宮瀬留華の独白
まずは、前世の話からしよう。前世は、アニメ評論家として、専門誌で連載を持っていたり、ネット上でアニメ批評をしていた。まぁまぁギリギリの生活だったが、非常に楽しい人生だった。のだが、
「打ち切りですか?前回ので?聞いてないですけど」
「えぇ。編集長が変わりまして、その、方針が合わないと」
「おい。新しい編集長をだせ」
「編集長は現在席を外しておりまして・・・」
「もういい。こっちから願い下げだ」
悔しさが先に来た。今年の新年会も皆で盛り上がったはずだ。それが急に手のひら返しやがって。俺の収入の4分の3を占める連載が終了した。まぁ、3か月位なんてこともない。それまでに次の仕事を、と思っていたが、新編集長がナニかやっていたこともあり、毎日自棄酒に走ったそこまでは覚えている。
そして、
「ここはどこだ・・・」
白い絨毯のようなどこまでも続く床。そして、青いか・・・?あれ、これってアニメとかで最近流行っている転生の間?ほら、転生モノでカミサマとかと話す空間のことを転生の間って勝手に呼んでるだが、さて、主はどこだ?
『貴様もそういう類か。まぁ無知は攻めまい』
突然声が響いて来た。あぁ、成程実体を見せない系だな。となると、次はどの世界に行くんだろう?スキルはどうしょう。
『ふむ。慌てないなぁ。普通はもっと取り乱すのになぁ』
あぁ、そういえば。俺は死んだのか?全然実感が湧かなかった。そうか俺は、普通じゃないのか。まぁいい。どんなスキルを貰いたいかだ。考えろ。水系が最強だ。体内の水分を操れれば、ドラゴンとか一発じゃん。よし、そうしょう。
『まぁ、楽でよいが、貴様は急性アルコール中毒で死亡しておる。つまり、お前にやるスキルなどない』
なんと恥ずかしい死因だ。まだ、心筋梗塞とかの方がいい。アルコールの取り過ぎで死ぬなんて残念な終わり方。それもこれも新編集長のヤツが悪い。
『うむ。やはり、まだまだ修行が必要なようだな。次の世界も貴様がいた世界に似た世界にしようと思っている。お主には、馴染みがありそうな世界じゃし』
異世界じゃなく、平行世界かよ。馴染みがあるっていうと、アニメのようなってコトか。じゃあ、あれか、ロボットを使った惑星間戦争とか?ロボットを使って人類滅亡を防ごうとかいう世界か?どっちでも歓迎じゃんか。
『神が造ったルールでの。まぁ、いくつか貴様に適用されるが、一番大きな違いは性別かのう。現世と来世の性別を変えるべしという一文があってのう。まぁその世界は女性が社会進出しておるし、大丈夫じゃろう』
そうか。来世は相棒がいないのか。残念だが、ロボットに乗れるのは男だけじゃないし、人類滅亡を防ぐルートに期待しょう。
『ふむ。では、ここでの話は終わりじゃ。これで儂も大天使に出世じゃ。軽い軽い』
カミサマじゃなかったんかい。まぁいい。次の世界では禁酒しよう。そう心に決めた。こうして、次の世界・新しい名前、宮瀬留華として歩み始めた。ロボットのロの字もなかったけど、戦車ならあった。そう、あのアニメガルパンの世界だった。
この世界に産まれたワケを考えてみた。答えは一つ。黒森峰の10連覇に貢献せよ!ということではないか?と。自惚れかもしれないが、きっとそうなのだろう。根拠も何もないけど、そう思う。だから、お母さんに頼んでみた。子供っぽく、年相応な感じで。
「おかあさん。あのねぇ。わたし、せんしゃどうやりたい」
「え?そうねぇ。お父さんに聞いてみるね」
あれ、5歳児っぽくなかったか?母親の反応を見るに、予想外のことを言われたような感じだ。何でだろうと思ったら、そうだ。戦車道ってお嬢様の遊戯って何かで見たような・・・。そうか。一般庶民の我が家じゃあ、そんな余裕もないのだろう。
??金のかかる武道だけど、お嬢様しかできない武芸という訳でもないよな。維持費(燃料・弾薬・部品代くらい)でどの程度かかるんだろう?全然分からないけど、一年で一般家庭の年収吹き飛ばすくらいなのかな。だから、廃止されて、上流階級の遊戯になってるのかな?じゃあ、戦車道いつ出来るん?
さて、あれから一年が過ぎたが、戦車のせの字も無い生活を続けていた。いや、近所の小学校にも戦車道ってないの。やっぱ四国って、田舎っぽい。何事もなく、ずんずん進む。そして、小学5年生の時に、国際強化選手のまほ姉が出て来た。国際大会でドイツ代表を破り優勝したということだ。そうか、やはり、みほと同い年なんだ、と久しぶりに思い出す。よし。中学は受験しょう。目標黒森峰中等部。だが、戦車道未経験者は入学出来ないときた。さて、中学で戦車道やってるとこ他は知らないんだけど?
アニメの原作に入るまであと、二話の予定。
次回からシリアス度合いが増していきます。