【休載中】十六夜桜花と黒猫燦のてぇてぇがみたい!【連載版】 作:古代 有朱夢
俺(オレ)は女子幼稚園児
幼稚園生活を頑張ろう! 前世の記憶でチートだ! などと宣っていた時期が俺にもありました。
現実はとても残酷だ。
何故だ。なぜ、俺は孤立している?
というか、3歳児ども元気すぎておじさんはついて行けない。ブランコに集まったかと思えば次には滑り台に集まっている。目紛しく変わる彼らの行動にはついていけなかった。俺だって、最初はついていこうと頑張ったよ。ただ、この体は貧弱すぎる。ついていこうと頑張っても息がつらくなる。
かと言って、屋内で大人しく遊ぶのなら問題がないかというとそうでもない。大人の精神を持っている俺にとっては積木遊びや綾取りで盛り上がれるはずがないだろう。出来る限り楽しもうと思い、何回も挑戦しても何が楽しいのか分からない。
結局、俺は上手く馴染めず孤立していた。
すると、俺がボーッとして孤立していることに気付いたのか、幼稚園の先生が俺にはなしかけてきた。
「小宵ちゃんは皆んなと遊ばないの?」
「遊んでもつまらないから……。」
「そうねぇ。じゃあ、お歌でも歌う?」
歌かぁ。高校時代は付き合いの関係上で何度かカラオケに行くことがあったが、就職してからは長いこと歌っていない。歌なら俺でも楽しめるだろう。
「それじゃあ、でんでんむしのうた。先生に続けて、歌ってね。」
「はーい」
何人かの園児が先生の声を聞いて集まってきた。
「でんでーんむーしむし かぁーたつむりー
おーまえの めーだまはぁ どーこにある
つのだせー やりだせー あたまだせー」
先生がまず歌う。それに続けてもう一度園児達が歌う。もちろん俺も歌う。
「でんでーんむーしむし かぁーたつむりー
おーまえの めーだまはぁ どーこにある
つのだせー やりだせー あたまだせー」
懐かしい。俺も小さいとき雨の日はでんでんむしのうたを歌っていた。まぁ、今も小さくなっているけど。
ちなみにでんでんむしの『やり』って言うのは生殖器官らしいよ。
ちなみに、でんでんむしは両性具有だ。つまりふたなり。
でんでんむしってのは本来は関西の方言で別の地域ではカタツムリやマイマイという表現もある。最初に生まれた表現はマイマイでその次にカタツムリ、最後にでんでんむしという表現がうまれた。
「おうた うまいね!」
1人の女の子が俺に話しかけてきた。したったらずな声でとても愛らしい。俺は幼女を性的に好きになることはないが、普通の意味で可愛いと思う。
「ありがとう。」
「なまえ おしえて?」
「黒音小宵。」
「くろねこ? ねこみたいだねぇ。じゃあ、ねこちゃん!よろしくね。わたしは さくらって なまえ!」
返答が可愛い。さくらちゃんって言うのか。見た目通りの可愛い名前だ。
「さくらちゃん。こちらこそ宜しく。」
「どーして? そんなに おうた 上手いの?」
「えっと、どうしてかなぁ?」
流石に前世の付き合いで先輩に連れ回されてカラオケ三昧だったなどとは言えない。
「え〜。おしえてよ!」
「うーん?分からないけど、いっぱい歌えば上手くなるんじゃ無いかなぁ?」
「じゃあ、歌う! 先生、他のやついこ!」
「それじゃあ、はにゅうの宿!今回はいっしょに歌おうね!」
「はーい!」
はにゅうの宿かぁ。聞いたことあるけど、幼稚園の頃から歌ううたなのか?まぁ、俺は大好きなうただけどな!
