 

深夜も声はいつもの冷たくも気品のある

静かなものだが表情は怪訝なものだった

深夜も潜水艦が沈没していたという話は

驚いたが流石に潜水艦を沈められる程の

巨大な生物を感じたという達也の言葉に

何を言い出すのだと苛立ちを覚えたのだ

 

 

「……失礼しました」

 

 

それを察したのかは分からないが

達也は深夜に頭を下げて謝罪した

 

 

「分かりました、ご協力感謝いたします」

 

 

その様子を見ていた風間は席を立つと

頭を下げて外へ出ていったので達也と

深雪が見送りに出た

 

その際旅行初日のお散歩の際に深雪に

絡んで達也に返り討ちにされた男性の

一人と再会し彼は風間の部下の一人で

国防陸軍の部隊であったことを知った

名前は"桧垣ジョゼフ"で上等兵だった

 

桧垣は絡んだ事を素直に謝罪したので

達也は淡々と深雪は渋々ながら了承し

両者が和解すると風間は達也に陸軍の

基地の見学を提案して桧垣の運転する

車に乗って帰っていった

 

 

しかし基地では風間が思いもしない

更なる衝撃的な事態が待ち構えていた

 

 

 

ーー国防陸軍恩納基地ーー

 

 

 

別荘を後にして風間が基地に戻ってくると

何やら基地の様子が慌ただしかったのであった

 

 

「なんの騒ぎだ?」

 

 

「分かりません」

 

 

風間と桧垣が基地の様子に首を傾げていると……

 

 

「風間大尉!」

 

 

「真田か、一体なんの騒ぎだ?」

 

 

風間の元に国防陸軍平気開発部の真田が

戻ってきた風間に気付き駆け寄ってきた

 

 

「つい先程地元住民からの通報で恩納瀬良垣の

海岸に数人の外国人とみられる遺体が数体ほど

打ち上げられているとの連絡がありました」

 

 

「なんだと!?」

 

 

「しかも遺体の身なりからして軍人かと」

 

 

「それで現状は?」

 

 

「只今、部隊を派遣して調査に向かうところです」

 

 

「わかった、私も行こう」

 

 

「大尉、自分も同行します」

 

 

「うむ、頼むぞ桧垣」

 

 

戻ってきて直ぐであったが風間は

真田と桧垣と共に恩納瀬良垣の海岸に

打ち上げられたという外国人の軍人と

見られる遺体の回収と現地調査に向かった

 

 

 

ーーそしてーー

 

 

 

恩納瀬良垣の海岸には通報通り

軍服を来た男達の遺体が倒れていた

 

 

「これは……」

 

 

あまりの惨状に風間を初め

駆けつけた陸軍の部隊は騒然とする

 

 

「見たところ全員

海から流されてきたみたいですね」

 

 

「あぁ……もしかすると

先程、見つかったという沈没した

潜水艦の乗組員の可能性が高いな」

 

 

「たっ、確かに!」

 

 

風間の言葉に真田や他の部隊も共感する

 

 

「とにかく念入りに調べてから

遺体をすべて基地まで運ぶ手筈をするように」

 

 

風間が指示を出すと陸軍部隊は

一斉に遺体の様子の状態をチェックすると同時に

遺体の着ていた服装や他に流れ着いた物の中から

何処の国の部隊かを割り出そうと作業を初めると

 

 

「これは……」

 

 

「あぁ、十中八九……大亜連合だな」

 

 

風間たちは遺体の着服していた軍服に

付いていた紋章や特徴を見て日本と

敵対する大亜連合の部隊だと見抜いた

 

 

「仮に彼らが例の潜水艦の乗組員だとすると」

 

 

「やはり潜水艦は大亜連合の物ということだ」

 

 

風間たちも潜水艦の正体は敵対する大亜連合の

潜水艦ではないかと思っていたようだが遺体を

調べて自分たちの見解が正しかったと確信した

 

 

……その時だった

 

 

「大尉!」

 

 

「ん?」

 

 

近くで遺体を調べていた桧垣が

慌てながら大声で風間を呼んだ

 

 

「この男、まだ息があります!」

 

 

「なんだと!?」

 

 

桧垣の衝撃的な大声に急かさず風間が駆け寄ると

 

 

「うっ、うぅ……」

 

 

かなり衰弱しているが確かに男は生きていた

 

 

「これはいかん! 直ちに基地へ運ぶぞ」

 

 

「「はっ!」」

 

 

風間は他の遺体と漂流物の調査を

他の部隊に任せると真田と桧垣の

3人で男を基地へと運び込んだ

 

 

基地には既に連絡が来ていたらしく

風間たちが車で到着すると直ぐに陸軍に

所属する医療チームによって運ばれていった

 

 

「大丈夫でしょうか?」

 

 

「分からんが我々としては

事情を聞き出したいので助かってほしいな」

 

 

「ですね」

 

 

基地の医務室へ運ばれていく大亜連合の男を

見送りながら風間たちが呟くと直後に風間は

深刻な事態を口にしだした

 

 

「最悪の場合……大亜連合が潜水艦の沈没が

我らの攻撃によるものだと見る可能性がある

そうなれば報復しようとしてくるかもしれん」

 

 

「「!!!?」」

 

 

風間の言葉を聞き緊迫した表情になる真田と桧垣

 

 

「それに潜水艦が沈没した原因も気になる

明日から沖縄周辺の監視を強化するように」

 

 

「「はっ!」」

 

 

風間の指示に真田と桧垣は敬礼しながら答えた

そんな二人を見ながら風間は先程別荘で達也が

言っていた言葉を思い出した

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「潜水艦より大きく……

それも生物のような気配を感じました……」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「ハハハ……まさかな」

 

 

そう呟きながらも風間は嫌な予感がしながらも

大亜連合の報告を口実とした侵攻を恐れていた

 

 

 


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