「〜♪」
周りから怪しまれない程度に鼻歌をしながら私は今日撮影が行われる現場へと足を運ぶ、なんと言っても今日はVニーズの
はやる気持ちをなんとか抑えつつ撮影現場のあるビルに辿り着き受付を済ませて案内された控室に入るとそこにはマネさんが席に座って待っていました
私がドアを開けた音に反応して席を立ちこちらへ歩いてくるマネさんに話しかけます
「マネさんこんにちわ!今日が楽しみ過ぎてどうにかなりそうでした!でも安心してください。しっかり
私の前に立って顔を見つめてくるマネさん、もしかして私診察でもされてます?少し立って一息ついてから話し出すマネさん
「少し含みのある言い方だったので本当はあまり寝ていないのではと思いましたが、化粧で誤魔化している様子も充血しているようにも見えないので安心しました。ただ…」
そう言ってマネさんは壁に取り付けてある時計を見ながら
「まさか集合時間の4時間前にくるとは思いませんでした、ライバーの中には遅刻常習犯な方もいますが希さんは全くの逆ですね」
「あははは、居ても立っても居られず、配信は夜やろうと思っていたのと未だ前の会社でのしきたりが抜けなくて…なるべくちょうどいい時間に来ようとはしてるんですが今でもたまに早過ぎる時間に着いちゃうんですよね。もし入れなかったら近くの喫茶店とかで作業しながら時間を潰そうとも思ってましたし遅刻するぐらいならその方がいいかなと」
「早く来すぎて迷惑になっていませんか?」と尋ねると鳩が豆鉄砲を食ったような顔をするマネさん
「マネさん?」
「あぁ、いえ、この業界ではあまり聞いた事が無いような事を訊かれたので少々面をくらいました(遅刻するくらいなら早めに?何もおかしく無いのに変だと思うのは私が染まった証でしょうか?希さんは元社会人ですしその辺の時間管理はしっかりされているようで安心です)希さんはそのままでいてくださいね」
懇願するような顔でお願いするマネさんに「わ、わかりました」と返事をする、一体何の事でしょうか?もしやVtuber特有の時間にルーズな事を言ってるんですかね?
元々私自身人を待たせるより待っていたいのと、社会人時代の習慣で時間には敏感なんですよね
「私は打ち合わせなどもあるので失礼します、ここにあるお茶受けなどは自由に使っても構いませんので呼び出しがあるまでゆっくりとしていてくださいそれではまた」
「はい!マネさんも頑張ってくださいね!」と言ってお見送りした私は1人になった部屋で席に着く、カバンから持参してきたノートPCを取り出し起動してマネさんに呼ばれるまでの間推し活をしようと画面に集中する
今後配信で使うサムネや個人的な推し事(各ライバーの情報整理)を始め事務的な作業も進めていく、お?蓮くんさん先輩の切り抜き、まだ見てないやつですね、これは見なければ!作業用ヘッドホンを装着し動画を見る。相変わらずおかわい…かっこいいです!昨日やっていたフィットネス系のゲームの切り抜き、かっこいい体を目指して頑張ってる姿とても良きですねぇ!普段運動していない人が息を切らしながらも懸命に運動する姿は何だかとても捗ります
お、こちらはカイトさんの!視聴者参加型でやっていたスマシスですね。カイトさんやっぱり自負するだけあってお強い!ただ…アイテム系でしかダメージを出せないルールにするとすこぶる運が悪いのかハズレを引きまくって逆に相手には神引きされて負けているみたいです
「どぉして俺の時だけ無害なやつしか引けねぇんだよ!次こそは…またバナナかよ!相手は…モンスターボックスか、スッゲェ嫌な予感って!んでレジェンドモンスター!?ちょ、まてまてまてそのビームは俺に効………撃墜された。あのー!運営様ー!?俺の乱数、下方向にバグり散らかしているのですがアプデはいったりしませんかぁ!コメント見るか…運の悪さは仕様なのでどうしようもありません〜お黙りやがれ」
カイトさんって実力に運を吸われているんですかね?配信上に映してるコメ欄の様子を見る限りアイテム制にしてからほぼ全敗のご様子、意外な弱点が見れて尊いですねぇ
そんな感じで推し事をしていると廊下から2人こちらに近づいてくる気配、このオーラは!