「
1. はにゅうのーやどーも わぁがやぁど
たまぁのぉ よそぉーい うらぁやまじ
のどぉかぁなりぃや はーるのそらぁ
はなぁは あるぅじ とりはともぉ
おぉ わぁが やーどーよー
たのぉしともー たのぉもしやぁ
2. ふみよむぅまどーも わがぁまぁど
るぅりの とこぉーも うらぁやまじ
のどぉかなりぃや あきぃのよわ
つきぃは あるぅじ むしは ともぉ
おぉ わぁが まどよー
たのぉしともー たのもしやぁ 」
やっぱし良い歌だなぁ、はにゅうの宿は。
家は幾らぼろぼろでも大切なものなんだなぁということに気がつく。時代が流れるにつれて俺の元々の世界では忘れられてしまったけど、この世界では今も愛されているんだなぁ。
他にも何曲か歌った。懐かしい歌も多くあったが、知らない歌も何曲かあった。
この世界は俺の元々いた世界とは別の世界のようだ。
もしかしたら、俺の世界の常識は通じないかもしれない。
「ねぇ、ねこちゃん。」
「うん?どうかした?」
「なんにも。」
「へ?」
さくらちゃんには人を垂らす才能があるんだろうか?
こんな幼稚園の頃から、『なんにも』なんて高等な恋愛の駆け引きワードを使ってくるなんてこの幼女やりおる。
「オレの嫁!!!!」
さくらちゃんと俺が仲良くおしゃべりをする中、突然、見ず知らずの幼女が飛び込んできた。
「オレの名前は、神無月 天だ。お前達、オレの嫁になれ!」
「は? いや、急にそんなこと言われても……。」
「いいよ! ねこちゃんは ぺっとね。」
「へ?」
さくらちゃん、何言ってるの?俺がペット?
は! もしや、おままごとってやつか!
「うん、わかった!」
「じゃあ、ねこちゃんは このあと にゃあしか
いっちゃだめ。」
「にゃあ。」
「いや、そういう意味じゃないんだが……。」
「それじゃあ だんなさんが かえってくる ところから。」
「えっいや、その……。」
「かえってくる ところから!」
「アッハイ」
「あなた、おかえりなさい!」
「た、ただいま。」
「ちっがーう! そこは ただいま あいたかったよって ギュってするところ!」
「えっ?」
さくらちゃんはおままごとにこだわりが強いんだなぁ。
「それじゃあ そらちゃんが いうまえから。」
「ただいま、会いたかったよ。」
天ちゃんがさくらちゃんを抱きしめる。
「ええ、会いたかったわ。あなた……。」
抱きしめた状態で数十秒程の時が流れる。
「ちょっと、ねこちゃん! そこは 『にゃあ!』って よってこなきゃ!」
天ちゃんの手をほどき、さくらちゃんは俺に言った。
「じゃあ、もういっかい さいしょかr」
「そろそろ給食の時間よ!」
さくらちゃんが話している最中に先生が園児によびかけた。
「はーい!」
俺達は返事をした。
オレは神無月 天、転生者だ。
オレにはひとつ大きな夢がある。それは、ハーレムを作ることだ!俺の夢を甘く見るなよ!
あれはいつのことだったか。ひとつの有名なゲームシリーズから新作が出た。ストーリーは前作の未来の話で様々なシーンで前作との繋がりを感じられる。そんな素晴らしい名作なのだが、そのストーリーの中で嫁を得ることになる。2人の女性から1人を選ばなくてはならないのだ。ハーレムエンドという選択肢がそのゲームにはなかった。何故だ!
