「すみませんでした」
土下座だった。帰って早々やったことが土下座というのはかっこ悪いのだが、鬼を超えた顔をした我が隣人の前では致し方ないと思う。煤、油にまみれたまま、玄関で土下座をする自分。開幕一番から土下座の絵で困惑するだろう。時間を巻き戻すのが手っ取りばやいのでそうしょうと思う。
「大洗の車両って結構強いのね」
「そうなの?」
小梅の言葉に反応するそど子先輩。まぁ、強いとは思うが、あれ使えるんだと思うような車両が若干あるが、まぁ、概ね強いのだろう。流石古豪といわれていただけはある。
「あっちにあるのがIS3。終戦ギリギリで出て来たソ連の怪物で、こっちがブラックプリンス。イギリスの戦車なの」
「狭いのと遅いので強そうな感じはないわ」
天下のIS3とブラックプリンスに悪態をつくそど子先輩。ブラックプリンスは歩兵支援戦車だし。IS3を始めとするソ連戦車は砲塔内が狭いことで有名。だが、カチューシャが乗るといい位な感じがするのは、秘密だ。
「で、戦車って何に使ってるんですか?」
「生徒会選挙とか部活紹介とかって留華さんは知ってるでしょう」
「ええ、まぁ」
大洗戦車道は、戦車を探さないといけないし、みほが来るまで話さないようにしょうと決めていたから、寝てたのだ。興味もないし。実際は流れが大きく変わってしまっているが。原作アニメで無かった超強力な車両軍が鎮座していた。それを、長年風紀委員が管理・運営していおり、しかも、そんなに使わないという異常事態だ。
「この戦力があれば、ベスト4入りも確実だよ」
「それじゃあ、困るんですよね。西住流を打ち破る位の実力がないといけません」
何をそんなに気にしているのか知らないが西住流や、黒森峰にこだわり過ぎている。まぁ、大洗が勝つ確率の方が高いと思うのだが、どうだろうか。言ったほうが良いのかな?
「何言ってるの?まだ、部活として認められてないわよ」
そうだった。まだ、認められていないんだった。小梅が会長から受け取った用紙に必要事項を記入しないといけないくて、部員を3名以上集めないといけないようだ。まぁ、当てはあるが。
「部員もだけど、遠征とか、練習の予算も自分たちで用意する必要もあるわ」
「どうしてですか?」
「生徒会に会計がいなくて、予算が用意できないのよ」
との事。おのれ、あの適当生徒会め、広報より、書記、会計が必要だろ!あんなあほ片眼鏡は庶務位で丁度いいんだよ。
「風紀委員会も独自予算で動いているわ」
「委員会もですか?」
「部活、生徒会、委員会や、学級費に至る全てが独自予算でやっていけてるのよ」
世紀末かっ!継続並みの予算なのか?あの学校よりはお金があると信じたい。のだが、それも自分頼みでタンカスロンにでなきゃ行けないのかも知れないが、秘策があった。
「よし、あの人にマークⅣ戦車を買ってもらおう」
「あの人って?」
「紅茶格言さんだよ」
その一言で小梅は気づいたようだ。要らない戦車を売って当面の資金にするという素晴らしい計画だ。まぁ、あの人が買ってくれるかどうかだが、多分買ってくれると思う。こちらの交渉しだいだが・・・。
「勝手に学校の物を売るのは校則違反よ」
「大丈夫。生徒会と交渉するから」
「それならいいわ」
それならいい。ということは、それすらしない人と思われているのだろうか。まぁ、4月に髪型が校則違反だとか言われたっけなぁ。あの時もそど子はうるさかったなぁ。今もこちらを向いてに何か言いたそうな雰囲気を出してるし。
「人数もそうだけど、戦車の管轄は私達風紀委員なのよ」
「そうみたいですね」
この時、そど子先輩が何を言いたいか分からなかった。でも、冷静になれば分かる。バトル漫画的なノリだったということに。
「私達と貴女達のチームで勝負して、勝った方に戦車の所有権が移るわ」
え?何言ってるの?と思ったが、小梅はやる気らしい。その瞳には闘志が漲っていた。ここもバトル漫画的な思考である。え?ついていけない。そしてどこからともなく出てくる風紀の腕章をした生徒たち。
「二人なので、留華あの車両に乗りましょう。・・・違いますよ。あの快速のAMXですよ」
AMXとは、フランス製戦車で1956年に計画を開始した戦車で、操縦手と、車長兼通信手兼砲手兼装填手の二名だ。勿論戦後車両である。
「これ、使えるの?」
「勿論ですよ。立派な使用車両ですよ」
そうみたいだ。じゃあ、あっちにあるレオパルドみたいなヤツや、鼻の長いあの車両も使えるのだろうか?いやー。使えないと思ってたよ。
そうして、始まった戦い。一対三の殲滅戦。決着までに要した時間は二時間程だった。疲れ果てた私は、お風呂?帰ってからぁ~。ご飯?食べる元気があったらぁ~。とか適当な返事を繰り返しさっさと帰ったのだが、そこには、沙織が待っていた。
創作和食という言葉を知っているだろうか。近年では、フランスや、イタリア等の料理と和食をコラボ?させ提供する店が増えているらしい。そこで、誰も目を付けていない国の料理と和食の創作料理を作ることにしたのだ。
「それが、コレだと」
「あぁ、そうだ」
聖グロリアーナ女学院学園艦に密航し、自分の自分だけの料理を作ろうと出店をやっただけで通報されるとは思わなかった。
これは日本一駄目な料理人といわれ、イギリス×和食の道を進み続けた男の物語。