お二人から湧き出るオーラを感じ取った瞬間にパソコンを閉じて席を立ち扉の方を向いて待機、お二人の姿が開いた扉から見えた瞬間
「こんにちわ!柊木先輩!犬飼先輩!」
と頭を下げながら挨拶をする、数秒経って反応がなかったのでどうしたのだろうと頭を上げてお二人を見ると疑問符を顔で表現したような表情をしている
「あ、あれ?どうかされましたか?柊木先輩、犬飼先輩?」
フリーズから先に復活した犬飼先輩が私に問いかける
「…希ン?って勝手に呼んじゃってるけどごめんね、嫌だったら直すから」
「くるみママにもそう呼ばれているので嫌とかはなくむしろウェルカムですよ!」
「それならよかった!それで何だけど、一応今日って私達と初対面なのによく私達だって分かったね?」
………???それは、犬を見てこれは犬だ!と言ってるのと同じでは?目の前にいるのが柊木先輩と犬飼先輩ならそれはもう柊木先輩と犬飼先輩ですよね?
「それはもちもんお二人のオーラが語ってくれてたので、例えVのお姿ではなくともそれくらいわかりますよ?」
『え?』
「え?」
今度は宇宙猫の顔になったお二人の息ぴったりの(尊い)声に思わず私もそのまま返してしまい数秒前の再現になってしまった空間の中、私は自分が変なことを言ったのだろうかと自問自答していた
犬飼視点
今日の昼からVニーズラジオがあり同期の暦ちゃんもパーソナリティだったからどうせなら一緒に会社行こ!って私が誘って、今は2人で会社に向かって歩きながらお話し中
「なんだかドキドキしてきたね暦ちゃん!なんてったって今日はあの希ンとの初対面だよ!」
私の隣にいる暦ちゃんは微笑みながら返事をくれる、何というか相変わらず凛って感じだよね暦ちゃん
「そうですね初対面はどんな時でも緊張しますが、今回は何というか…普段とはまた違った緊張感があります」
「確かに!私達の事を何時間も、それに初配信で自分より優先して話をするVなんて聞いた事ないし、今までとは違った感じするよね!それに…私達初めての後輩だもん!」
二期生である私達にとって希ン含め、三期生は初めての後輩!初配信は少し恥ずかしかったけどそれ以上に嬉しい気持ちの方が大きかったから今から会うのがとっても楽しみ!
「私達が初配信の時にも先輩方が緊張をほぐす意味でコメントを下さったのを今度は私達が、と思ってやった事が予想外の反応になりましたね」
「それがあって運営さんにコメント控えるように言われちゃったんだけど…蓮くんは「僕も一緒にしたかったです!」って言ってたね」
蓮くんは私達と同じ二期生の男性?V、関わる度に「あれ?男の子だよね?」と感じるほど愛らしい男の娘。まぁ本人はもっと男らしく!を目指してるらしいけど、その時点で可愛いが勝っちゃうよね
「流石に運営さんから止められてはコメントは出来ませんね、そんな希さんが初対面でどんな反応をするのか今から楽しみです。銅像のように動かなくなるかもしれませんね」
少しいたずらっ子の顔をしながら言う暦ちゃん流石にそれはないんじゃないかなと思う反面、希ンならありそうとも思っちゃう
「確かに、ないとは言えなさそうだね」
そんな事を話しながら会社に着いた私達は受付を済ませて、一足先についているという希ンが待っている部屋へと足を運ぶ
部屋の前まできて、一呼吸おいてから私が先に「お邪魔しまーす!」って入ろうと扉を開けたらそこには既に頭を下げて挨拶する女性の姿があった。挨拶の内容からこの子が希ンだよね?まさか、私達がびっくりさせようとしたら先に仕掛けられるとはやるね希ン
礼をしたまま返事がないからどうかしたのかと顔を上げる希ンを見てフリーズが解けた私は希ンにどうして私達だって分かったのか聞いたら、まるで太陽は東から西へ流れるのが普通でしょ?みたいなテンションで私達から出るオーラで分かったと言われて今日2度目のフリーズ
え?オーラ?希ンって⚪︎能力者なの?私達が扉の前にいた時から気づいてたんだよね?⚪︎でも使ってたの?