オレはセーブデータを2つ用意して、交互にプレイをした。そうすることで擬似的にハーレムを脳内で演出していた。
そんなことを経験し、オレは成長していった。ある時、オレは異世界転生というジャンルを知った。あぁ、なんて素晴らしいジャンルなんだと思った。
作品の主人公に自らを重ねてはハーレムを作りにやにやしていた。
そんなある日、目覚めると白い空間にいた。
そこは、凄く美しい場所だった。
「私の望みを叶えて欲しいわん。」
「えっ?」
ひとりの犬娘がオレに話しかけてきた。
「君にはある作品の世界のキャラクターに転生して欲しいわん!」
「へぇ、どんなキャラクターなんだ?」
「確か君のいる時間は2010年だよね。6年後、2016年にVtuberという人達が現れ始めるんだ。そんなVtuberがテーマの作品のVtuber。そのうちの1人が君の転生する我王神太刀だ。」
「Vtuberってのは何をするんだ。」
「まぁ、ゲーム実況をしたり、曲を歌ったりするわんよ。」
「そうなのか。」
「Vtuberになれば、もしかしたら君の望むハーレムも作れるかも知れないわんよ!」
「おぉ、そうか。分かった君の話を受け入れよう。転生してやる。」
「君ならそう言ってくれると信じていたわんよ。それじゃあ、君を転生させるわん!」
「おう!」
「幼稚園の頃からストーリーが始まるからそこに転生させるわん!」
「了解!えっ、あ、ちょっと待って!」
「うん?何わん?」
「いや、その。」
「わん?」
「オレって、転生したら何をしたら良いの?原作とかもよく知らないしさ。」
「何をしても良いわんよ、面白いことしてくれたら。」
「面白いこと?」
「気にしなくて良いよ。君のやりたいことをしてくれれば、大丈夫だわん!」
「そ、そうか。」
「それじゃあ、いくわん!」
「お、おう!」
こうして、オレは転生した。
「天ちゃん、このワンピースはどう?」
「ハニー、こっちの方が良いよ!」
「そうね。」
「さあ、天ちゃん。お着替えしましょう!」
何故か幼女になっていた。
父親と母親と思われる人物に服の着替えをさせられている。
え、いや。オレはハーレムが作りたいんだが、あのサンタ分かってて転生させやがったな!
まぁ、良い。恋愛ってのは妨げがある方が燃え上がるものだ。
オレの嫁センサーに引っかかる娘がいたら積極的に声をかけていこう!
「天ちゃん。そろそろ、幼稚園いくわよ!」
「おう! 」
オレは、現在の母親に手を引かれ、幼稚園へ向かった。
幼稚園にはブランコや滑り台があった。皆、楽しそうに遊んでいる。
オレも嫁を探すために遊ぶ。なかなかにブランコというものは楽しい。風を切る感じがとても心地よい。ブランコというのはとても素晴らしい遊具だ。ブランコを最初に考えた人物にはオレの嫁をひとりやっても良い。
うーむ、大変に素晴らしいブランコであるが、ずっとやっていると飽きてくるな。他の遊具で遊ぶか。
滑り台は最高であるな。単なる重量による落下現象をここまで面白く変えてくれるとは、やりおる。
ニュートンもきっと滑り台から万有引力の法則を発見したに違いない。
とはいえ、何度もやっていると飽きてくる。
教室の中に入るか。
なかでは、歌っている園児が多くいた。皆、楽しそうだ。
うん?! 1人、飛び抜けて可愛い娘がいるぞ! その隣りの子も十二分に可愛い!
ビビッときた!
あの娘はオレの嫁だ! !
オレの嫁センサーが叫んでいる!!!
「オレの嫁!!!!」
オレは駆け出した!
下位世界の私はポンコツわんね。ちゃんと我王くんのハーレムフラグを折らないなんて。
まあ、私が女の子に変えて、ついでに阿呆な踏み台っぽいのを突っ込んでおいたから大丈夫わん!
踏み台くんがハーレムなんて言ってるけど出来っこないから大丈夫わんよ。多分、踏み台くん頭良くないわん。
このたびノーブンサイ様の【我が名は我王神太刀。紅蓮の炎に抱かれろ!漆黒の雷に溺れろ。掌握解放紅蓮の炎雷!】より名前だけ借りさせていただきました。ノーブンサイ様には許可をお取りしております。ノーブンサイ様まことにありがとうございます。
今回、お借りした名前はさくらちゃんになります。
私自身ネーミングのセンスが皆無でして、このたび借りさせて頂きました。
キャラクター設定に関しては私のさくらちゃんとノーブンサイ様の 此花桜さんとは類似点はあまりありません。
この度、登場した埴生の宿という曲はスコットランド民謡を明治時代に翻訳したものであり、その著作権は既に消滅しています。この歌は家と家族への愛情を歌ったものです。私自身、後世に残したい名曲であると思っています。埴生の宿は英語版のHome! Sweet Home! の方が現在では有名ですが、日本人の否、世界中の人の心に響く歌であると思っています! 是非、暇が有れば埴生の宿を聞いて欲しいです。
因みに神無月 天という名前は結構テキトーです。男女兼用の名前が良かったのとカッコイイ漢字を使いたかったからです。
よくよく考えたら、天というのがハーレム計画の理由になった作品と繋がっているなぁと気づきました。