「私から何が出ているでしょうか?守護霊?」
自分の体や背後を振り返ったりして確認する暦ちゃんに
「いやいや、それは⚪︎タンドでしょ。どっちかと言うと⚪︎能力だよ」
そうツッコミを入れると希ンのほうから何かしら飛んでるんじゃないかってくらいの視線がきているのを感じた
「ど、どうしたの希ン?」
「あ、いえ!普段ならば配信ですのでアーカイブが残って何万回でも見返せるんですが、今この瞬間は見返す事ができないので脳裏にやき残して置こうかと」
「ごめん、ちょっと何言ってるのかわかんない」
「なるほど、確かにここには記録するデバイスがありませんし、そうなると頼りになるのは己の記憶能力のみになりますね」
え、嘘でしょ今希ンが言ったことわかったの!?私全然わかんなかったんだけど!?何だか負けた感じする!と思いながら首だけ回して暦ちゃんの方を見る
「今の会話に勝ち負け等はありませんよ」
心読まれた!?そして困ったような顔で言わないで!私が勝手に思っただけだけど負け犬感増しちゃうから!犬だけど!と抗議するように暦ちゃんを見ていると頭を撫でられてしまう
撫でないでって手を振り払いたいけど心地良すぎて出来ない、希ンがいる前でだらしない姿は見せたく無いのに頬が緩んで…
「希さん?何かこう、存在が希薄になってませんか?」
危うく先輩としての威厳を失いかけたところで暦ちゃんが不思議な事を言い出した。どういう事だろうと希ンの方を向いたら暦ちゃんのいう通り姿が薄くなっている希ンがいた
「えぇ!?ちょ大丈夫希ン!?なんかこう、透明になってきてるけど!?」
暦ちゃんと私の呼びかけに透明になりながら希ンが
「え?あぁ、お気になさらず、お二人の尊い
「漫画で似たような表現見たことあるけどリアルでなりそうな人初めて見たよ!幽霊みたいだから早く人間に戻って希ン!!」
「希さんは元々にんげんですよ」
「暦ちゃんおだまりなさい!」
消えかける希ンに近づいて肩を揺らしながら呼びかけてるから後ろにいて見えないけど、絶対ニヤニヤしながら言ってるよね暦ちゃん!
「ちょ!本当に向こう側が見えちゃいそうなくらい薄くなってるよ!?戻ってきて希ン!」
すると私達が来た扉からノックがして少ししたら開いきそこから美人なお姉さんが入ってきた
「失礼します、撮影を始める前に皆さんでミーティングをしたいのですが…なるほど、お二方の邪魔にならぬ様存在を空気にしようとしているんですか」
…へ?このお姉さん見ただけで今の状況を正確に言い当てたんだけど!?「失礼します」と私たちの横を通り過ぎて希ンの隣へ行くと背中をトンと軽く叩いて希ンを元に戻した。え、⚪︎ランスブレイカー?
「あ、マネさん!こんにちわ!」
「こんにちわ希さん。いくらお二方が尊くて自分をノイズだと判断してもいきなり本当に空気になろうとしないでください、希さんはそういうものだと認識してない人からしたらただのホラーですよ」
だ、だめだツッコミが追いつかない。なんで冷静に空気になれる事を許容してるのか分かんないし、希ンだからで説明つく話なのこれ!?
ラジオ始まる前から楽しみと不安が増してきた気がする、私大丈夫かな…主にツッコミする事への体力的な面で
「希さんに関わっていれば嫌でも希さんだからで説明つく様になると思いますよ、私は比較的そう言った事に慣れているというのもありますが。改めて、私希さん含め三期生のマネージャーを勤めております仲村です。今日は希さんの事をよろしくお願いします」
「そうかもしれませんね、カオルちゃんも心配しなくてもとても楽しいラジオになると思いますよ」
ありがとうマネージャーさん、暦ちゃん、私も不安より楽しみの方が勝ってるからそこは気にしなくていい頼りしにしてるよ。それはそれとして
「ありがとう。それと2人ともナチュラルに人の心読まないで!」
『暦
「息ぴったりだね!?」
「さて、お二人も来られたので今日のラジオの打ち合わせをしましょう」
この一連の会話中希ンの存在が消えそうになりながらも打ち合わせが始まった。因みに打ち合わせ中もう何度か希ンが消えかけてその度に首トンならぬ背中とんとんで元に戻っていたのは蛇足だよ。物理的に空気になろうとする希ンもそれに気づけるマネさんもいったい何者なの?三期生の子達ってもしかしてそれが普通?
お久しぶりです
やっとこさ三期生以外のVニーズメンバーを本格的に出せました
相変わらず希は描いてて楽しいです。ノートに下書きしてスマホのメモに写しながら描いてるんですが下書きとは違う反応が頭に浮かんでこっちの方が希っぽい!になる事もしばしば…
投稿頻度も上げていけるよう頑張ります!
カクヨムにも投稿してます宜しければこちらでも!
https://kakuyomu.jp/works/16817330654919610472
ではまた次回!Σ(゚д゚lll)
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あまり気にした事が無い